筆者は心身ともにだらけきっている。コロナ禍に対策するため、自宅で仕事しやすい環境を整えはじめたら居心地も良くなってしまい、必要以上に家から出なくなった。トレーニングはしないし食事もテキトウで、就寝時刻も睡眠時間もまちまちだ。
このひどい生活を改善する気にはなれないが、ひとまずこうした自堕落さを可視化してみようと思い立ち、スマートバンドのなかでも安価な部類に入る「Mi スマートバンド 6」を購入した。
これだけ数多くの機能を備えて価格は5990円。前モデルの4490円から値上がりしてはいるものの、スマートバンドにしては安いほうだろう。前モデルとの差はあまりなく、有機ELのディスプレイが1.1インチ(解像度:126×294)から1.56インチ(解像度:152×486)に大型化して、視認性が向上したのが主な変更点と言える。1500円アップに見合うアップデートかというと微妙なところだが、見やすさは気にしているポイントだったため本モデルを選んだ。
公式サイトでは通常モードにおけるバッテリー駆動時間は14日間と記載しているが、筆者の場合はいくつも機能を有効化しているからかバッテリーの消費量が多いらしく、1週間程度でバッテリー残量が心もとなくなる。とはいえ、1週間くらいに一度の頻度なら充電も面倒に感じないので筆者は問題視していない。
本体に付属しているTPU製バンドは洗いやすく、布などで水気を拭き取れるのが良い点だが、欠点に感じるポイントもある。衣類の着脱やバックパックを背負うときなどにバンドが触れたり引っかかったりすると、そのちょっとした力や衝撃でバンドがポロっと取れてしまうことがあるのだ。また、筆者の肌と合わないのか、たまに本製品と接したところが赤くなったりかゆくなったりするのも不便に感じる。
そこでアマゾンで代わりの安いバンドを見繕って買った。質感は安物なりで、水気を吸う素材なので乾かす時間も発生するが、着け心地は良い。マジックテープのようなもので留めるタイプで、手首の太さに合わせて締め具合を調整しやすいのも気に入っている。
しばらく使ってみて歩数の変遷を見ると、まったく外出せず100歩も歩いていない日があったり、1週間でも約1600歩しか歩いていない週があったりすることがわかった。さすがに動いたほうが良さそうだと思わせてくれる数字ではあるが、健康やダイエットのためだけにジョギングなどをする気にはなれない。
なので、ずっとリモートワークでも仕事は回るものの、気が向いたらオフィスに徒歩で赴いたり(往復10kmほど)、目的地が5km以内だったら歩いたりするようになった。おかげで歩数が1万歩を超える日が多くなり、健康に一歩近づいたような気分になる。
サイクリングやヨガ、ボクシング、バスケットボール、バレーボールなど30種類のエクササイズに対応したデータの計測も可能だ。さらに6種類のエクササイズモード(アウトドアランニング、トレッドミル、ローイングマシン、エリプティカル、ウォーキング、サイクリング)を自動的に認識する機能も用意されている。これは便利そうだと思っていたが、個人的には期待していたほどではなかったのが正直な感想だ。
まず、エクササイズの自動認識機能は初期状態ではオフになっており、アプリではなく本体側からしか設定できない(アプリ上で該当する設定項目が見つからなかった)。そして、自動認識するまでにそこそこ時間がかかる(ウォーキングだと認識されるまで、筆者だと5分くらいかかった)。自動認識すると本体が振動するが計測開始の合図ではなく、「ウォーキングしていると認識したので、計測を開始してもよいか」という確認の合図だ。ここで本体画面をタップするとやっと計測が始まる。
すぐ認識されるわけではなく、自動で計測を始めるわけでもないのが面倒に感じてしまう。誤認識を避けるためのフローだとは思うが、このあたりは改善してもらえるとうれしい。
睡眠の記録に関しては、眠った時刻や眠りの深さ別の時間、血中酸素レベル、呼吸の品質までわかる。ログをたどると睡眠ではなく仮眠と判定された日が何度かあったが、シャオミのカスタマーサービスセンターに問い合わせると、夜間(19時~6時)に就寝しないと睡眠として判定されないという回答をもらった。なお、呼吸の品質を調べるときに血中酸素レベルを計っており、記事執筆時点ではそれ以外で自動で血中酸素レベルを計測してくれることはない(手動での計測は可能)。
睡眠時には安静時心拍数も計測している。こちらは3時間以上寝ないと測定してくれないとのことなので、不規則な生活リズムの筆者は睡眠や安静時心拍数のデータは歯抜けのようになっている。改善しないと、と少しだけ思うが危機感を覚えていないのでおそらく治らない。
