腕前の上達を実感できるローグヴァニア「Dead Cells」
「Dead Cells」は、ローグライクとメトロイドヴァニア(ダンジョンを探索しながら進むアクションゲームのジャンル)が融合した「ローグヴァニア」だ。CEROはC(15歳以上向け)で、価格は2480円。主人公はステージに落ちているスクロールや武器を拾いながら敵やボスを倒していくことになる。スクロールを使えばHPや攻撃力の底上げが可能で、武器もステージ間のチェックポイントで強化したり、付与する効果を変更できる。もちろん、死んでしまえばこれまで強化してきた肉体は初期状態に戻り、装備していたアイテムも失ってしまう(全額ではないがゴールドの持ち越しは可能)。
個人的に本作が楽しいと思える点は、武器の豊富さにある。主人公はメイン武器2種+クールタイムが発生するサブ武器2種を装備可能で、武器の組み合わせで取れる戦略が変わる。盾で敵の攻撃をいなしつつ近づいたら攻撃力の高い剣で倒すのもアリだし、自動で攻撃するタレットを設置しながら自身も弓や鞭で遠距離からチクチク攻めても良い。武器には当たると敵が出血や毒など状態異常を引き起こす効果が付与されている武器もある。さらに、特定の状態異常が起きている敵に対して威力が上がる武器もあるので、武器同士の組み合わせを考えながら取捨選択していくのが醍醐味の一つだと思っている。
倒した敵がランダムで落とす「セル」を使えば、倒れた時に持ち越せるゴールドが増えたり、武器の設計図を拾っていれば新たな武器をアンロックできたりと、リトライ時の条件が良くなっていく。それも大事な要素だが、繰り返しプレイすることで実力を伸ばすことがクリアにつながる。これまでクリアできなかったステージのクリアやボスの撃破など、小さなハードルを一つずつ超えていく達成感は感慨深い。
運や状況に応じてデッキを組んで塔の攻略に挑む「Slay the Spire」
「Slay the Spire」は、ローグライクとデッキ構築(カードゲーム)が合体したようなゲームだ。CEROはA(全年齢対象)で、価格は2570円。本作は、挑戦するごとにマップが変化する塔を進みながら敵と戦っていく。カードを使ったバトルはターン制だ。ターン開始時には一定数の「エナジー」が自動で手に入り、デッキからカードが配られる。カードごとに決められたエナジーを消費してカードを使い、敵と戦うことになる。
カードは攻撃用・防御用のものから、ステータス向上などの効果があるもの、バトル中に効果が持続するものなど多彩。カードは、敵を倒したりイベントをこなしたりすると手に入る。提示された複数のカードからどれを選ぶのか、そのカードをどう使い、どのカードと組み合わせると効果的かを考えるのが面白い。
バトルを楽しくしている要素の一つが、敵が次に行うアクションがわかることだ。何ダメージの攻撃をするかまで表示されるので、今ある手札の内容や残りHPと相談しながら行動の指針を決められる。
塔内部のステージはいくつかのルートに分かれており、一度ルートを決めると次の分岐点まではそのルート上を進むことになる。ルート上には敵、エリート(中ボス)、財宝、カードなどが買えるショップ、イベント、カード強化かHP回復が行える休憩ポイントが配置され、ルートごとにその配置バランスが変わる。
イベント発生時や財宝ゲット時、エリート・ボス撃破時などには「レリック」が手に入ることもある。レリックは所持しているだけで効果を発揮するアイテムで、バトルを有利にしてくれるものが多い。ただ、「ターン開始時に手に入るエナジーが増えるが戦闘開始時に状態異常になる」といったデメリット付きのレリックもあるので、ゲットする際は慎重に。
そうした要素を鑑みてルートを選ぶことになる。敵が多く配置されたルートをたどって堅実にカードをゲットしてデッキの強化に努めるのか、賭けに出てイベントや財宝、エリートが多めのルートを選択するかはプレイヤー次第。よく考えてルートを選ぼう。
初めて遊ぶ際に選べるキャラは一人だけだが、条件を満たすことでプレイ可能なキャラが増えていく。キャラによってゲットできるカードや性能が異なるので、キャラごとに新鮮な感覚でバトルを楽しめる。また、プレイ終了時には経験値がたまり、使用可能なカードがアンロックされていく。プレイ後には「次はアンロックされたカードを使いたい」「次はもっと賭けに出てみよう」「次はカードをもっとゲットしておこう」など、つい再挑戦したくなる気持ちがわいてくる。時間を溶かし過ぎないよう注意しつつ、塔の制覇を目指してほしい。(浦辺制作所・藤縄 優佑)