ダイキン、新型コロナで追い風の「換気ができるエアコン」を全方位でアピール

新製品

2020/10/14 18:30

 ダイキン工業は10月14日、新型コロナウイルス対策の一つである換気機能をエアコンのフラッグシップモデル「うるさらX(エックス)」だけでなく、寝室や子供部屋向けの「うるさらmini(ミニ)」の新製品、新しくラインアップに加えたスタンダードモデル「Vシリーズ」に搭載すると発表した。「ダイキンの換気。」というキャッチフレーズとともに、「換気ができるエアコン」を全方位でアピールする。

うるさらX、うるさらmini、Vシリーズに換気機能を搭載

スタンダードモデル「Vシリーズ」にも換気機能

 うるさらX(2.2~9.0kW)は11月1日に発売。2.2kWタイプの価格はオープンで、税込みの実勢価格は24万円前後。うるさらmini(2.2~2.8kW)は11月1日に発売し、価格は17万円前後。Vシリーズ(2.2~5.6kW)は2021年3月30日に発売し、価格が15万円前後となる。いずれも独自の換気機能を標準搭載する。
 
ダイキン工業 常務執行役員の
舩田聡空調営業本部長

 常務執行役員の舩田聡空調営業本部長は、「業界上期の出荷台数は前年同期比102%だったが、業界を上回る水準だった。新型コロナによる在宅ワークや巣ごもり需要で、換気への意識が日常の生活の中で定着している。ダイキンの換気のできるエアコンが、市場に受け入れられた形だ」と、換気機能がコロナ禍のユーザーニーズをとらえたと語る。

 換気機能は、暖房時の外気を暖めて室内に取り入れるため、換気と快適さが両立するという。具体的には、室外機で取り込んだ外気を搬送ホースで室内機まで運ぶ。室内機に送られた外気は、室内から吸い込んだ空気と一緒に室内機の熱交換器を通って温度を調整して送られる仕組み。夏場は換気しながら冷房できる。
 
給気換気の仕組み

1時間当たり0.5回の換気量を確保

 換気能力は、うるさらX(AN40YRP-W)で建築基準法の1時間当たり0.5回の換気量(給気風量)を確保する。つまり、機械的に室内に空気を送り込むことで換気能力を確保するというものだ。この点、本来なら換気は、給気と排気のセットで考えられるべきものだが、現状のマンションや戸建ての24時間換気システムも、排気はトイレやサニタリールームなどで行っているのが実情なので問題はないのだろう。

 うるさらXは、リモコンの表に換気専用の「換気ボタン」を搭載。ボタンを押すだけでワンタッチで換気できるようにした。また、スマートフォンアプリ「Daikin Smart APP」にも換気ボタンを搭載し、外出先や他の部屋から換気運転することも可能だ。
 
リモコンに「換気ボタン」を搭載

 他にも、人の在宅を検知すると室内機のファンの風量を変えずに、室外機の換気ファンの風量を上げて換気量を約10%増加する「センサー換気」を搭載。さらに、2019年11月に発売した室内のCO2濃度を検知するIAQセンサー・AIコントローラー「Beside(ビサイド)」と連携して、自動的に換気運転することもできる。
 
うるさらXは、CO2濃度を検知するBeside(ビサイド)との連携も可能

 清潔性では、室内機のファンに防カビ効果の高い薬剤を練り込んだ「防カビファン」を搭載。従来から搭載している熱交換器の汚れを取り除く「水内部クリーン」も、引き続き搭載している。

 ミドルクラスのうるさらminiは、うるさらXと同じ構造の換気、加湿ユニットを搭載した。スタンダードモデルのVシリーズでも同じ給気換気機能を搭載し、暖房運転や冷房運転をしながら快適な換気ができる。

 Vシリーズは加湿機能に非対応だが、梅雨時期などに有効な「新・ハイブリッド除湿」を搭載する。ちなみに、VシリーズのVはventilation(換気)を意味することからも、在宅勤務をする小さな部屋などで換気を気にするユーザー向けにエントリーモデルながらも換気に特化した戦略モデルといえるだろう。(BCN 細田 立圭志)