テレビの録画番組やPCのデータを保存するために欠かせない「外付けHDD」。時間が経つほどにデータが膨らみ、「もっと大容量モデルにしておけばよかった」と後悔しがちだ。そこでおすすめしたいのが、ADATAから発売された外付けHDD「HM800」だ。4TBと大容量ながら実売価格は1万円以下と最大級のコスパを実現している。価格だけ見ると“安かろう悪かろう”を心配してしまうが、果たして機能性はどうなのだろうか。実際に使って検証してみた。
このサイズであれば、ちょっとした持ち運びにも利用できる。HM800は場所を取らないので、置き場所にも困らず、部屋のインテリアにHDDを隠すのも容易である。HM800を55インチTVの横に置いてみたが、TVやゲーム機の近くに置いても邪魔にならないサイズであることが分かる。もちろん、TVの裏に置くにも、かさばらない大きさだった。
加えて、HM800には裏側に制振ゴムがついている。ファンレス設計なので動作していても非常に静かだ。筆者はファンがついている外付けHDDを持っているが、今まではファン音が鳴るのが当たり前だと思っていた。しかし、HM800は本当に静かで、無音とまではいかないが、動いていることを忘れてしまうほどだ。
HM800には便利な機能が二つ搭載されているので紹介したい。一つ目はテレビの電源オンオフ連動機能である。この機能は、テレビの電源を付けるとHDDの電源が自動的にオンになり、電源を切ることでHDDの電源が自動的にオフになる機能だ。当然ながら、外付けHDDには寿命があるが、ずっと電源オンにしているよりも、こまめに電源オン、オフした方が寿命は伸びる。当然ながら電気代の節約にもなる。
もう一つの機能がワンタッチバックアップである。専用ソフト(PCCloneEx Lite+ v2.00.32以降)をインストールする必要があるが、OSがWindows7以降のPCであれば、本体上部の「BACKUP」ボタンを押すだけで、自動的にバックアップが始まる。筆者が試したときは、寝る前にBACKUPボタンを押し、翌日確認したところ、問題なくバックアップが完了した。
現在の地上デジタル放送はフルハイビジョン画質で放送されているが、地上デジタル放送以外では、4K、8Kといった高画質の放送が増加している。特に衛星放送は、リオデジャネイロオリンピックの4K放送を衛星放送で行ったことを皮切りに、4K画質の放送を積極的に行っている。
4K放送を録画する場合、フルハイビジョンの2倍近くのデータ量が必要である。録画時間で比較すると、地上デジタル放送をHDDに録画する場合、2TBの容量で約250時間の録画可能である。一方で、4K放送をHDDに録画したいときは、2TBでも約128時間程度しか録画できない。
最近では複数のテレビ放送チャンネルを同時に全自動で録画し続ける「全録」機能や、好みのジャンルを自動的に録画する「おすすめ録画」機能が搭載されたTVが増えている。自動録画機能は便利な反面、録画時間が長いため、HDDの容量も大幅に消費する。TV録画のために外付けHDDを購入するのであれば、今は4TBのHDDをおすすめしたい。
1ゲームあたりのゲーム容量は、新しい機種が出るごとに増加している。PS4時代は1ゲームの平均容量は50GB程度だったが、PS5の場合、ゲームにもよるが、大きいもので200GB消費するケースも珍しくない。ゲーム用に外付けHDDを利用する場合も、4TBのHDDであればダウンロードにおいても、容量への心配は減るだろう。
PCのバックアップデータも、昔と比べて非常に大きくなっている。昔は、PCに搭載されているHDD容量が大きくなかった。デスクトップPCで500GB~1TB程度、ノートPCであれば120~250GB程度が主流であったが、今や1TB以上積んでいるPCも珍しくない。1TBのPCでバックアップとして使用する際は、当然ながらバックアップ用に1TB以上の容量が必要である。