心拍数だけでなくストレスレベルも24時間モニタリングするため、1日のなかで数字の変化を見るのが面白い。たとえば、映画館に見に行った作品が思っていた以上に自分に合わなかったことがある。その映画の鑑賞中はストレスレベルがなかなか高く、エンドロール中に本編の内容を思い出しながら「やっぱりつまんなかったよな……」と確認しているときがもっともストレスレベルが高かった。
一方で全編楽しく鑑賞できた映画ではストレスレベルが終始低く、完全にリラックスしている様子がデータでわかった。リラックスしすぎたのか、単に動いていないからなのか仮眠判定されたくらいだ。このように、自分はどんなときにどのくらいのストレスを感じるのか視覚化できるのが面白い。
メインの機能ではないが、個人的に役立っているのが「座りすぎ通知」機能。1時間ずっと座りっぱなしだと本体が振動し、座りすぎであることを教えてくれる機能だ。筆者は休憩の目安として使っていて、座りすぎ通知を受けたら面倒でもストレッチや散歩などして休憩するようになり、良い気分転換になっている。
本製品の魅力は価格と機能性のバランスの良さだろう。6000円以下と安く、筆者のように「なんとなく自身の情報を可視化したい」というぼんやりとした目的でも手を出しやすい。それでありながらスマートバンドとしての機能は豊富で、使い勝手もほぼ満足の本製品。スマートバンドの類を持っていない人にまずオススメしたい一品だ。
ちなみに、Amazon Alexaを内蔵し、NFCによるタッチ決済機能を追加した「Mi Smart Band 6 NFC」(54.90ユーロ、約7000円)が9月にグローバル発表された。日本発売に関するアナウンスは記事執筆時点では見当たらないが、「Mi スマートバンド 6」を持っていなかったら発売を期待して待つのも手かもしれない。(浦辺制作所・藤縄 優佑)
このひどい生活を改善する気にはなれないが、ひとまずこうした自堕落さを可視化してみようと思い立ち、スマートバンドのなかでも安価な部類に入る「Mi スマートバンド 6」を購入した。
機能山盛り、お買い得
Xiaomi(シャオミ)の手がける「Mi スマートバンド 6」は、Android/iOS端末とBluetooth接続するスマートバンドだ。手首に装着して使い、スマホの通知や時刻の表示のほか、歩数や心拍数、消費カロリーや睡眠時間といった体にかかわるデータを計測・記録してくれる。ストレスレベルや安静時心拍数まで計測可能なうえ、Apple Watchシリーズなど最近のスマートウォッチに採用されるようになってきた血中酸素レベルも計ることができる。防水性能は5気圧防水で、シャワーや水泳の際にも使えると謳う(サウナやダイビング時には着用不可)。これだけ数多くの機能を備えて価格は5990円。前モデルの4490円から値上がりしてはいるものの、スマートバンドにしては安いほうだろう。前モデルとの差はあまりなく、有機ELのディスプレイが1.1インチ(解像度:126×294)から1.56インチ(解像度:152×486)に大型化して、視認性が向上したのが主な変更点と言える。1500円アップに見合うアップデートかというと微妙なところだが、見やすさは気にしているポイントだったため本モデルを選んだ。
公式サイトでは通常モードにおけるバッテリー駆動時間は14日間と記載しているが、筆者の場合はいくつも機能を有効化しているからかバッテリーの消費量が多いらしく、1週間程度でバッテリー残量が心もとなくなる。とはいえ、1週間くらいに一度の頻度なら充電も面倒に感じないので筆者は問題視していない。
バンドを自分好みに変更できる
本製品は本体とTPU(熱可塑性ポリウレタン)製バンドを取り付けて使い、バンドは別カラーのものも含めて単品購入できる。また、シャオミ公認ではないだろうが他社もさまざまなデザインのバンドを販売している。本体に付属しているTPU製バンドは洗いやすく、布などで水気を拭き取れるのが良い点だが、欠点に感じるポイントもある。衣類の着脱やバックパックを背負うときなどにバンドが触れたり引っかかったりすると、そのちょっとした力や衝撃でバンドがポロっと取れてしまうことがあるのだ。また、筆者の肌と合わないのか、たまに本製品と接したところが赤くなったりかゆくなったりするのも不便に感じる。
そこでアマゾンで代わりの安いバンドを見繕って買った。質感は安物なりで、水気を吸う素材なので乾かす時間も発生するが、着け心地は良い。マジックテープのようなもので留めるタイプで、手首の太さに合わせて締め具合を調整しやすいのも気に入っている。
体にまつわる数字の変化を見るのは面白い
