オーディオ機器やヘルスケア家電を展開するフィリップスが、11月13日にマスク市場に参入することを発表した。これまでも家電メーカーがマスクを開発するケースはあったが、「フィリップス ブリーズマスク」は電動ファンを搭載するなど、家電メーカーとしてのノウハウを存分に生かした独自性があるものに仕上がっている。税込みが1万780円というプレミアム価格からも製品に対する自信がうかがえる。11月19日に発売するハイテクマスクを一足先に試してみた。
まず、製品のパッケージから普通のマスクとは違っている。頑丈な箱に収められており、マスクというよりデバイスという印象を強くする。同梱されているのは、ファンモジュールを搭載しているマスクカバー、マスクフィルター、充電用のUSBケーブル。手元に届いたカラーはブラック。ラインアップには他にグレーがある。
使用する際は充電したファンモジュールをマスクカバー、内側にマスクフィルターを装着する。マスクフィルターはカバーの左右とファン部分の3カ所で固定する。耳をかけるゴム紐はアジャスターで調整可能なので、顔の大きさを問わず、使用することができる。
装着してみてすぐに気が付いた通常のマスクとの違いは、口とフィルターが密着しないことだ。内部でファンを固定するパーツが型崩れを防ぐ役割を担っており、マスク内部に空間ができる設計になっている。フィルターと接する不快感がないだけでなく、呼吸がしやすい。女性であればリップなどがつきにくいのもメリットになるだろう。
マスクのサイズは大きめなので、装着すると顔の下半分がすっぽり隠れた。ただ、耳から顎に向かってシャープなフォルムをしているので、顔が必要以上に大きく見えることはなかった。横から見たフォルムはやや特徴的。口とフィルターの間に空間ができるため、マスクがやや突き出したように見える。
続いて、最大の売りであるファンを回してみた。ファンはマスクの外側に電源ボタンを備えており、1回押すと起動する。パワーは3段階で、ボタンで調整する。気になる音については、まずまずといったところ。周囲の人から聞こえないということはないが、騒音というほどでもない。
空気はファンの斜め下に向かって放出される。なので、普通のマスクでよくある、吐息でメガネが曇ったり、臭いが鼻についたりということはない。エアーフローシステムは最大41Lの空気を循環させるとのことだが、手を当ててみるとそのパワフルさを実感できた。
ファンが連続で使用できるのは約2~3.5時間。フル充電には約3時間かかる。1日中つけっぱなしというわけにはいかないが、通勤中あるいは運動をしている間だけ、ということなら問題なさそうだ。
マスクの本質的価値であるプロテクト性能も高水準だ。フィルターはPM2.5や花粉を95%、ウイルスを98.87%カットすることに加えて、UPF 50+レベルで紫外線から肌も守る。カバーはメッシュ素材で肌触りがとてもよい。この辺りは、さすが1万円超えの高級品だ。
気になるメンテナンスについても紹介しておきたい。製品はパーツごとにそれぞれケアの方法が異なる。まず、マスクカバーは洗浄して再利用することが可能。湿らせた柔らかい布で拭くか、水に浸して中性洗剤で手洗いすることを推奨している。もちろんその際にファンモジュールは取り外す必要がある。防水設計になっているわけではないので注意したい。
一方、中のマスクフィルターは水洗いすることはできない。使い捨てで、ずっと使っていると集じん効果が弱くなる。交換用マスクフィルターは別売で、5枚入りで税込み1595円。毎日使うことを前提にすると、コストは馬鹿にならない。マスクに対してコストをかけることをいとわないというのでなければ、普段用ではなくスポーツ用あるいは、おしゃれ用としてワンポイントで使うのがよいかもしれない。
