【木村ヒデノリのTech Magic #062】 今まで使ってきたロボットの中でこの製品は群を抜いて信頼性が高いかもしれない。enabot社が開発した「ebo Pro(イーボプロ)」はなんと愛猫と遊んでくれる専用ロボットだ。いくつかのモデルが存在するが、プロモデルにはAIが搭載され、留守中に猫を自動認識して動画を撮影する機能も実装している。さらに充電が少なくなると自動的にベースに戻って充電する機能やレーザーポインタ機能も搭載。Wi-Fiを通じた遠隔操作で見守りにも使えるなど、機能的には申し分ない。今回は1か月使い込んでみた結果をお伝えできればと思う。
アメリカのいくつかの研究によると、約60%の家猫は運動不足による肥満問題を抱えているという。さらにそのうちの45%の飼い主はその状態を「標準的な体重」と誤認識しているそうだ。痩せている猫の方が可哀想な気もするが、実は太っている猫の方が2.8倍も死亡率が高い。原因は飼い主が猫と遊ぶ時間を十分に取れないことにあるが、室内で飼育する猫を毎日十分に遊ばせるのは難しいのも事実。悩ましいこの問題を一気に解決してくれるのがeboだ。
しかし、実際使ってみると小さなボディに収められた技術力の高さに驚くことに。筆者宅は50平米ほどだが、小さなロボットにとってはそこそこ広い。別の部屋に行って戻ってこられるのかかなり不安だったが、30日使って戻ってこなかったのは4回。しかも1日に平均6回は動かしているのに、だ。
猫に戯れられてひっくり返ったままになる、ということもない。本体はおきあがりこぼしのような構造になっており、転がされてもタイヤが下向きになるように設計されている。どこかに引っかかってしまっても、急激にタイヤを回転させる勢いで脱出、転がってまた正常な体勢に戻る仕組みになっている。こうした機能のおかげで愛猫が思いっきり遊んでもベースまで帰還できるのだ。
写真やビデオも自動で撮影してくれるので、1日の終わりに今日のハイライトを探してSNSに投稿するといったことも可能だ。猫の飼い主は昼間外で仕事をしている、ということも多いと思うのでこの機能はうれしい。また、筆者のように自宅で仕事をしている場合でも、なかなか愛猫の動画や写真を撮るタイミングはない。eboならば撮影まで任せられるので、あとで見返す楽しみが増えた。
遠隔からカメラ付きの本体を走らせることができるため、大概の場合、愛猫を発見できる。また、先に挙げた「引っかかっても脱出できる機能」は手動で操作するときも使えるため安心。今まで固定式、給餌式、さまざまなタイプの見守りカメラを使ってきたが、間違いなく一番実用的で使いやすかった。
上記のような不満はあったが、総合的にみてかなり優秀なロボットだ。何があってもベースまで戻ってきてくれる信頼性はピカイチで、どちらかというと筆者が自宅で使用しているルンバの方がどこかに引っかかって止まっていることが多いかもしれない。この信頼感で、かつこの充実した機能性ならば数万出しても惜しくはない。ペットとの新しい関わり方を予感させてくれる素晴らしい製品だった。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)
愛猫にとって肥満は深刻な問題
eboはenabot社の「信頼性の高いコンシューマー向けロボットの普及」という理念により開発された世界初のペットフレンドロボットだ。Kickstarterで好評を博し、昨年Makuakeでも500%超の支援を集めた。アメリカのいくつかの研究によると、約60%の家猫は運動不足による肥満問題を抱えているという。さらにそのうちの45%の飼い主はその状態を「標準的な体重」と誤認識しているそうだ。痩せている猫の方が可哀想な気もするが、実は太っている猫の方が2.8倍も死亡率が高い。原因は飼い主が猫と遊ぶ時間を十分に取れないことにあるが、室内で飼育する猫を毎日十分に遊ばせるのは難しいのも事実。悩ましいこの問題を一気に解決してくれるのがeboだ。
映像だけではわからない驚きの実用性
“猫と遊んでくれるロボット”などと聞くと、多くの飼い主が実用性を疑ってかかるのではないだろうか。クラウドファンディングサイトには動いている映像も多く掲載されているが、にわかに信じがたい。特に相手は猫だ。今までいろんなものを壊されたりどこかにやられたり経験を思い出すと、このロボットに数万出すのはかなり勇気が必要だった。しかし、実際使ってみると小さなボディに収められた技術力の高さに驚くことに。筆者宅は50平米ほどだが、小さなロボットにとってはそこそこ広い。別の部屋に行って戻ってこられるのかかなり不安だったが、30日使って戻ってこなかったのは4回。しかも1日に平均6回は動かしているのに、だ。
猫に戯れられてひっくり返ったままになる、ということもない。本体はおきあがりこぼしのような構造になっており、転がされてもタイヤが下向きになるように設計されている。どこかに引っかかってしまっても、急激にタイヤを回転させる勢いで脱出、転がってまた正常な体勢に戻る仕組みになっている。こうした機能のおかげで愛猫が思いっきり遊んでもベースまで帰還できるのだ。
プロモデルに搭載されたAI認識機能も優秀
単に走り回るだけのおもちゃは今までにもあったが、eboは猫を自ら発見して動くのがすばらしい。認識精度はかなり高く、インタラクティブモードを使えば、勝手に猫を探して遊びに誘ってくれる。猫との距離感も絶妙で、近づいてみたり、離れてみたり、と飽きさせない。写真やビデオも自動で撮影してくれるので、1日の終わりに今日のハイライトを探してSNSに投稿するといったことも可能だ。猫の飼い主は昼間外で仕事をしている、ということも多いと思うのでこの機能はうれしい。また、筆者のように自宅で仕事をしている場合でも、なかなか愛猫の動画や写真を撮るタイミングはない。eboならば撮影まで任せられるので、あとで見返す楽しみが増えた。
見守りカメラとしての新たな可能性
留守時に安心というメリットも大きいだろう。今までのカメラは追尾機能があっても固定だったので、各部屋に付けなければならない、といったデメリットがあった。自動給餌器と一緒になったモデルなどでも、いちいち給餌しないと確認ができなかったり、そもそも画角に入ってこなかったり、という問題があったがeboならそれも解決だ。遠隔からカメラ付きの本体を走らせることができるため、大概の場合、愛猫を発見できる。また、先に挙げた「引っかかっても脱出できる機能」は手動で操作するときも使えるため安心。今まで固定式、給餌式、さまざまなタイプの見守りカメラを使ってきたが、間違いなく一番実用的で使いやすかった。
段差には弱いものの、安心して使える優秀なロボット
一つだけ気になったのは段差に弱い点。感知するセンサーがないので玄関に落ちてしまって、戻れなくなっていることが数回あった。これを防ぐ方法が現状ないので、センサーを付けるかバーチャルウォールなどのオプションがあった方が良いと感じた。また、猫が椅子などに登ってしまっており、発見できないこともあった。カメラが上下だけでも動かせればさらに良いだろう。上記のような不満はあったが、総合的にみてかなり優秀なロボットだ。何があってもベースまで戻ってきてくれる信頼性はピカイチで、どちらかというと筆者が自宅で使用しているルンバの方がどこかに引っかかって止まっていることが多いかもしれない。この信頼感で、かつこの充実した機能性ならば数万出しても惜しくはない。ペットとの新しい関わり方を予感させてくれる素晴らしい製品だった。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)