最近は、PCにスマートフォンのバックアップを取る機会が増えたが、スマートフォン関連のデータが増えたこともPCのデータ量が増えた要因の一つだ。スマートフォンの性能が上がり、高画質の動画や写真、アプリなどを利用するため、スマートフォンの大容量化が進んだ。家族4人がスマートフォンを所有し、スマートフォン1台あたりのデータ容量が512GBとすると、バックアップには最大で2TB以上のデータ量が必要になる。
現在の状況を考えると、しばらくの間はステイホームが続くと思われる。そのため、普段であれば旅行や規制などで家にいる機会が少ないゴールデンウィークの期間中も、外に出ることは極力控え、家の中で過ごそうと考えている人は多いはずである。
長時間家の中で過ごすのであれば、TV番組をたくさん録画してGW中に一気観する、通常時は手が出せなかったロールプレイングゲームをプレイする、PCのデータ整理やスマートフォンのバックアップを行うなど、普段はあまり行わないことをするにはピッタリである。これから外付けHDDの購入を検討しているのであれば、HM800は有力な候補になるだろう。(GEAR)
置き場所に困らないコンパクトな本体サイズ
HM800は非常にコンパクトである。大きさは縦17.8cm、横11.7cm 幅3.4cmと、7.9インチのiPad miniよりも小さい。撮影した写真は、HM800と筆者がモバイル端末として利用している 11インチのVAIO Pro 11だが、11インチのノートPCと比べてもコンパクトである。このサイズであれば、ちょっとした持ち運びにも利用できる。HM800は場所を取らないので、置き場所にも困らず、部屋のインテリアにHDDを隠すのも容易である。HM800を55インチTVの横に置いてみたが、TVやゲーム機の近くに置いても邪魔にならないサイズであることが分かる。もちろん、TVの裏に置くにも、かさばらない大きさだった。
USB 3.2 Gen1規格による高速アクセス
ゲーム機やPCで利用するシーンでは、転送速度が重要だ。転送速度が早いと、ゲームでのロード時間が早くなる。PCであればコンテンツへのアクセスが早くなるので、やはり転送速度は早い方が良い。その点、HM800はUSB3.2 Gen1に対応している。USB3.2 Gen1は、一般的に利用されているUSB2.0に比べて約10倍の転送速度を誇っている。実際にADATA HM800にデータを移して、アクセスしてみたところ、SSDほどではないが、待ち時間のストレスを感じることはほとんどなかった。加えて、HM800には裏側に制振ゴムがついている。ファンレス設計なので動作していても非常に静かだ。筆者はファンがついている外付けHDDを持っているが、今まではファン音が鳴るのが当たり前だと思っていた。しかし、HM800は本当に静かで、無音とまではいかないが、動いていることを忘れてしまうほどだ。
HM800には便利な機能が二つ搭載されているので紹介したい。一つ目はテレビの電源オンオフ連動機能である。この機能は、テレビの電源を付けるとHDDの電源が自動的にオンになり、電源を切ることでHDDの電源が自動的にオフになる機能だ。当然ながら、外付けHDDには寿命があるが、ずっと電源オンにしているよりも、こまめに電源オン、オフした方が寿命は伸びる。当然ながら電気代の節約にもなる。
もう一つの機能がワンタッチバックアップである。専用ソフト(PCCloneEx Lite+ v2.00.32以降)をインストールする必要があるが、OSがWindows7以降のPCであれば、本体上部の「BACKUP」ボタンを押すだけで、自動的にバックアップが始まる。筆者が試したときは、寝る前にBACKUPボタンを押し、翌日確認したところ、問題なくバックアップが完了した。
これからの外付けHDDの購入には4TBほどの容量はほしい
