NTTドコモは昨年末にスクリーン付き専用ケース「デュアルスクリーン」を装着することでデュアルスクリーン仕様になる、LGエレクトロニクスの5G対応スマートフォン「LG VELVET」を発売した。これまでにない使い方を実現するユニークなデバイスをレビューしてみた。
LGエレクトロニクスの2画面になる5Gスマホといえば、2020年5月にNTTドコモとソフトバンクが「LG V60 ThinQ 5G」を発売している。新製品のLG VELVETも本体とデュアルスクリーンの画面サイズを同じ約6.8インチとしながら質量がさらに軽くなった。LG V60 ThinQ 5Gと比べて、本体のみで約38g、デュアルスクリーンを装着した状態で約44gも軽量化されている。
デュアルスクリーンを装着するとさすがに片手持ち操作は難しいが、本体が軽くなったことで、1画面の状態であれば、片手で長時間持ちながら使っても疲れにくくなったと感じた。
デュアルスクリーンはLG VELVETの本体を包むように保護する専用ケースとしての役割も担っている。デバイス間をUSB Type-C端子で接続するとデュアルスクリーンに電源が供給され、データ・コントロール信号が同期する。
LG VELVETには4,300mAhの大容量バッテリーが搭載されているので、デュアルスクリーンを装着した状態でも1日中ゆとりを持って使えた。装着した状態で二つの画面はフラットに開く。デュアルスクリーンを360度回転させてスマホと背中合わせにもできる。
LG VELVETでは生体認証にスクリーン埋め込みタイプの指紋認証センサーを使う。デュアルスクリーンはスマホのカメラ、マイクや3.5mmイヤホンジャックが隠れないように切り欠きを設けたデザインとしているが、背面や側面に余計な切り欠きはない。基本はスマホに着けっぱなしにした状態で使える専用アクセサリーだ。充電もデュアルスクリーンを装着したまま行えるが、ケース側の端子形状が特殊なのでUSB Type-Cケーブルを使うための専用変換アダプターが同梱されている。
カメラも静止画・動画の撮影機能がとにかく豊富に揃っている。本体外側のメインカメラは標準・望遠・超広角のトリプルレンズ仕様。4,800万画素のセンサーを積む標準レンズがF1.8と明るいため、風景からポートレートまで安定感に富んだ写真が撮れる。
インカメラによるセルフィー撮影の際、デュアルスクリーンを全面白色に発光させて“レフ板”のように使える「レフ板モード」がある。暗い場所から明るい昼間も含めて、自分撮り写真画質に差が付けられる。
LG VELVETのメインカメラはアスペクト比16:9の4K動画撮影に対応する。ニュートラルで自然な画質もさることながら、サウンドのメニューも充実している。奥行き方向への広がりを感じさせる音声が収録できる「ASMR録音(バイノーラル録音)」機能はV60 ThinQ 5Gに続いて搭載する。人の話し声、鳥のさえずりなど特定方向にマイクの集音バランスを振り向けて収録できる「ボイスアウトフォーカス」もある。それぞれの機能を使い分けながら、いつもの風景を歩いて流し撮りしてみるだけでもクリエイティブな動画が撮れる楽しみが得られる。
設定から「ワイドモード」をオンにすると、Googleマップなど対応するアプリを2つの画面に大きく表示できるようになる。ぜひ電子書籍アプリにもワイドモード対応を広げてほしい。
軽いデュアルスクリーン側のパネルを立ててノートPCのように平置きにすると、ビデオ会議の画面を見ながらスマホ側の画面で資料を開いたり、テキストエディタアプリで簡易なメモが取れる。専用のスタイラスペンがあれば画面に付く指紋も減らせるだろう。
LG VELVETの6.8インチの高精細な有機ELの大画面にも収まりきらない映像はポータブルプロジェクターを使って部屋の壁などに投射して楽しむのもアリだ。LGエレクトロニクスの「CineBeam PH30N」はLG VELVETとワイヤレスでペアリングして、スマホで再生した動画や写真をプロジェクターに遅延なく転送できる「SCREEN SHARE」機能が使える良きコンパニオンデバイスだ。
LG VELVETについてはビジネス系のアプリ、アクセサリーの拡充にも期待したい。二つの画面を活かしながらシステム手帳として機能するアプリ、ノートブックスタイルにして心地よくタイピングできる「ワイドモード」対応のテキストエディタなどソフトウェアの側でその個性に一段と磨きをかけられる余地がまだ沢山あると思う。(フリーライター・山本敦)
2画面対応で10万円を切る5Gスマホ
本機はNTTドコモの5Gモバイル通信に対応するAndroidスマホだ。ドコモオンラインショップの販売価格は本体のみの場合が7万488円(税込)。別売のデュアルスクリーンを付けても8万8704円(税込)というスタンダードクラスの価格設定にも魅力がある。LGエレクトロニクスの2画面になる5Gスマホといえば、2020年5月にNTTドコモとソフトバンクが「LG V60 ThinQ 5G」を発売している。新製品のLG VELVETも本体とデュアルスクリーンの画面サイズを同じ約6.8インチとしながら質量がさらに軽くなった。LG V60 ThinQ 5Gと比べて、本体のみで約38g、デュアルスクリーンを装着した状態で約44gも軽量化されている。
デュアルスクリーンを装着するとさすがに片手持ち操作は難しいが、本体が軽くなったことで、1画面の状態であれば、片手で長時間持ちながら使っても疲れにくくなったと感じた。
デュアルスクリーンはLG VELVETの本体を包むように保護する専用ケースとしての役割も担っている。デバイス間をUSB Type-C端子で接続するとデュアルスクリーンに電源が供給され、データ・コントロール信号が同期する。