本製品に限った話ではないが、こうしたスマートバンドなどの良いところは、自動で体にまつわるデータを取得してくれる点にある。ウォッチフェイス上で現在の歩数や直近の心拍数を確認でき、計測・記録したデータはスマホアプリの「Mi Fit」上でまとめてくれるため、いつでもデータを振り返りやすい。なお、本製品の設定変更やファームウェアアップデートもアプリを通じて実行する。しばらく使ってみて歩数の変遷を見ると、まったく外出せず100歩も歩いていない日があったり、1週間でも約1600歩しか歩いていない週があったりすることがわかった。さすがに動いたほうが良さそうだと思わせてくれる数字ではあるが、健康やダイエットのためだけにジョギングなどをする気にはなれない。
なので、ずっとリモートワークでも仕事は回るものの、気が向いたらオフィスに徒歩で赴いたり(往復10kmほど)、目的地が5km以内だったら歩いたりするようになった。おかげで歩数が1万歩を超える日が多くなり、健康に一歩近づいたような気分になる。
サイクリングやヨガ、ボクシング、バスケットボール、バレーボールなど30種類のエクササイズに対応したデータの計測も可能だ。さらに6種類のエクササイズモード(アウトドアランニング、トレッドミル、ローイングマシン、エリプティカル、ウォーキング、サイクリング)を自動的に認識する機能も用意されている。これは便利そうだと思っていたが、個人的には期待していたほどではなかったのが正直な感想だ。
まず、エクササイズの自動認識機能は初期状態ではオフになっており、アプリではなく本体側からしか設定できない(アプリ上で該当する設定項目が見つからなかった)。そして、自動認識するまでにそこそこ時間がかかる(ウォーキングだと認識されるまで、筆者だと5分くらいかかった)。自動認識すると本体が振動するが計測開始の合図ではなく、「ウォーキングしていると認識したので、計測を開始してもよいか」という確認の合図だ。ここで本体画面をタップするとやっと計測が始まる。
すぐ認識されるわけではなく、自動で計測を始めるわけでもないのが面倒に感じてしまう。誤認識を避けるためのフローだとは思うが、このあたりは改善してもらえるとうれしい。
睡眠の記録に関しては、眠った時刻や眠りの深さ別の時間、血中酸素レベル、呼吸の品質までわかる。ログをたどると睡眠ではなく仮眠と判定された日が何度かあったが、シャオミのカスタマーサービスセンターに問い合わせると、夜間(19時~6時)に就寝しないと睡眠として判定されないという回答をもらった。なお、呼吸の品質を調べるときに血中酸素レベルを計っており、記事執筆時点ではそれ以外で自動で血中酸素レベルを計測してくれることはない(手動での計測は可能)。
睡眠時には安静時心拍数も計測している。こちらは3時間以上寝ないと測定してくれないとのことなので、不規則な生活リズムの筆者は睡眠や安静時心拍数のデータは歯抜けのようになっている。改善しないと、と少しだけ思うが危機感を覚えていないのでおそらく治らない。
心拍数だけでなくストレスレベルも24時間モニタリングするため、1日のなかで数字の変化を見るのが面白い。たとえば、映画館に見に行った作品が思っていた以上に自分に合わなかったことがある。その映画の鑑賞中はストレスレベルがなかなか高く、エンドロール中に本編の内容を思い出しながら「やっぱりつまんなかったよな……」と確認しているときがもっともストレスレベルが高かった。
一方で全編楽しく鑑賞できた映画ではストレスレベルが終始低く、完全にリラックスしている様子がデータでわかった。リラックスしすぎたのか、単に動いていないからなのか仮眠判定されたくらいだ。このように、自分はどんなときにどのくらいのストレスを感じるのか視覚化できるのが面白い。
メインの機能ではないが、個人的に役立っているのが「座りすぎ通知」機能。1時間ずっと座りっぱなしだと本体が振動し、座りすぎであることを教えてくれる機能だ。筆者は休憩の目安として使っていて、座りすぎ通知を受けたら面倒でもストレッチや散歩などして休憩するようになり、良い気分転換になっている。
本製品の魅力は価格と機能性のバランスの良さだろう。6000円以下と安く、筆者のように「なんとなく自身の情報を可視化したい」というぼんやりとした目的でも手を出しやすい。それでありながらスマートバンドとしての機能は豊富で、使い勝手もほぼ満足の本製品。スマートバンドの類を持っていない人にまずオススメしたい一品だ。
ちなみに、Amazon Alexaを内蔵し、NFCによるタッチ決済機能を追加した「Mi Smart Band 6 NFC」(54.90ユーロ、約7000円)が9月にグローバル発表された。日本発売に関するアナウンスは記事執筆時点では見当たらないが、「Mi スマートバンド 6」を持っていなかったら発売を期待して待つのも手かもしれない。(浦辺制作所・藤縄 優佑)