これから外付けHDDの購入をお考えなのであれば、容量と価格のバランスを考えると、4TBのHDDがおすすめである。外付けHDDをTV録画に利用するケースは多いと思うが、TV録画に必要なデータ量は年々増加している。データ量が増加する理由は、TVの画質が向上しているからである。現在の地上デジタル放送はフルハイビジョン画質で放送されているが、地上デジタル放送以外では、4K、8Kといった高画質の放送が増加している。特に衛星放送は、リオデジャネイロオリンピックの4K放送を衛星放送で行ったことを皮切りに、4K画質の放送を積極的に行っている。
4K放送を録画する場合、フルハイビジョンの2倍近くのデータ量が必要である。録画時間で比較すると、地上デジタル放送をHDDに録画する場合、2TBの容量で約250時間の録画可能である。一方で、4K放送をHDDに録画したいときは、2TBでも約128時間程度しか録画できない。
最近では複数のテレビ放送チャンネルを同時に全自動で録画し続ける「全録」機能や、好みのジャンルを自動的に録画する「おすすめ録画」機能が搭載されたTVが増えている。自動録画機能は便利な反面、録画時間が長いため、HDDの容量も大幅に消費する。TV録画のために外付けHDDを購入するのであれば、今は4TBのHDDをおすすめしたい。
ゲームやバックアップでも必要容量は増加傾向
ゲーム用途にも大容量のストレージは必要だ。PS4やPS5、XBOX SERIES Xなどのゲーム機には、内蔵ドライブだけでなく、外付けHDDにゲームやセーブデータを保存できる機能がある。以前ではゲームソフトというと、パッケージやDVD、ブルーレイソフトが普通であったが、今やゲームをダウンロードで入手する方法も一般的になってきている。1ゲームあたりのゲーム容量は、新しい機種が出るごとに増加している。PS4時代は1ゲームの平均容量は50GB程度だったが、PS5の場合、ゲームにもよるが、大きいもので200GB消費するケースも珍しくない。ゲーム用に外付けHDDを利用する場合も、4TBのHDDであればダウンロードにおいても、容量への心配は減るだろう。
PCのバックアップデータも、昔と比べて非常に大きくなっている。昔は、PCに搭載されているHDD容量が大きくなかった。デスクトップPCで500GB~1TB程度、ノートPCであれば120~250GB程度が主流であったが、今や1TB以上積んでいるPCも珍しくない。1TBのPCでバックアップとして使用する際は、当然ながらバックアップ用に1TB以上の容量が必要である。
最近は、PCにスマートフォンのバックアップを取る機会が増えたが、スマートフォン関連のデータが増えたこともPCのデータ量が増えた要因の一つだ。スマートフォンの性能が上がり、高画質の動画や写真、アプリなどを利用するため、スマートフォンの大容量化が進んだ。家族4人がスマートフォンを所有し、スマートフォン1台あたりのデータ容量が512GBとすると、バックアップには最大で2TB以上のデータ量が必要になる。
高コスパなので複数台使用にもおすすめ
HM800は価格に対してのコストパフォーマンスが高い。機能面はこれまで紹介した通り、必要充分な機能を備えている。価格面でもHM800は、実売価格で1万円を切っていて、4TB HDDの中では国内最安クラスのHDDである。HDDは同時に複数のデバイスで利用することはできない。したがって、TVとPCに複数台購入しなければならない。そのため、これからのHDD購入にはコスパがより重要になってくるのだ。現在の状況を考えると、しばらくの間はステイホームが続くと思われる。そのため、普段であれば旅行や規制などで家にいる機会が少ないゴールデンウィークの期間中も、外に出ることは極力控え、家の中で過ごそうと考えている人は多いはずである。
長時間家の中で過ごすのであれば、TV番組をたくさん録画してGW中に一気観する、通常時は手が出せなかったロールプレイングゲームをプレイする、PCのデータ整理やスマートフォンのバックアップを行うなど、普段はあまり行わないことをするにはピッタリである。これから外付けHDDの購入を検討しているのであれば、HM800は有力な候補になるだろう。(GEAR)