価格が規格外のフィリップス ブリーズマスクだが、快適性は通常のマスクと比べると“異次元”といえるレベルだった。約60gという重さが気になるかと思ったが、装着して過ごしていてもデメリットには感じなかった。個人的には近未来感全開ながら、悪目立ちしないデザインがもっとも気に入った。人は選ぶかもしれないが、唯一無二のマスクがほしいというのであれば、現時点でこれ以上の候補はないだろう。(BCN・大蔵大輔)
まず、製品のパッケージから普通のマスクとは違っている。頑丈な箱に収められており、マスクというよりデバイスという印象を強くする。同梱されているのは、ファンモジュールを搭載しているマスクカバー、マスクフィルター、充電用のUSBケーブル。手元に届いたカラーはブラック。ラインアップには他にグレーがある。
使用する際は充電したファンモジュールをマスクカバー、内側にマスクフィルターを装着する。マスクフィルターはカバーの左右とファン部分の3カ所で固定する。耳をかけるゴム紐はアジャスターで調整可能なので、顔の大きさを問わず、使用することができる。
装着してみてすぐに気が付いた通常のマスクとの違いは、口とフィルターが密着しないことだ。内部でファンを固定するパーツが型崩れを防ぐ役割を担っており、マスク内部に空間ができる設計になっている。フィルターと接する不快感がないだけでなく、呼吸がしやすい。女性であればリップなどがつきにくいのもメリットになるだろう。
マスクのサイズは大きめなので、装着すると顔の下半分がすっぽり隠れた。ただ、耳から顎に向かってシャープなフォルムをしているので、顔が必要以上に大きく見えることはなかった。横から見たフォルムはやや特徴的。口とフィルターの間に空間ができるため、マスクがやや突き出したように見える。
続いて、最大の売りであるファンを回してみた。ファンはマスクの外側に電源ボタンを備えており、1回押すと起動する。パワーは3段階で、ボタンで調整する。気になる音については、まずまずといったところ。周囲の人から聞こえないということはないが、騒音というほどでもない。
空気はファンの斜め下に向かって放出される。なので、普通のマスクでよくある、吐息でメガネが曇ったり、臭いが鼻についたりということはない。エアーフローシステムは最大41Lの空気を循環させるとのことだが、手を当ててみるとそのパワフルさを実感できた。
ファンが連続で使用できるのは約2~3.5時間。フル充電には約3時間かかる。1日中つけっぱなしというわけにはいかないが、通勤中あるいは運動をしている間だけ、ということなら問題なさそうだ。
マスクの本質的価値であるプロテクト性能も高水準だ。フィルターはPM2.5や花粉を95%、ウイルスを98.87%カットすることに加えて、UPF 50+レベルで紫外線から肌も守る。カバーはメッシュ素材で肌触りがとてもよい。この辺りは、さすが1万円超えの高級品だ。
気になるメンテナンスについても紹介しておきたい。製品はパーツごとにそれぞれケアの方法が異なる。まず、マスクカバーは洗浄して再利用することが可能。湿らせた柔らかい布で拭くか、水に浸して中性洗剤で手洗いすることを推奨している。もちろんその際にファンモジュールは取り外す必要がある。防水設計になっているわけではないので注意したい。
一方、中のマスクフィルターは水洗いすることはできない。使い捨てで、ずっと使っていると集じん効果が弱くなる。交換用マスクフィルターは別売で、5枚入りで税込み1595円。毎日使うことを前提にすると、コストは馬鹿にならない。マスクに対してコストをかけることをいとわないというのでなければ、普段用ではなくスポーツ用あるいは、おしゃれ用としてワンポイントで使うのがよいかもしれない。
価格が規格外のフィリップス ブリーズマスクだが、快適性は通常のマスクと比べると“異次元”といえるレベルだった。約60gという重さが気になるかと思ったが、装着して過ごしていてもデメリットには感じなかった。個人的には近未来感全開ながら、悪目立ちしないデザインがもっとも気に入った。人は選ぶかもしれないが、唯一無二のマスクがほしいというのであれば、現時点でこれ以上の候補はないだろう。(BCN・大蔵大輔)