【Nintendo Switchで遊びつくそう!・3】Nintendo Switchのマイニンテンドーストア、ニンテンドーeショップを眺めると、有名な会社が手がけるタイトルから個人制作のものまで、本当に大量のゲームが並んでいる。とくに有名でないタイトルは、自分に合っているのかどうかを都度調べるのはおっくうになりがちだと思う。そこで、本連載「Nintendo Switchで遊びつくそう!」では毎回テーマを設定し、それにちなんだオススメのゲームを紹介する。
第3回目となる今回は「有名な会社が作ったマイナーゲーム」をテーマにした。ゲーム好きなら誰でも知っているような有名な会社が手がけた作品でありながら、あまり知名度の高くないタイトルを紹介する。今回の記事のように、知っている会社・好きな会社がリリースしたタイトルを調べてみると、思わずハマるゲームと出会えるかもしれない。
本作品の舞台は深海。世界の大半が氷に覆われてしまい、人の暮らせる場所が海中しかなくなってしまったという設定で、たった一人で暮らす主人公の生活の場も氷が浸食してしまう。主人公は、自分以外の人は生きているのか、海の底に何があるのか、といった「世海」(せかい)の謎を解き明かしながら冒険に赴く。
舞台が海中というだけあって、酸素が尽きるとゲームオーバーだ。何もせずとも酸素はじりじりと減っていき、移動スピードもやや遅い。高速移動も可能だが、酸素をより消費してしまう。海洋生物からの攻撃や地面への激突、潜水服が耐えられない高い水圧のエリアにいると潜水服や酸素ボンベに被害を受け、酸素残量に悪影響を及ぼす。これだけ聞くとつねに緊迫したゲームに思えるかもしれないが、酸素を補給できるポイントはいくつかあるうえ、酸素ボンベもフィールド上で取得可能。海洋生物と戦うための武器もあるので、緊張感はほど良いレベルに留まっている。
ゲーム開始時に探索できる範囲は狭いが、資源を集めて潜水服を強化すると、より深く潜れるようになる。また、潜水艦を入手すれば一気に行動範囲が広がる。主人公が潜水艦から出ると酸素を供給するケーブルでつながり、酸素不足の悩みからもほんのり解放(ケーブルの範囲外への移動は、これまで通り酸素残量に気を配る必要がある)。潜水艦を手に入れると行動の自由度が上がるとともに、海の広大さも実感できるようになる。高揚感がこみ上げてきて、ついつい隅々まで何があるのか探索したくなることうけあいだ。
今時の3Dグラフィックを見慣れてしまった方にとっては、本作のグラフィックはそこまで精微に見えないとは思う。しかしながら浮遊感を伴うアクションやBGM・SEと相まって、海の神秘性や怖さを存分に感じ取れる。登場人物は誰もしゃべらないが、主人公の礼儀正しい仕草から性格などが伺えるのも面白い。本作は静止画だけ見ても魅力が伝わりづらいと思うので、ぜひプレイしてほしい。なお、「深世海 Into the Depths」における音のこだわりに関しては、カプコンサウンドチームのWebサイトに詳細が載っているので、一度読んでみることをオススメする。
本作品の特徴は、改造手術を受けた主人公「烈景寺レイカ」が備える特殊能力のバリエーションの豊富さにある。ステージで待ち受ける敵ロボットや障害物を壊せば、主人公の力でそれらの残骸であるガレキを回収、「カタマリ」にできる。カタマリはそのまま敵に投げつける武器にしたり、足場や重石といった用途に使える「ロック」にしたり、ブレードやジャベリンなどに変化したりと、さまざまな物体に変化可能。この物体を変化する能力を使って敵を倒し、道中の謎を解いていく。
また、本作品は物理エンジンを採用しているため、謎の解き方もそれを活用することになる。ガレキや障害物といったオブジェクトの挙動は物理エンジンに基づいているので、プレイヤーが解法をわかっていても予測通りにオブジェクトが動いてくれないことも。逆に、ギミックが解けてはいないけれど、強引にオブジェクトを動かして突破できることもあるのはユニークだ。ヒントも設けられているので、解き方そのものがわからないときは参考にしてみよう。
広いステージを探索して一定数のカギを見つけて先へ進むと、ボスとの戦闘となる。どのボスもいくつもの攻撃パターンを有しており、反撃できるチャンスを見出すのも難しい。ついでに言えば、主人公のガレキを投げる攻撃の発生はやや遅く感じるので、それを踏まえて攻撃する必要があるのもつらいところ。一度や二度の挑戦で倒すのは難しいが、攻略パターンを見つけて思い通りに倒せたときの達成感はひとしおだ。
道中のBGMがゆったりしていて緊張感に欠ける、主人公の慣性のかかった独特の操作性に慣れづらくてストレスがたまりやすいなど、かなり人を選ぶゲームではある。しかし、展開が気になる暗めなストーリーと、個性豊かなボスとのバトルは面白い。アクションとパズルが得意な方に挑戦してみてほしい作品だ。(浦辺制作所・藤縄 優佑)
