見た目も機能もカスタマイズ! MiiRのボトル「Wide Mouth」を夏のお供に

レビュー

2021/07/10 15:00

 この記事を執筆している6月下旬時点でも、暑い日が少しずつ見られるようになってきた。こまめな水分補給ができるよう、暑さが本格化する前に保温・保冷用のボトル(携帯用魔法瓶)を用意したいところだ。これといったお気に入りのボトルがまだ見つかっていないなら、今回紹介するMiiR(ミアー)の「Wide Mouth」は良い選択肢になるだろう。本製品はMiiRの日本代理店であるサンウエストから提供を受けたモノではあるが、気を遣わずに紹介していく。

「Wide Mouth」。本記事では実容量20oz
(20オンス=591ml)のものを使っている

 「Wide Mouth」は、実容量が16oz(473ml)・20oz(591ml)・32oz(946ml)・ 42oz(1242ml)の4サイズを展開している、ステンレス製の真空断熱ボトルだ。製品名の通り飲み口が広く、筆者が選んだ20oz版は内径が実測約5.7cm(外径は実測約6.9cm)。一般的な製氷皿で作った氷なら余裕で入るサイズ感だ(なお16oz版も内径は変わらず、高さが異なる)。

 保温効力・保冷効力(※)は、湯は66度以上、水は9度以下。この効力が高いのか低いのかいまいちわからなかったので、国内メーカーの2製品と比べてみる。保温効力・保冷効力は、タイガー魔法瓶の「MCZ-S060」(実容量0.6L)だと67度以上・9度以下で、象印の「SM-WA60」(実容量0.6L)だと73度以上・8度以下。保温効力はSM-WA60に及ばないが悪くもなく、問題なさそうな印象だ。

※保温効力:室温20度±2度の環境で決まった位置まで沸騰水を入れ、湯が95度±1度になってから栓をする。その後、縦置きの状態で(ステンレス製携帯用魔法瓶の場合)6時間放置したときの湯の温度を指す。保冷効力の場合も水の温度以外の条件は保温効力と同じで、水が4度±1度の時点から6時間放置したときの水の温度を指している。
 
今さら説明不要だと思うが、
外出時でも自宅でも職場でもボトルは活躍する
(被写体はサンウエストの方)

カラーリングとフタの魅力

 ここまで挙げてきた「Wide Mouth」の性能についてとくに思うことはなく、ほかにポイントがなかったらこの記事を書かなかった。記事を書こうと思ったのは、ボトルのカラーリングとフタ、MiiRの理念や取り組みが気に入ったからだ。

 ボトルは、赤や黄色といった8色を展開している。派手すぎない落ち着いた単色のカラーリングは一見シンプルではあるがカッコよく、所有欲を満たしてくれる。ボトル表面はかすかにざらついた加工が施されているうえ、フタに持ち手が付いていて持ちやすい。
 
ボトルは8色展開している

 「両手でフタを開けるのが面倒。もっと手軽に飲みたい」というニーズに応えるためか、片手で飲み物が飲めるストロー付きのフタ「Straw Lid」と、ボトルがタンブラーのように使えるようになるフタ「Travel Tumbler Lid」を単品で販売しているのも特徴だ。自動車を運転するときは楽に飲めるStraw Lid、職場や自宅でフタを開閉する手間を省くときはTravel Tumbler Lidといったように、フタの付け替えでボトルの用途が広がる。
 
ストロー付きのフタ、
タンブラー向けのフタなどを単品で購入できる

 Straw Lidのカラーリングは6色。白・黒はボトルと同じ色合いなのでフタを付け替えても違和感はないし、黄色は色合いがほんのり違うレベルだ。残りは青・緑・ピンクだが、これらはボトルと明らかに色が異なる(Travel Tumbler Lidは白・黒の2色のみを用意している)。

 ボトルとフタの色を揃えたい人にとっては、これらのフタは使いづらいかもしれないが、不揃いだからといってカッコ悪くなるわけではない。見た目は目立つようになり、ボトルとフタの色の組み合わせを考える楽しさも生まれる。見た目を個性的にカスタムしたい方は、ぜひフタも一緒に選んでみてほしい。
 
筆者は緑(本体)+黄色(フタ)にした。
フタの色が変わっただけなのに印象は華やかに、
かわいらしくなった
Straw Lidはいつでも飲み物を飲みやすくなるため、
自転車のお供にも向いている
ボトルを持ち込むと割引になるコーヒーショップでは、
Travel Tumbler Lidが似合いそう

 「Wide Mouth」のネックは比較的高額なこと。20oz版は5280円だが、たとえば先述したタイガー魔法瓶の「MCZ-S060」は4180円、象印の「SM-WA60」は3000円ほどで買える。また、重さも20oz版で公称約308gと重めなのも少々マイナスだ。「Wide Mouth」に付属するフタを含め、どのフタも素材はステンレスではないので煮沸できないのもちょっとしたデメリットだろう。コストパフォーマンスだけを重視するなら、購入しづらいと思う。

 しかしながら保冷・保温ボトルとしての性能そのものはなかなかで、ボトルとフタとの組み合わせにより、カラーリングや用途を変えられるカスタマイズ性も有している。こうした点に魅力を感じる方であれば、本製品はオススメだ。

MiiR製品の「Give Code」をチェックしてみよう

 最後にMiiRの珍しい取り組みをざっくり紹介する。MiiRは「綺麗な水」「健康な大地」「公正な人と人とのコミュニティー」のために、世界各国でそれらを支援するプロジェクトを実施。年間収益の3%をそれらのプロジェクトにあてているという。つまり、ユーザーが製品を購入することがプロジェクトへの貢献につながるのだ。

 と言われても、これだけだと貢献した実感がわかない人や、プロジェクトへの関心が持てないと感じる人もいるだろう。その対策と思われるしくみが「Give Code」だ。MiiRのボトルやカップといった製品の底面には「Give Code」と呼ばれる一意の英数字が記されている。
 
ボトルでもカップでもGive Codeが印字されている

 これを専用ページで入力・登録することで、その製品を購入した代金の一部がどんなプロジェクトに使われているかがわかる。載っている情報はプロジェクトによって異なるが、概要から計画、課題、寄付金の使途の内訳まで多岐にわたる。ここまで細かく載っていれば、支援活動への関心も高まり、貢献した実感もわきやすくなるのではないだろうか。
 
費用の内訳まで載っているプロジェクトもある。
なお、専用ページは英語版・日本語版が用意されており、
日本語ページは準備中。現状でも登録自体は可能だが、
最新のプロジェクトにのみ誘導される

 ちなみに、ボトルの色には「Basal」「Prismatic」といった名前が付いており、これらはプロジェクトの活動内容や理念などをもとに命名されている。一例を挙げると、MiiRはホンジュラス・レンピラの水質改善、衛生設備改善を支援するプロジェクトを展開しており、レンピラで栽培・収穫されるコーヒーチェリーの色合いを表現した赤い色に「Cascara」と名付けている。色の名前の由来までわかるとMiiRの支援活動への積極性が窺えるとともに、ボトルへの愛着も増しそうだ。(浦辺制作所・藤縄 優佑)