見た目は“電子タバコ”でも健康志向! 脈拍から休憩時間を教えてくれる「ZORN」の実用性は?
【木村ヒデノリのTech Magic #065】 以前、本連載で「Ston(ストン)」というブリージングデバイスを紹介したが、今回はその新モデルとなる「ZORN(ゾーン)」について取り上げたい。注目すべきは、脈拍から適した休憩時間の長さを教えてくれる点だ。スマートウォッチのなかには椅子から立つべきタイミングを教えてくれるものがあるが、休憩時間を提案してくれるものは新しい。ひと休みを可視化できるガジェットで戦略的に休憩をとることは可能なのだろうか。
図では指の腹になっているが筆者の場合、親指の先端の方をのせないとエラーになってしまった。人差し指ではできるのでもしかすると個人差があるのかもしれないが、うまくいかない場合は試してみるとよいだろう。
休憩時間はLEDの色でわかるようになっており、3分~10分の間で提案してくれる。最初から青色になることはほとんどなかったが、休憩してから再度測定してみると赤色が黄色に変化していたり、青色に変化していたりということはあった。休憩した後には必ず脈拍の変化があるということだろう。
ただ、気をつけなければならないのは提供されているカートリッジのうち「POWER」に関してはカフェインが含まれている。ニコチンと似たような血管収縮作用があるため、含有量はそれほど多くないにしても注意が必要だ。リラックスする=脈拍が落ち着ける、ということを目的とするならばGABAを含む「CALM」を使うのが良いだろう。個人的には「POWER」だと休息を提案するというコンセプトと相反してしまうのではないかという印象を持った。
ある心臓専門医療機関の記事によると、人間の安静時の心拍数は50~70/分で、それを上回る場合は主な原因として緊張や不安、ストレスなどが挙げられるという(発熱や外傷がない場合)。実は心拍数と脈拍数はずれていることもあるので一概には言えないが、大抵の場合脈拍で代用できるそうだ。
安静時に心拍数が高いままで、運動時に必要な分だけ心拍数が上がらないのは「変時不全(心臓が身体活動に対して心拍数を適切に調節できなくなってしまう病態のこと)」と呼ばれ、自律神経系と大きく関係しているらしい。普段心拍をチェックしている、という人は少ないと思うのでアバウトではあるが毎日ZORNでチェックできるというのは良い点ではないだろうか。少し大袈裟に書いてしまったが、深呼吸をするだけで副交感神経優位にできるというのは事実。現代社会でストレス過多な読者こそ試してみる価値があるかもしれない。
ただ、ZORNになって残念なのはその形状。Stonのときは見た目から電子タバコに見えなかったことから、どこでも使いやすかったが、ZORNは見た目で「電子タバコかな?」と思われてしまいそうなフォルム。前よりも周りを気にしなくてはならず、使いづらくなってしまったのは残念だ。
そのほか、電源がオンでも吸ったときに水蒸気が出てこないことがたびたびあったのが気になった。Stonではそういったことがほぼなかったが、ZORNは3回に1回程度、吸っても水蒸気が出ないときがあった。本体価格が高いだけに、この辺りを煩わしいと感じるユーザーは多いのではないだろうか。
ZORNにはStonにはなかったボタンや、LEDが付いたことでオンオフなどを確認しやすくなったのは非常に良い。ただ、“あともう一歩”というのが筆者の感想だ。フレーバーも現時点では2種類に限定されている。今後はもっと多くのものを検討中とのことだが、コンセプトを「休憩」に置くのならばそれに特化していっても良いのではないだろうか。次モデルのさらなる進化を期待したい。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)
脈拍から休憩を提案する仕組み
「ひと休みセンサー」と名付けられた脈波測定計は、電源をオンにした状態でボタンを素早く2回押すと起動する。本体側面に開いた透明の小窓に緑色のランプが点灯したら指をそっと添えるのだが、実は結構コツがいる。図では指の腹になっているが筆者の場合、親指の先端の方をのせないとエラーになってしまった。人差し指ではできるのでもしかすると個人差があるのかもしれないが、うまくいかない場合は試してみるとよいだろう。
休憩時間はLEDの色でわかるようになっており、3分~10分の間で提案してくれる。最初から青色になることはほとんどなかったが、休憩してから再度測定してみると赤色が黄色に変化していたり、青色に変化していたりということはあった。休憩した後には必ず脈拍の変化があるということだろう。
深呼吸を無意識にできるブリージングデバイスの利点
ブリージングデバイスというと電子タバコと誤解されることが多いが、大きく違う点がある。それは深呼吸を伴うリラックス効果だ。普段しない深呼吸を吸引で無意識に行える点がタバコとは大きく違う。タバコに含まれるニコチンは交感神経を緊張させるため、血管が収縮する。対してニコチンを含まないブリージングデバイスのカートリッジは、普段意識してやることのない深呼吸を促し、かつリラックスさせてくれる効果があるのだ。ただ、気をつけなければならないのは提供されているカートリッジのうち「POWER」に関してはカフェインが含まれている。ニコチンと似たような血管収縮作用があるため、含有量はそれほど多くないにしても注意が必要だ。リラックスする=脈拍が落ち着ける、ということを目的とするならばGABAを含む「CALM」を使うのが良いだろう。個人的には「POWER」だと休息を提案するというコンセプトと相反してしまうのではないかという印象を持った。
ある心臓専門医療機関の記事によると、人間の安静時の心拍数は50~70/分で、それを上回る場合は主な原因として緊張や不安、ストレスなどが挙げられるという(発熱や外傷がない場合)。実は心拍数と脈拍数はずれていることもあるので一概には言えないが、大抵の場合脈拍で代用できるそうだ。
安静時に心拍数が高いままで、運動時に必要な分だけ心拍数が上がらないのは「変時不全(心臓が身体活動に対して心拍数を適切に調節できなくなってしまう病態のこと)」と呼ばれ、自律神経系と大きく関係しているらしい。普段心拍をチェックしている、という人は少ないと思うのでアバウトではあるが毎日ZORNでチェックできるというのは良い点ではないだろうか。少し大袈裟に書いてしまったが、深呼吸をするだけで副交感神経優位にできるというのは事実。現代社会でストレス過多な読者こそ試してみる価値があるかもしれない。
水蒸気が少ない仕様は助かるが残念な点も
Stonから一貫している“水蒸気が少ない”という点はたしかに助かる。電子タバコではないのでどこでも使いたいが、吐く息が見えていたらご時世もあって使用がはばかられる。その点、Stonは吸っても水蒸気が見えず使いやすいのが便利だった。ただ、ZORNになって残念なのはその形状。Stonのときは見た目から電子タバコに見えなかったことから、どこでも使いやすかったが、ZORNは見た目で「電子タバコかな?」と思われてしまいそうなフォルム。前よりも周りを気にしなくてはならず、使いづらくなってしまったのは残念だ。
そのほか、電源がオンでも吸ったときに水蒸気が出てこないことがたびたびあったのが気になった。Stonではそういったことがほぼなかったが、ZORNは3回に1回程度、吸っても水蒸気が出ないときがあった。本体価格が高いだけに、この辺りを煩わしいと感じるユーザーは多いのではないだろうか。
ZORNにはStonにはなかったボタンや、LEDが付いたことでオンオフなどを確認しやすくなったのは非常に良い。ただ、“あともう一歩”というのが筆者の感想だ。フレーバーも現時点では2種類に限定されている。今後はもっと多くのものを検討中とのことだが、コンセプトを「休憩」に置くのならばそれに特化していっても良いのではないだろうか。次モデルのさらなる進化を期待したい。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
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