【木村ヒデノリのTech Magic #078】 掃除機に限らずさまざまな分野に進出するdyson(ダイソン)の活躍が目覚ましい。ドライヤーなどヘアケア製品のラインアップが増えているが、今回紹介するのもスタイリングに関する製品だ。ダイソンが今回リリースしたのはスタイリッシュな形状のヘアアイロン「Corrale(コラール)」。価格がそれなりに高いのはもはやダイソンらしさと言えるのかもしれないが、それに見合った機能性が詰まっているのも常だ。他の製品にはない機能性が吉と出るのか凶と出るのか、実際に使った感想をお伝えしたい。
そんなダイソンが満を辞してリリースした最新ヘアケア家電がコラールだ。有線式のヘアアイロンが多い中、コラールはバッテリーで駆動。プレート部にテンションがかかると毛束に併せてたわむ「フレックスプレート」を搭載し、他のヘアアイロンよりも低い温度でのスタイリングを可能にしている。
ダイソンには他にもエアラップスタイラーというスタイリング専用製品もある。髪の毛を吸い込む力で自動的に巻き付け、カールなどのスタイリングがしやすくなる製品で、これも他メーカーにはない独自の発想だ。サイクロン掃除機から始まったダイソンの歴史だが、今や独自の風を操る技術を元に多くの領域に製品を展開している。特にヘアケアの領域はダイソンが持つノウハウを活かしやすい市場と言えるかもしれない。
毛束の形状に合わせて変形する加熱部は髪全体に均一なテンションを提供。これによって切れ毛も低減できるという。また、プレートの熱を1秒間に100回測定することでスタイリングに適した温度をキープ。スタイリング中の温度変化を抑えることで過度な熱によるダメージを抑えてくれる。温度は165℃、185℃、210℃の三段階から選択できるが、このパワフルさを均一に提供する性能をバッテリー駆動で実現したというところからダイソンの技術力の高さがうかがえる。
ただ、従来のヘアアイロンをイメージしていると違和感があるかもしれない。ダイソンは自社の実験でストレートアイロンを再定義しているが、今までの経験則と離れている点がある。例えばプレートが滑りづらい点。適度なテンションを少ない回数でかけることを念頭に置いたコラールと、何度も髪に当てることを考えて滑りやすいプレートを採用している他社製の製品では使い勝手に大きな違いがある。従来製品を考えて何度も当てたいユーザーにとっては当然違和感になるだろう。画期的な製品ではあるのだが、こうしたユーザー体験のパラダイムシフトも啓蒙していかないと、受け入れられない層が残る可能性はある。
また、重さも女性には気になる点かもしれない。スイッチを入れてから温まるまでの時間はわずか10秒ほどと驚異的な使い勝手の良さを実現。バッテリー駆動するので持ち運んでスタイリングするのにも通電状態と遜色ない機能性を提供してくれるコラールだが、いかんせん重い。そして本体もやや大きい印象だ。この辺りは世代を重ねることでダイソン掃除機のように改善されていくだろうが、現行品では気になる点だ。
同時にリリースされているプロモデルだが、コンシューマー用との違いは電源ケーブルの長さが50cmほど長いという点のみ。サロンでもコンシューマーと同じ機能性で売り込んでいるあたりにダイソンの自信が見えるだろう。
工夫は必要だが、アウトプットされる結果に筆者は満足している。前述したようなデメリットをメリットが上回ると思えるユーザーは買って損のない製品だと思う。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)
ヘアケア製品に力を入れるダイソン
ドライヤーを皮切りにヘアケア製品に進出したダイソン。筆者も半年ほど前からダイソンのドライヤーを使用しているが、性能は他社とは比較できない突出したものがある。特に風量は他社の追随を許さないパワフルさで、一度使うと元に戻れない。実家に帰った際に元々使っていたパナソニック製ドライヤーを使ったが、乾くまでの速度に雲泥の差があった。そんなダイソンが満を辞してリリースした最新ヘアケア家電がコラールだ。有線式のヘアアイロンが多い中、コラールはバッテリーで駆動。プレート部にテンションがかかると毛束に併せてたわむ「フレックスプレート」を搭載し、他のヘアアイロンよりも低い温度でのスタイリングを可能にしている。