LG VELVETには4,300mAhの大容量バッテリーが搭載されているので、デュアルスクリーンを装着した状態でも1日中ゆとりを持って使えた。装着した状態で二つの画面はフラットに開く。デュアルスクリーンを360度回転させてスマホと背中合わせにもできる。
LG VELVETでは生体認証にスクリーン埋め込みタイプの指紋認証センサーを使う。デュアルスクリーンはスマホのカメラ、マイクや3.5mmイヤホンジャックが隠れないように切り欠きを設けたデザインとしているが、背面や側面に余計な切り欠きはない。基本はスマホに着けっぱなしにした状態で使える専用アクセサリーだ。充電もデュアルスクリーンを装着したまま行えるが、ケース側の端子形状が特殊なのでUSB Type-Cケーブルを使うための専用変換アダプターが同梱されている。
豊富に揃うエンタテインメント&クリエーション機能
LG VELVETはオーディオ・ビジュアルの機能が充実するスマホだ。筆者が注目したポイントをいくつか紹介しよう。まず、再生中の動画コンテンツに最適な立体音響効果を自動選択する機能「LG 3Dサウンド」だ。本体設定から「サウンド」を選び、「音質とサウンドエフェクト」のなかに並ぶ「LG 3Dサラウンド」のチェックをオンにする。映画やアニメ・ドラマを再生すると迫力ある効果音が楽しめた。音楽ライブではボーカルや楽器の音色に鮮度が増す。ニュースやYouTubeの解説動画では人の声がクリアになって聞きやすかった。カメラも静止画・動画の撮影機能がとにかく豊富に揃っている。本体外側のメインカメラは標準・望遠・超広角のトリプルレンズ仕様。4,800万画素のセンサーを積む標準レンズがF1.8と明るいため、風景からポートレートまで安定感に富んだ写真が撮れる。
インカメラによるセルフィー撮影の際、デュアルスクリーンを全面白色に発光させて“レフ板”のように使える「レフ板モード」がある。暗い場所から明るい昼間も含めて、自分撮り写真画質に差が付けられる。
LG VELVETのメインカメラはアスペクト比16:9の4K動画撮影に対応する。ニュートラルで自然な画質もさることながら、サウンドのメニューも充実している。奥行き方向への広がりを感じさせる音声が収録できる「ASMR録音(バイノーラル録音)」機能はV60 ThinQ 5Gに続いて搭載する。人の話し声、鳥のさえずりなど特定方向にマイクの集音バランスを振り向けて収録できる「ボイスアウトフォーカス」もある。それぞれの機能を使い分けながら、いつもの風景を歩いて流し撮りしてみるだけでもクリエイティブな動画が撮れる楽しみが得られる。
ビデオ会議もはかどる2画面活用法
LG VELVETにデュアルスクリーンを装着すると、それぞれの側に異なるアプリを立ち上げてマルチタスキングが可能になる。クアルコムのハイミドルレンジ端末向けのSoCである「Snapdragon 765G」を搭載しているので、マルチタスク操作のレスポンスはとても機敏で心地よい。動画を見たり、ゲームを遊びながらのWeb検索もサクサクと動いた。設定から「ワイドモード」をオンにすると、Googleマップなど対応するアプリを2つの画面に大きく表示できるようになる。ぜひ電子書籍アプリにもワイドモード対応を広げてほしい。
軽いデュアルスクリーン側のパネルを立ててノートPCのように平置きにすると、ビデオ会議の画面を見ながらスマホ側の画面で資料を開いたり、テキストエディタアプリで簡易なメモが取れる。専用のスタイラスペンがあれば画面に付く指紋も減らせるだろう。
外部アクセサリー機器をつないでゲーム&シアターも充実
Bluetoothオーディオは低遅延性能に優れるクアルコムのaptX Adaptiveコーデックに対応している。同じコーデックに対応していれば、左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンでも動画やゲームコンテンツを再生した時に映像と音声、コマンド入力と音声の遅延をほとんど気にならないレベルにまで抑えこめる。あるいはLG VELVETは有線イヤホン・ヘッドホンが接続できるジャックも搭載しているので、合わせて活用したい。LG VELVETの6.8インチの高精細な有機ELの大画面にも収まりきらない映像はポータブルプロジェクターを使って部屋の壁などに投射して楽しむのもアリだ。LGエレクトロニクスの「CineBeam PH30N」はLG VELVETとワイヤレスでペアリングして、スマホで再生した動画や写真をプロジェクターに遅延なく転送できる「SCREEN SHARE」機能が使える良きコンパニオンデバイスだ。
LG VELVETは2画面スマホ入門に最適
二つの画面を持つスマホはシングルディスプレイのスマホに比べてどうしても質量が重くなってしまう。筆者が今まで試した中ではサムスンがエンタテインメントの使い勝手やビジネス系のユーティリティにも秀でている印象だが、販売価格が高価な端末が多いため、特徴を体験できる機会が限られている。LG VELVETのようにデュアルスクリーンをオプションにして端末本体、あるいはセットとしての価格を比較的安価に抑えることができれば、2画面スマホの普及拡大に弾みが付くかもしれない。LG VELVETについてはビジネス系のアプリ、アクセサリーの拡充にも期待したい。二つの画面を活かしながらシステム手帳として機能するアプリ、ノートブックスタイルにして心地よくタイピングできる「ワイドモード」対応のテキストエディタなどソフトウェアの側でその個性に一段と磨きをかけられる余地がまだ沢山あると思う。(フリーライター・山本敦)