パティシエも愛用の「電動ハンドミキサー」、ロングセラーにはワケがある

レビュー

2020/10/04 19:30

 ハロウィンパーティーやちょっと気が早いがクリスマス、バレンタインなど、これからケーキをつくる機会が増える。ケーキづくりに欠かせない道具といえば、電動ハンドミキサー。我が家で使っているのはこれで2台目になる。もともと1000円前後の安いタイプを使っていたが、手入れや動作に不満だった。そんなとき、家電量販店の販売スタッフと会話していたら「パナソニックの『MK-H4』はパティシェの方も愛用しているロングセラー」と聞き、買い替えた。使ってみたところ、お菓子づくりがとても楽になったのでその魅力を伝えよう。

ケーキづくりに欠かせない電動ハンドミキサー

 MK-H4は、収納時のサイズが8.5×20.5×18.5cm、重さが1.1kg。主なスペックは、定格時間が15分、消費電力が80W。速度切り替えは、3段階(650回転/分、820回転/分、950回転/分)となっている。収納ケースも付属する。2009年発売のロングセラー商品だ。
 
パナソニックの電動ハンドミキサー「MK-H4」。2009年発売のロングセラー商品

 スポンジケーキをつくるときは、大きな泡をつくらないようにするときめ細かい生地が出来上がる。ここで重要なのが、低速と高速の切り替えだ。高速で泡立てると短い時間で泡立てられるが、泡が大きくなる。そこで低速に切り替えると、大きな泡を落ち着かせてきめ細かく仕上げることができるからだ。

 材料の量にもよるが、筆者がいつも参考にしているレシピでは大体10~15分くらいで、速度を切り替えながら連続で電動ミキサーを動かす。定格時間が短いタイプだと、作業の途中で止まってしまうが、本機の15分は丁度いい長さだ。

 速度の切り替えが5段階まで細かく設定できるタイプもあるが、イベントのときにスポンジケーキをつくる程度の筆者にとっては、3段階の方が切り替えに迷うことなく使いやすい。
 
速度は高速、中速、低速の3段階の切り替え

長くて柔らかいコードもポイント

 材料をかくはんするビーターは、幅が広めで丸みのある形状。丸いボウルの中で作業をするとしっかりと食材にあたるため、よく混ぜられる。例えば、卵白2個を使ってメレンゲをつくると、大体2分程度で“ツノ”がぴんと立つ状態になる。
 
丸みをおびた形状のビーターがしっかり混ぜる
 
左から、メレンゲづくりスタート、まぜはじめて1分、2分経過で混ぜるのをストップ
 
しっかりしたメレンゲの出来上がり

 コード長は、1.9mと長めなので、コンセントから離れた場所でも作業がしやすい。また、コードが細くて柔らかいので取り回しがしやすく、混ぜる作業がはかどる。ビーターをつけたまま立てておけるところも、作業工程が多いお菓子づくりでは助かるポイントだろう。

 なお、本体の重さ1.1kgというと少し重そうに感じるが、開口部が広いハンドルでしっかりと本体を握れるため安定して持ちやすい。

ビーターはワンタッチで取り外せる

 ハンドミキサーを使っていて苦痛なのが終了後のお手入れだ。ビーターを外すときに手が汚れたり、ビーターの真ん中の支柱が邪魔になり洗いにくいといった不満がある。その点、MK-H4はワンタッチでビーターを取り外せるため手を汚さずに済む。さらに、真ん中に支柱がないため洗いやすい。
 
左から、ビーターに支柱がないため、とても洗いやすい。ボタンを押すだけでビーターが取り外せる

 お菓子づくりのときは、余分な水分や油分があると卵やクリームがうまく泡立たないため、お手入れのしやすさは重要なポイントとなる。使い終わったら収納ケースにコードとビーターを入れる。コンパクトなのでカップボードなどにスッキリと収納できるのもうれしい。

ビーターのみの購入も可能

 さらに個人的に気に入っているのが、ビーターだけを別で購入できる点だ。最初から予備のビーターを用意しておけば、途中で洗わなくてもビーターをつけかえればすぐに次の作業に移れるから楽になるのだ。例えばケーキづくりなら、卵白と卵黄を別々に混ぜるときなどに便利だ。
 
ふわふわっと溶けるような食感のスフレオムレツも手軽につくれる

 メレンゲを簡単につくれるようになると、スフレオムレツやスフレパンケーキといったふわふわの卵を使った料理も楽しめるなどバリエーションも広がる。

 電動ハンドミキサーの売り場に行くと、1000円台から1万円を超える商品まで幅広くあって迷ってしまうことだろう。MK-H4は実勢価格5000円前後なので、丁度、真ん中くらい。何をつくるか、どれくらいの頻度で使うかにもよるが、お手入れのしやすさと使い勝手のバランスのよい1台だと思う。(家電ライター伊森ちづる)