ダイソンには他にもエアラップスタイラーというスタイリング専用製品もある。髪の毛を吸い込む力で自動的に巻き付け、カールなどのスタイリングがしやすくなる製品で、これも他メーカーにはない独自の発想だ。サイクロン掃除機から始まったダイソンの歴史だが、今や独自の風を操る技術を元に多くの領域に製品を展開している。特にヘアケアの領域はダイソンが持つノウハウを活かしやすい市場と言えるかもしれない。
ダイソンならではの機能性! 低温で伸びるストレートアイロン
ダイソンによると、スタイリングの鍵は温度・テンション・コントロールの三つだそうだ。髪により高いテンションを与えて均一にコントロールすることが浮き毛の少ないスタイリングを短時間で可能にするという。毛束の形状に合わせて変形する加熱部は髪全体に均一なテンションを提供。これによって切れ毛も低減できるという。また、プレートの熱を1秒間に100回測定することでスタイリングに適した温度をキープ。スタイリング中の温度変化を抑えることで過度な熱によるダメージを抑えてくれる。温度は165℃、185℃、210℃の三段階から選択できるが、このパワフルさを均一に提供する性能をバッテリー駆動で実現したというところからダイソンの技術力の高さがうかがえる。
使用感は上々、従来品のイメージを持っていると違和感も?
実際に寝癖が強烈な3歳の娘に使ってみると、一番低い165℃でもどんどん伸びてストレートになっていく。髪質もブローで伸ばした時よりもなめらかに仕上がるので艶が出た印象だ。一応表記には「マイナスイオンが静電気を抑える」ことで艶が出るということだが、ここは賛否があるところだろう。事実筆者もマイナスイオンと髪の関係性の学術的資料を探したが納得のいくものが見つからなかった。とはいえ、見た目の変化はすぐにわかるほど出る。この辺りは仕組みよりも結果を元に判断した方がユーザーは恩恵を得られそうだ。ただ、従来のヘアアイロンをイメージしていると違和感があるかもしれない。ダイソンは自社の実験でストレートアイロンを再定義しているが、今までの経験則と離れている点がある。例えばプレートが滑りづらい点。適度なテンションを少ない回数でかけることを念頭に置いたコラールと、何度も髪に当てることを考えて滑りやすいプレートを採用している他社製の製品では使い勝手に大きな違いがある。従来製品を考えて何度も当てたいユーザーにとっては当然違和感になるだろう。画期的な製品ではあるのだが、こうしたユーザー体験のパラダイムシフトも啓蒙していかないと、受け入れられない層が残る可能性はある。
また、重さも女性には気になる点かもしれない。スイッチを入れてから温まるまでの時間はわずか10秒ほどと驚異的な使い勝手の良さを実現。バッテリー駆動するので持ち運んでスタイリングするのにも通電状態と遜色ない機能性を提供してくれるコラールだが、いかんせん重い。そして本体もやや大きい印象だ。この辺りは世代を重ねることでダイソン掃除機のように改善されていくだろうが、現行品では気になる点だ。
発想の転換次第で快適、固定概念を捨てて使うのが吉
プレートには蒸気を逃すスリットもないため、使い方には工夫がいる。娘の髪をスタイリングする際、最低温でも暑がるなど、やや不都合な点もなくはない。ただ、「低温で髪を痛めずにスタイリングをする」というコンセプトには十二分にコミットした製品だ。ユーザー側が意識を変えればかなり便利に使えるものだろう。同時にリリースされているプロモデルだが、コンシューマー用との違いは電源ケーブルの長さが50cmほど長いという点のみ。サロンでもコンシューマーと同じ機能性で売り込んでいるあたりにダイソンの自信が見えるだろう。
工夫は必要だが、アウトプットされる結果に筆者は満足している。前述したようなデメリットをメリットが上回ると思えるユーザーは買って損のない製品だと思う。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)