動画撮影機能も充実
AQUOS R6は動画撮影機能も出来がよい。前機種の「AQUOS R5G」は8K動画記録に対応していたことを考えれば、最新機種が最大4K/60fpsを上限としていることがスペックダウンしたように感じるかもしれないが、安定感は手ブレ補正や風切り音低減などサポート機能の効果により高まっているし、明るく色鮮やかな画質にも満足できる。フォトアプリに保存される動画のアーカイブを開き、「編集用アプリ」から「アップコンバート」を選択すると、動画を先頭から最大1分までHDR画質に変換できる。高さの幅が2倍になるので、4K動画から8K動画を生成すれば前機種のR5Gとほぼ変わらない動画撮影体験が楽しめる。
アップコンバートした動画は最新のAQUOSシリーズの4Kテレビなど、Wi-Fi経由のキャスト機能に対応するテレビにワイヤレスで飛ばして大きな画面で見ることができる。スマートフォンの「設定」から「接続済みのデバイス」を開き、「接続の設定」から「キャスト」をタップしよう。接続する機器としてWi-Fi対応のテレビを選ぶとキャスト再生が始まる。家族で撮ったイベントの動画をリビングで振り返りながら楽しみたい。
液晶の高画質化技術を継承した「Pro IGZO OLED」
AQUOS R6には約6.6インチのHDR有機ELディスプレイが採用されている。画素数は2730×1260ピクセル。独自の液晶ディスプレイ向け技術として映像のチラつきや残像感を抑えてクリアに表示、省エネ性能も合わせて実現する「IGZO」を、スマホ向けの有機ELディスプレイに応用。AQUOS R6に「Pro IGZO OLED」として搭載している。ディスプレイの明るさはAQUOSスマートフォン史上最高をうたう2000nitsのピーク輝度を再現できる。たしかにまぶしいほどの明るさだ。YouTubeに公開されているHDR対応の動画を再生してみると、強く煌めく映像のパワーに圧倒された。むしろ、少し暗い場所では映像が明るすぎる感じもした。オートとマニュアルの設定変更により上手に調整したい。
AQUOS R6のPro IGZO OLEDディスプレイは画面を120Hzのリフレッシュレートで高速に描画しながら映像の視認性を高める倍速表示に対応する。倍速表示は常時オンの状態だと端末が駆動時に多くのバッテリーを消費するため、倍速表示が必要なアプリをユーザーが選択する仕組みとした。「AQUOSトリック」アプリ、または本体設定の「ディスプレイ」>「詳細設定」から「なめらかハイスピード表示」に入り、ハイスピード表示に対応させたいアプリを選ぼう。
例えば、ブラウザやイスタグラムなど、画面に表示されるコンテンツをタテ方向にスクロールさせてながら読む機会の多いアプリをなめらかハイスピード表示にすると、文字や写真がクッキリと見えてメリットが感じられるはずだ。モバイルゲームの動画表示もガタつかず滑らかになる。
AQUOS R6が搭載するディスプレイは左右側面にカーブを付けて曲面カバーガラスを配置している。本体を手でしっかりとホールドしようとすると誤操作の原因になることもあった。この点は使いながら慣れる必要がありそうだ。
高機能な指紋センサー、アウトドア仕様も万全
AQUOS R6には米クアルコムが開発した最新の画面内埋め込み指紋センサー技術「Qualcomm 3D Sonic Max」が採用されている。指紋の認識エリアが広く、ガイドの隅をタッチしてもすばやく画面ロックが解除される。本機は顔画像認証にも対応しているが、マスクを着けているとロック解除ができないので、指紋認証と併用するとよいだろう。指紋認証からの“画面長押し”操作で、PayPayなどの決済アプリを呼び出せる「Payトリガー」も便利だ。決済アプリを使わない場合、この操作にメールなどよく使うアプリを設定することもできる。
AQUOS R6は本体をIP68相当の防塵・防水対応として、5000mAhの内蔵バッテリーによる十分なスタミナも確保している。キャンプなど夏のレジャーに持ち出す際に心強いスマホだ。本体背面にも滑らかな曲面ガラスが使われているため、水や汗で濡れた手でハンドリングする際にはうっかり落とさないように気をつけたい。アウトドアで使う際には手頃なカバーケースを装着して使うことをおすすめする。
ライカ監修の高機能カメラと5G対応が活かせる用途はこれからさらに増えそうだ。AQUOSシリーズの新フラグシップはこの夏に手に入れてから、以降も長く愛用できるスマホになると思う。(フリーライター・山本敦)
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