使い方ややりたい作業に応じて変化させる5つのスタイル
仕事での利用がメインとなる場合、多くはNote PCスタイルで使うことになる。クラムシェルタイプのノートPCと同じシルエットなので、使い方に戸惑うことはない。キーボードはキーピッチ19mm、キーストローク1.5mmでとても打ちやすい。TabletスタイルはWebサイトや資料に目を通すのに便利だ。片手で持って電子書籍を読むにはやや重く画面は大きすぎるように感じたが、子供に絵本などを見せたり、簡単なプログラミングゲームをやらせたりするには向いていそうだ。
Moniterスタイルは動画の視聴に適したスタイルだ。画面が物理的に目に近くなって見やすくなるのはもちろん、省スペースでキーボードが目に入らないので画面に没入しやすい。
harman/kardonステレオスピーカーを採用し、コンパクトながら迫力のある重低音から繊細な高音までサウンドを豊かに再生する。また、映画館でも使われている立体音響技術「Dolby Atoms(ドルビーアトモス)」に対応しており、動きのある音や人の声が聞き取りやすくなっている。目に見えない部分で見逃しがちだが、映画の快適な視聴はもちろん、ビデオ会議やオンラインライブでも音声がよく聞こえるようになり、趣味に仕事に大活躍する機能だ。
テーブル上にペタっと水平に置けるFlatスタイル。対面で画面をのぞきこみながらディスカッションするときなどに利用する。タブレットと違い、付属のアクティブ静電ペンもキーボードも利用できるので、商談などで資料にその場で手を入れていくのも簡単だ。
最後のPenスタイルは、アクティブ静電ペンを用いるモード。グラフィックソフトやペイントソフトでフォトレタッチやお絵描きに使えるのはもちろん、ビジネスシーンでは、プレゼン中や、ビデオ会議で画面共有している時、誰かに画面を見せながら強調するポイントをペンでピッと手書きでマークするといった使い方も気持ち良い。dynabookユーザーにはお馴染みの手書きノートアプリ「TruNote」も搭載する。ペンで書いた手書き文字をテキスト化してメールやOfficeアプリで利用可能だ。
ビジネスからプライベートまで幅広いニーズに応える
5つのスタイルを見てきたが、実際に家の中や、外に持ち出して使ってみると、ノートPCとしての使いやすさと、5in1としての使いやすさがきちんと追求されていると感じた。たとえば、原稿の執筆や資料作成といった事務作業は、やはりNote PCスタイルが一番使いやすい。喫茶店に持ち出して作業してみたが、一人で黙々と作業する分にはほぼNote PCスタイルになる。Wi-Fi 6対応なのでネットが高速に使え、混雑に強いのもうれしいところだ。
オンライン会議に参加するときは、Moniterスタイルにして話し合いにじっくり集中するのもよいが、筆者の場合はNote PCスタイルのまま、会議の内容や自分の気付いたことを別ウィンドウでメモする。このあたり、自分の好みに合わせてスタイルを替えられるのは使いやすい。変形型であり、かつ持ち歩くということを考えるとマシンの物理的な頑丈さも気になるところだが、その点もMIL規格準拠テストもクリアする堅牢性を誇るので、安心してほしい。
予想以上に便利だったのがカメラ機能だ。リア側(キーボード側)に搭載するカメラは800万画素で、4K解像度の写真を、デジカメやスマホの液晶より遥かに大きな画面で確認しながら撮影できる。
PCを使っているときに何か撮影したくなったら、デジカメやスマホを取り出すまでもなく、カメラアプリを起動してTabletスタイルにすればパッとシャッターが切れる。カメラアプリは標準ではスタートメニューの中をたどらないと起動できないので、真っ先にタスクバーへの登録をおすすめしたい。
dynabook V8は省電力なIGZOパネルの採用もあり、バッテリー駆動時間は約24時間を実現している。出張や旅行に持っていく場合でも、日帰りならACアダプターはバッグに入れなくて良いのは間違いなくメリットだ。家の中で使うときも、本体は1kgを切る小型軽量ボディなので、用途やその時の気分、あるいは家族の生活に配慮して使う場所を気軽に変えられる。
昨今はビジネスでもプライベートでも利用でき、テレワークを効率化し、円滑なコミュニケーションにも使え、さらにスマホで観ている動画や写真を手軽により大きな画面で見られるなど、幅広いニーズに応えられるPCが求められている。dynabook V8はこれらのニーズを余さず満たす、いまの時代にピッタリのPCと言えるだろう。もし自宅の中でより大画面に使いたいというなら15.6型の「dynabook F8」という選択肢もある。どちらのサイズがフィットするか、ぜひ店頭などで手に取って確かめてほしい。(ライトアンドノート・諸山泰三)