【木村ヒデノリのTech Magic #043】 コロナ禍によって“消毒”が日常的な習慣になってきている。最近では1日に何回もアルコールで消毒している読者も多いのではないだろうか。手指であれば各所に消毒設備があるのでまだ安心だが、スマホや子供の持ち物などは消毒の機会があまりない。特に子供のものは薬剤で消毒すると、それが残ったまま口に入れてしまうなどの懸念もつきまとう。そんなときに重宝するのが、今回紹介する「59S UVC LED Sterilizing」だ。薬剤を一切使わずにわずか59秒でほとんどの細菌を不活性化してくれる仕組みは思った以上に実用的だった。
UVAやUVBが太陽から地表まで届き、日焼けの原因にもなるのに対して、UVCはほとんどが大気層で吸収されてしまう。普段は地球上にない波長だが、その反面殺菌・洗浄作用は高く、59Sはこれを利用してさまざまなものが殺菌できるようにしている。
殺菌作用が強いと聞くと安全性も心配になるがその点も考慮されている。デバイスを傾けたり、カバーを開けたりすると照射が止まるようになっており、不用意に照射されている光源を見てしまうようなこともないので安心だ。
除菌は目に見えないので実際に作用しているのかと疑ってしまうが、オフィシャルのウェブサイトにある動画を見ると短時間に多くの細菌が不活性化しているのがわかる。原理的にはDNA/RNAという細胞の根本部分を紫外線で破壊しているようだ。
また、食器やカトラリーに関しては蓋(リッド)タイプのものを使うとかなり便利だ。こちらのタイプにはスリットが入っており、器とカトラリーを同時に除菌することができる。歯ブラシなど、なかなか除菌しづらい形状のものもスリットを活用して同時におこなえるのが考えられている点だ。
歯ブラシのブラシ部分など、形状が入り組んだものを除菌する場合、180秒のモードを選択できるのもありがたい。電源は放置しておくと自動で切れるので、バッテリー切れを心配してこまめにスイッチを確認する必要がない。こうした部分も実用を考えてしっかり設計されている印象だった。
哺乳瓶などもそうだが、念入りにやろうと思えばいくらでも手段がある。ただ、それを面倒に感じてしまったり、逆にこうしなければと頑なになってしまったりすると除菌がストレスになってしまう。そうならないように59秒というわかりやすい目安を設け、しっかり除菌ができるように作り込んできた59Sには好感が持てた。筆者宅でも子供の持ち物をケースに入れて59秒除菌というフローが日常になりそうだ。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で1歳半の娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。
薬剤はなし! 深紫外線で殺菌する画期的な仕組み
59Sは深セン市に拠点を構えるShenzhen UVLED Optical Technology Co., Ltd.が2020年にリリースしたブランドだ。同社は早くからLEDによる殺菌に注目していた利点を活かし、UVC LEDによって携帯可能な新しい殺菌ソリューションを提供している。UVCとは紫外線の中でも特に波長が100~280nmのものを指し、日本語では深紫外線と呼ばれる。これを59秒間照射することで細菌のDNA、RNAを破壊し不活性化するとともに、新たに増殖するのを防ぐ仕組みだ。UVAやUVBが太陽から地表まで届き、日焼けの原因にもなるのに対して、UVCはほとんどが大気層で吸収されてしまう。普段は地球上にない波長だが、その反面殺菌・洗浄作用は高く、59Sはこれを利用してさまざまなものが殺菌できるようにしている。
殺菌作用が強いと聞くと安全性も心配になるがその点も考慮されている。デバイスを傾けたり、カバーを開けたりすると照射が止まるようになっており、不用意に照射されている光源を見てしまうようなこともないので安心だ。
DNA/RNAに作用し、59秒で99.9%の除菌効果を発揮
ブランド名の通り、59秒で除菌効果を発揮するのもこの製品のすぐれているところだ。従来の紫外線殺菌装置は15分程度かかっていたが、それと比べると非常に短い時間で殺菌が可能。さらにオゾンフリーで消臭までできる点も興味深い。もちろん業務機とでは性能の差はあるだろうが、これだけ手軽に除菌でき、かつ薬剤を使用しないのは画期的なのではないだろうか。除菌は目に見えないので実際に作用しているのかと疑ってしまうが、オフィシャルのウェブサイトにある動画を見ると短時間に多くの細菌が不活性化しているのがわかる。原理的にはDNA/RNAという細胞の根本部分を紫外線で破壊しているようだ。
子供のおもちゃやカトラリー消毒には非常に便利
こうした殺菌方法は特に消毒が面倒な子供の持ち物に相性が良い。最初に挙げたような薬剤の残りも気になるが、アルコールで除菌するとなると物理的にかなりの手間になる。その点、UVCでの除菌はケースに入れてボタンを押し、59秒待つだけだ。家に溢れがちなおもちゃを一度に入れて除菌できるので、毎日使っても負担にならない実用的な仕様になっている。また、食器やカトラリーに関しては蓋(リッド)タイプのものを使うとかなり便利だ。こちらのタイプにはスリットが入っており、器とカトラリーを同時に除菌することができる。歯ブラシなど、なかなか除菌しづらい形状のものもスリットを活用して同時におこなえるのが考えられている点だ。
歯ブラシのブラシ部分など、形状が入り組んだものを除菌する場合、180秒のモードを選択できるのもありがたい。電源は放置しておくと自動で切れるので、バッテリー切れを心配してこまめにスイッチを確認する必要がない。こうした部分も実用を考えてしっかり設計されている印象だった。
考えすぎは厳禁、されどやったほうがいい除菌
効果が目に見えないことから、どのくらいが適度か判断しかねてしまう除菌という行為。神経質になりすぎるのはNGだが、昨今の情勢を考えるとやはりやっておくに越したことはない。今回筆者がこの製品を取り上げたのは、無理なく毎日除菌ができるガジェットだと感じたからで、その点においては他の除菌製品より大きく秀でている。哺乳瓶などもそうだが、念入りにやろうと思えばいくらでも手段がある。ただ、それを面倒に感じてしまったり、逆にこうしなければと頑なになってしまったりすると除菌がストレスになってしまう。そうならないように59秒というわかりやすい目安を設け、しっかり除菌ができるように作り込んできた59Sには好感が持てた。筆者宅でも子供の持ち物をケースに入れて59秒除菌というフローが日常になりそうだ。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で1歳半の娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。