快適書き味の液タブ:Artist 12 Pro
続いて液タブの人気モデル「Artist 12 Pro」をWindows PCに組み合わせて使ってみる。こちらも最初にXP-PENのホームページからドライバーをインストールしておく必要がある。PCとの接続は本体に付属する3-in-1ケーブルを使う。USBのほかHDMI端子に接続して、さらに余った1基のUSBケーブルを電源アダプターにつないでタブレットに給電する。セットアップは複雑ではないが、Deco mini7に比べると必要になるケーブルの数とPC側の端子が増える。そしてタブレットが少し大きくなる。自宅のデスクに少し広めのワークスペースを確保して、在宅ワークの作業環境を拡充するデバイスとしたい。
なお、Artist 12 ProはmacOS環境にも対応しているが、MacBookシリーズの場合、ここ数年で発売されたモデルにはHDMI端子やUSB-A端子がないため、Artist 12 Proに同梱する3-in-1ケーブルが直接つなげない。アップル純正のアクセサリーとして販売されている「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」などを間に挟んで使おう。
Artist 12 Proは液晶画面に直接描けるのでまるでペンを使って紙に文字や図形を書いているような書き味が得られる液タブだ。ペン先の動きに対する追従性能が高く、力を使わずにすっと自然に文字や線を描ける。
ペンの筆圧感度は設定アプリケーションから細かく調整できる。専用スタイラスペンは柔らかなシリコン製のグリップとしているので長時間の筆記作業でも疲れにくかった。ストレスフリーに使えるデバイスであることは、快適なテレワーク環境を実現するために最も大事な要素といえる。
ディスプレイにはフルHD解像度のIPS液晶を使っている。視野角も178度と広く、画面を斜めの角度からのぞき込んでも輝度が落ちることなく自然な色バランスを保つ。筆者の場合、編集部に納めた原稿の校正確認のやり取りはPDFや画像ファイルに手書きで修正や追記の依頼を入れる作業がはかどった。ファイルを紙に印刷して赤入れをする準備の手間とコストも省けた。
製品や人物の写真を撮って、画像データをPhotoshopで加工する作業も液晶タブレットとペンによる組み合わせの方がマウス、トラックパッドよりも格段に精度の高い作業をストレスなくこなせてよかった。タブレットのある作業環境に一度慣れてしまうと後戻りができなくなりそうだ。
テレワーク環境の品質向上に確かな手応えアリ
今回テストした液タブの「Artist 12 Pro」は、XP-PENのオンライン直販サイトでは2万8310円(税込)で販売されている。同等の機能と性能を備えるライバルの製品に比べるとコストパフォーマンスの面で魅力的に感じる。クリエイターからの評判がとても良いことは噂に聞いていたが、筆者も改めて自身の在宅ワーク環境で試してその実力を思い知らされた。ハイエンドクラスのワイヤレスマウスやキーボードを買い足す感覚で試してみたくなる。今後もしばらくは多くのビジネスパーソンにとって、オフィスを離れてテレワークを続けなければならない状況が続くことになりそうだ。この機会にXP-PENのデジタルグラフィクス・タブレットを導入して、仕事環境の充実を図ってみてはいかがだろうか。(フリーライター・山本敦)
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