第3回目となる今回は「有名な会社が作ったマイナーゲーム」をテーマにした。ゲーム好きなら誰でも知っているような有名な会社が手がけた作品でありながら、あまり知名度の高くないタイトルを紹介する。今回の記事のように、知っている会社・好きな会社がリリースしたタイトルを調べてみると、思わずハマるゲームと出会えるかもしれない。
美しくも恐ろしい深海を探検するアドベンチャーアクション「深世海 Into the Depths」
「深世海 Into the Depths」は、「ストリートファイター」「バイオハザード」「モンスターハンター」シリーズなど数々のヒット作を手がけたカプコンのアドベンチャーアクションゲームだ。CEROはB(12歳以上向け)で、価格は1990円。有名なゲーム実況者が本タイトルを取り上げていたので、それをきっかけに知ったという人もいるかもしれない。本作品の舞台は深海。世界の大半が氷に覆われてしまい、人の暮らせる場所が海中しかなくなってしまったという設定で、たった一人で暮らす主人公の生活の場も氷が浸食してしまう。主人公は、自分以外の人は生きているのか、海の底に何があるのか、といった「世海」(せかい)の謎を解き明かしながら冒険に赴く。
舞台が海中というだけあって、酸素が尽きるとゲームオーバーだ。何もせずとも酸素はじりじりと減っていき、移動スピードもやや遅い。高速移動も可能だが、酸素をより消費してしまう。海洋生物からの攻撃や地面への激突、潜水服が耐えられない高い水圧のエリアにいると潜水服や酸素ボンベに被害を受け、酸素残量に悪影響を及ぼす。これだけ聞くとつねに緊迫したゲームに思えるかもしれないが、酸素を補給できるポイントはいくつかあるうえ、酸素ボンベもフィールド上で取得可能。海洋生物と戦うための武器もあるので、緊張感はほど良いレベルに留まっている。
ゲーム開始時に探索できる範囲は狭いが、資源を集めて潜水服を強化すると、より深く潜れるようになる。また、潜水艦を入手すれば一気に行動範囲が広がる。主人公が潜水艦から出ると酸素を供給するケーブルでつながり、酸素不足の悩みからもほんのり解放(ケーブルの範囲外への移動は、これまで通り酸素残量に気を配る必要がある)。潜水艦を手に入れると行動の自由度が上がるとともに、海の広大さも実感できるようになる。高揚感がこみ上げてきて、ついつい隅々まで何があるのか探索したくなることうけあいだ。
今時の3Dグラフィックを見慣れてしまった方にとっては、本作のグラフィックはそこまで精微に見えないとは思う。しかしながら浮遊感を伴うアクションやBGM・SEと相まって、海の神秘性や怖さを存分に感じ取れる。登場人物は誰もしゃべらないが、主人公の礼儀正しい仕草から性格などが伺えるのも面白い。本作は静止画だけ見ても魅力が伝わりづらいと思うので、ぜひプレイしてほしい。なお、「深世海 Into the Depths」における音のこだわりに関しては、カプコンサウンドチームのWebサイトに詳細が載っているので、一度読んでみることをオススメする。
ガレキで敵を倒して謎も解くパズルアクション「GIGA WRECKER ALT.」
「GIGA WRECKER ALT.」は、「ポケットモンスター」シリーズの開発で知られるゲームフリークのアクションゲームだ。CEROはBで、価格は2980円。本作品の特徴は、改造手術を受けた主人公「烈景寺レイカ」が備える特殊能力のバリエーションの豊富さにある。ステージで待ち受ける敵ロボットや障害物を壊せば、主人公の力でそれらの残骸であるガレキを回収、「カタマリ」にできる。カタマリはそのまま敵に投げつける武器にしたり、足場や重石といった用途に使える「ロック」にしたり、ブレードやジャベリンなどに変化したりと、さまざまな物体に変化可能。この物体を変化する能力を使って敵を倒し、道中の謎を解いていく。
また、本作品は物理エンジンを採用しているため、謎の解き方もそれを活用することになる。ガレキや障害物といったオブジェクトの挙動は物理エンジンに基づいているので、プレイヤーが解法をわかっていても予測通りにオブジェクトが動いてくれないことも。逆に、ギミックが解けてはいないけれど、強引にオブジェクトを動かして突破できることもあるのはユニークだ。ヒントも設けられているので、解き方そのものがわからないときは参考にしてみよう。
広いステージを探索して一定数のカギを見つけて先へ進むと、ボスとの戦闘となる。どのボスもいくつもの攻撃パターンを有しており、反撃できるチャンスを見出すのも難しい。ついでに言えば、主人公のガレキを投げる攻撃の発生はやや遅く感じるので、それを踏まえて攻撃する必要があるのもつらいところ。一度や二度の挑戦で倒すのは難しいが、攻略パターンを見つけて思い通りに倒せたときの達成感はひとしおだ。
道中のBGMがゆったりしていて緊張感に欠ける、主人公の慣性のかかった独特の操作性に慣れづらくてストレスがたまりやすいなど、かなり人を選ぶゲームではある。しかし、展開が気になる暗めなストーリーと、個性豊かなボスとのバトルは面白い。アクションとパズルが得意な方に挑戦してみてほしい作品だ。(浦辺制作所・藤縄 優佑)