生産的すぎる画期的な水耕栽培セットが凄かった! 放置してもみるみる育つ「Botanium」
【木村ヒデノリのTech Magic #063】 ステイホームをきっかけに家庭菜園を始めた人も多いのではないだろうか。虫が気になったので水耕栽培を選んではじめてみたが、この発芽率が意外と悪い。品種にもよるのだろうが、もっと効率よく栽培できないのかと調べて見つけたのが「Botanium(ボタニアム)」だ。土を使わない仕様で虫とは無縁、さらに大容量のタンクと散水機能が付いており毎日何もせずに植物を育てることができる。手間をかけるから可愛いんだ、というご批判もあるだろうが、生産性という面では極めて優秀だったので紹介したい。
そもそも料理で使うハーブを新鮮に長期間保存できないか、という理由でホームガーデニングを始めたのに、ここまで効率が悪いと買ってきた方がよいとなってしまう。かといって購入してきたものは保管状態を工夫しても数日しかもたない。使いたいときに痛んでしまっているということが多いので、なんとか水耕栽培で生産性を高めることができないかと探していて見つけたのが、このボタニアムだった。
害虫が発生しないという点でもハイドロボールは優秀。土を使うとキノコバエなどが発生するリスクがあり、室内ガーデニングをはじめるハードルにもなっている。虫さえ発生しなければ室内での栽培が容易で、農薬も必要ない。無農薬で作った野菜をサラダにして子供と一緒に食べるなど、食育という観点からも理想的なガジェットなのだ。
ここまでやったことといえば水換え1回のみ。水さえ十分に入っていれば、3時間毎に自動散水してくれるので、長期間の旅行にも安心して出かけられる。実際に数日留守にしたときも、戻ってみるとすくすくと育っており感動を覚えた。
水交換の際に液体栄養剤を添加する必要があるがこれも簡単。2液を混合しなければならなかったり、水量によって容量を測らないといけなかったりするのが一般的だが、タンクの容量が決まっているボタニアムは栄養剤の量も毎回スポイト5回分。イチゴやトマトなど花の咲くものは花が咲いた直後に7回分入れると良い実ぶりになるなど、添加量が非常にわかりやすい。栄養剤の添加は意外と面倒なので、この仕様はかなりメリットが高いと感じた。
唯一惜しいのはバッテリーが内蔵されていない点だ。電源に接続しなければならないのでコンセントから遠い窓際には置けないのが残念なところだ。次モデルはぜひバッテリー内蔵型の置き場所を選ばない仕様にして欲しい。価格は1万8150円と少々高いかもしれないが、長く使えることと利便性を考えると後悔しない買い物だと思う。窓際の日当たりが悪い場合はLEDで照らしてあげればしっかり育つので、他のIoT機器と組み合わせて自宅に自動菜園を構築するのも面白いのではないだろうか。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)
意外と難しい水耕栽培
水耕栽培というと、誰でも気軽に始められて、簡単に育てられるイメージがあるかもしれない。実際、筆者もそのようなイメージで購入して育て始めたのだが、これが意外と難しい。切り込みの入ったスポンジに少し顔を出すくらいの深さまで種を入れ、LEDで照らしながら数日待つ。これで発芽したのが全体の3分の1程度だ。バジルを選んだのが悪かったのかもしれないが、数回繰り返しても発芽率は伸びない。収穫時には4株程度しか取れないなど、全部で30くらいあるスポットから考えると実に効率が悪かった。そもそも料理で使うハーブを新鮮に長期間保存できないか、という理由でホームガーデニングを始めたのに、ここまで効率が悪いと買ってきた方がよいとなってしまう。かといって購入してきたものは保管状態を工夫しても数日しかもたない。使いたいときに痛んでしまっているということが多いので、なんとか水耕栽培で生産性を高めることができないかと探していて見つけたのが、このボタニアムだった。
土を使わず最適な水分量を保つハイドロボール
ボタニアムが素晴らしいのは、水耕栽培でありつつハイドロボールという石を使う点だ。水の管理を自動化してくれる水耕栽培ガジェットは多いが、石を使うというのは珍しい。ハイドロボールはLECAと呼ばれる粘土由来の人工石。高温で焼いて発泡させることで半永久的に使用でき、かつ常に栄養素豊富な水を一定の割合で内部に保つ性質がある。このため、自動散水された水はハイドロボールに染み込み、常にベストな水分環境が保たれるというわけだ。溢れた分は再びタンクに戻って行くので限られた水量を効率よく利用するがきるようにもなっている。害虫が発生しないという点でもハイドロボールは優秀。土を使うとキノコバエなどが発生するリスクがあり、室内ガーデニングをはじめるハードルにもなっている。虫さえ発生しなければ室内での栽培が容易で、農薬も必要ない。無農薬で作った野菜をサラダにして子供と一緒に食べるなど、食育という観点からも理想的なガジェットなのだ。
生産性の高さと栽培の簡単さはピカイチ
実際に同じバジルの種で栽培を始めてみると、その発芽率の高さに驚いた。スポンジでは3割程度しか発芽しなかった種と同じものが、蒔いたほぼ全て(20株程度)が2日で発芽した。その後、日照時間不足などで3株ほどが枯れてしまったが、現在は17株ものバジルが元気に育っている。ここまで育つのに大体1か月くらいなので、成長速度としても速い方ではないだろうか。ボタニアムを使えば植物が必要とする水、栄養に加えて酸素も十分に共有できるので土よりも短いサイクルでなんでも収穫できるのだ。ここまでやったことといえば水換え1回のみ。水さえ十分に入っていれば、3時間毎に自動散水してくれるので、長期間の旅行にも安心して出かけられる。実際に数日留守にしたときも、戻ってみるとすくすくと育っており感動を覚えた。
水交換の際に液体栄養剤を添加する必要があるがこれも簡単。2液を混合しなければならなかったり、水量によって容量を測らないといけなかったりするのが一般的だが、タンクの容量が決まっているボタニアムは栄養剤の量も毎回スポイト5回分。イチゴやトマトなど花の咲くものは花が咲いた直後に7回分入れると良い実ぶりになるなど、添加量が非常にわかりやすい。栄養剤の添加は意外と面倒なので、この仕様はかなりメリットが高いと感じた。
さまざまなハーブや野菜が種・苗両方から栽培できる
さらにボタニアムでは苗も栽培できる。方法は土を洗い落とした苗をバランスよくハイドロボールに植えるだけと簡単。育てられる種類も豊富でイチゴ、ミニトマト、唐辛子などの野菜から、バジル、イタリアンパセリ、パクチーなどのハーブが栽培できる。このほかにも苗からナス、ピーマン、パプリカなど、また変わり種では生姜やにんじん、アボカドやワサビも育てられる。ここまで多くの野菜が手軽に育てられるとなれば、ボタニカルライフをはじめない手はないと言える。唯一惜しいのはバッテリーが内蔵されていない点だ。電源に接続しなければならないのでコンセントから遠い窓際には置けないのが残念なところだ。次モデルはぜひバッテリー内蔵型の置き場所を選ばない仕様にして欲しい。価格は1万8150円と少々高いかもしれないが、長く使えることと利便性を考えると後悔しない買い物だと思う。窓際の日当たりが悪い場合はLEDで照らしてあげればしっかり育つので、他のIoT機器と組み合わせて自宅に自動菜園を構築するのも面白いのではないだろうか。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
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