果物問屋と愛媛の農家がクラウドファンディングで「食品ロス」に挑む!

新製品

2021/08/24 17:30

 食品ロスが社会問題となる中、一般流通されないことの多い規格外の果物を有効活用しようと、果物問屋のMIKAWAYAと愛媛県の農家がタッグを組んだ。こだわりの栽培や農法で育んだ果物は、味と品質は同じながら規格外というだけではじかれてしまう。こうした規格外の国産果物をふんだんに使った、上質な味わいと豊かな香りの手作りジャムを開発したのだ。

食品ロスの解消を目指して開発した手作りジャム4種

全ての工程が見えるから安心

 果物問屋のMIKAWAYAは手作りジャムの企画・開発にあたり、実際に愛媛の農家まで足を運び、栽培している様子や農家の人たちから直接話を聞いたりして、信頼できる農家とだけ取引をしている。

 国産の果物でジャムを作るため、洗浄や選別、加熱、消毒などすべての工程を目で確認できるから、子どもにも安心だ。もちろん、添加物を一切使わない無添加である。
 
味、品質が同じ規格外の果物をふんだんに使って作るジャム

 ジャムのラインアップは、くらもとファームの河内晩柑マーマレードと海稲農園のいちごジャム、正岡観光りんご園のりんごジャム、上岡農園の柿ジャムの四つ。この中から、今回の企画のきっかけにもなった、くらもとファームの河内晩柑マーマレードを紹介しよう。

 愛媛県南予地区は雨量が多く、日照時間も長いため、太陽の光をたくさん浴びた柑橘は肉付きがとても良い。また、「豚のたい肥」を使って育てた柑橘は甘みが増し、上質な味わいと香りが楽しめるという。マーマレードにする際は、この皮の食感を少し残しながら仕上げるので、噛んだ時に河内晩柑の香りが口の中に広がる。
 
豊富な雨と太陽の光をたくさん浴びて育つ愛媛県南予地区の果物

果樹の自然現象で落下するだけで規格外に

 この河内晩柑を育てる際、6月の収穫時期の前後に果樹の自然現象である早期落下と後期落下の二つが起きてしまう。規格外として市場に出回ることはないが、いずれも皮をむくだけで収穫期よりも豊かな香りがあるという。

 この規格外の河内晩柑を使い、多くの人に豊かな香りを感じてもらうにはどうすればいいか、ということがジャム作りのきっかけになったというわけだ。
 
現地に行って目で見て話しを聞き、信頼できる農家としか取引をしない

 規格外の果物を活かすメリットは、上質で安全な国産果物の味や香りを安価な値段で消費者に届けることができるだけではない。ロスになってしまう果物がお金に換えられることで、農家の新しい収入源にもつながる。ひいては、年々減少の一途をたどる農業就業人口の増加にもつながる。

 クラウドファンディングのBCN本舗に出品している商品は、ジャムだけでなく、ジャムと現地果物の詰め合わせなど2100円~1万7000円まで幅広くラインアップされている。
( https://bcn.en-jine.com/projects/foodloss-jam )  
ジャムと果物の詰め合わせもある

 商品と価格(送料込み)は、「愛媛県産の果実を使用した、無添加のジャム1種」が2100円、「愛媛県産の果実を使用した、無添加のジャム4種」が2800円、「愛媛県産の手作り無添加ジャム・マーマレード4種と産地直送の富有柿2kg」が4000円、「愛媛県産の手作り無添加ジャム・マーマレード4種と産地直送のまどんな2kg」が4600円、「愛媛県産の手作り無添加ジャム・マーマレード4種と産地直送のシャイマスカット2kg」が7000円などとなっている。

 最上位の詰め合わせは、「愛媛県産手作り無添加ジャム・マーマレード4種と『まどんな、せとか、シャインマスカット、富有柿』2kgずつ『キウイ』1kg」で1万7000円となる。