近年、高機能な炊飯器は10万円を超える高価格帯が一般的になってきている。パナソニックの「スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器 Wおどり炊き SR-VSX100」もそんな高級炊飯器の一つで、実売価格は10万円前後と、同社の炊飯器のなかでも最上位モデルだ。
高機能モデルの多くは炊飯窯、炊飯工程にこだわりつくしたものが多く、SR-VSX100においては58の銘柄に合わせた炊き分けに対応している。そんな究極の炊飯器を2週間使用して筆者が感じたおすすめのポイントを紹介しよう。
かまどでごはんを炊くときの火加減として、「はじめチョロチョロ、中パッパ、赤子泣いてもフタ取るな」という歌があるが、これを炊飯器で実現しているのもSR-VSX100の特徴。「はじめチョロチョロ」の部分は、浸水いらずな「旨み熟成浸水」が、「中パッパ」は「鮮度センシング」と「Wおどり炊き」によって実現している。
「Wおどり炊き」は、「大火力おどり炊き」と「可変圧力おどり炊き」の二つを指すもの。前者は二つのIHコイルの通電を高速で切替、強力な泡の熱対流を生み出してごはんを大きくふっくらさせる。それに対し、後者は圧力を加えて高温化させ、減圧するときに激しい対流を起こして、ごはんの甘みやモチモチ感を引き出す。
そして最後に追い焚きと蒸らし。220℃の高温スチームを噴射することで、最後までじっくり加熱を行う。これらの仕組みによって、SR-VSX100は究極の白飯を炊き上げるのだ。
コシヒカリは本来、粘りと甘みがあるやや柔らかめの銘柄。この炊飯器で炊いたごはんは表面がつやつやで、口に入れたときの粒立ちの良さがこれまで食べていたものとはまったく違っていたのだ。柔らかめとはいえ、しっかりハリがあり、ごはんだけで食べていても飽きないようなおいしさがあった。
ごはんの味をしっかり感じるために、あえて冷ました状態のものも食べてみたが、冷ましても表面のハリとツヤが失われることはなかった。また、硬さもほとんど感じない。これなら炊きたてだけでなく、お弁当に詰めた冷えたごはんであってもおいしく食べられそうだ。
続いて炊いてみたのが、埼玉県の「彩のきずな」という銘柄米だ。こちらは滑らかな口当たりとお米の旨みが特徴なのだが、コシヒカリと比較すると、甘みや粘りはやや少ない印象を受けた。ごはん単体で食べるというよりは、おかずと合わせて食べるのに良さそうだ。
こうした味の違いがはっきりわかるのが、炊き分け機能の面白いところ。ちなみにこの機能は18道県の米どころが認めており、北海道の「ゆめぴりか」、秋田県の「あきたこまち」、山形県の「つや姫」、新潟県の「新之助」などさまざまな銘柄のお墨付きとなっている。
これは「炊き込みごはんコース」で炊飯する際に、従来よりも長時間浸漬させていることと、火力を強めて沸騰を維持することで、ほぐれやすさと味の染み込みやすさを実現しているそうだ。
筆者は平日の夜にごはんを炊き、夕食の残りは小分けにして冷凍するのだが、休日は昼食分&夕食分としてごはんを炊く。その場合、冷凍するのが面倒なので炊飯器に入れたまま6時間ほど放置するのだが、どうしても夜食べるごはんは炊きたてのおいしさよりも劣っていた。
しかし、SR-VSX100には保温開始から6時間・12時間後に自動的にスチームを投入する「スチーム保温」や、ごはんをスチームで温める「スチーム再加熱」の機能があるので、時間が経っても劣化しづらい。筆者のように食べた後のごはんをすぐの冷凍するのが面倒くさい人でも、満足な仕上がりのごはんがいつでも食べられる。
SR-VSX100を使ってみて、正直、不満な部分はほとんどなかった。58銘柄あればおそらく多くの人が普段食べている銘柄が該当するだろう。また、操作はボタンやタッチパネルを押すだけなので、スムーズに行える。10万円という価格には怯むものの、「自宅で毎日おいしいごはんを手軽に楽しみたい人」にとっては、安い買い物かもしれない。これまで「高い」というだけでハイエンドモデルを敬遠していた人も、SR-VSX100はぜひ購入の選択肢に入れてほしい。(TEKIKAKU・今西絢美)
高機能モデルの多くは炊飯窯、炊飯工程にこだわりつくしたものが多く、SR-VSX100においては58の銘柄に合わせた炊き分けに対応している。そんな究極の炊飯器を2週間使用して筆者が感じたおすすめのポイントを紹介しよう。
おいしさの秘密は“はじめチョロチョロ、中パッパ”
SR-VSX100は、お米の味わいを引き出すためにパナソニック独自の三つの炊飯技術を採用している。まずは「鮮度センシング」。これはお米の鮮度を圧力センサーで検知して、鮮度にあわせた炊き方を自動で調整するという機能だ。これによって、精米から時間が経って乾燥したお米も、新米のようなハリと甘みのあるごはんに炊き上げる。かまどでごはんを炊くときの火加減として、「はじめチョロチョロ、中パッパ、赤子泣いてもフタ取るな」という歌があるが、これを炊飯器で実現しているのもSR-VSX100の特徴。「はじめチョロチョロ」の部分は、浸水いらずな「旨み熟成浸水」が、「中パッパ」は「鮮度センシング」と「Wおどり炊き」によって実現している。
「Wおどり炊き」は、「大火力おどり炊き」と「可変圧力おどり炊き」の二つを指すもの。前者は二つのIHコイルの通電を高速で切替、強力な泡の熱対流を生み出してごはんを大きくふっくらさせる。それに対し、後者は圧力を加えて高温化させ、減圧するときに激しい対流を起こして、ごはんの甘みやモチモチ感を引き出す。
そして最後に追い焚きと蒸らし。220℃の高温スチームを噴射することで、最後までじっくり加熱を行う。これらの仕組みによって、SR-VSX100は究極の白飯を炊き上げるのだ。
銘柄による味や食感の違いがはっきりわかる
SR-VSX100には58の銘柄米の炊き分け機能が搭載されている。これはお米によって味や食感を科学的に分析し、それぞれの個性に合わせた炊き方をする機能だ。まずは「コシヒカリ」を炊いてみた。コシヒカリは本来、粘りと甘みがあるやや柔らかめの銘柄。この炊飯器で炊いたごはんは表面がつやつやで、口に入れたときの粒立ちの良さがこれまで食べていたものとはまったく違っていたのだ。柔らかめとはいえ、しっかりハリがあり、ごはんだけで食べていても飽きないようなおいしさがあった。
ごはんの味をしっかり感じるために、あえて冷ました状態のものも食べてみたが、冷ましても表面のハリとツヤが失われることはなかった。また、硬さもほとんど感じない。これなら炊きたてだけでなく、お弁当に詰めた冷えたごはんであってもおいしく食べられそうだ。
続いて炊いてみたのが、埼玉県の「彩のきずな」という銘柄米だ。こちらは滑らかな口当たりとお米の旨みが特徴なのだが、コシヒカリと比較すると、甘みや粘りはやや少ない印象を受けた。ごはん単体で食べるというよりは、おかずと合わせて食べるのに良さそうだ。
こうした味の違いがはっきりわかるのが、炊き分け機能の面白いところ。ちなみにこの機能は18道県の米どころが認めており、北海道の「ゆめぴりか」、秋田県の「あきたこまち」、山形県の「つや姫」、新潟県の「新之助」などさまざまな銘柄のお墨付きとなっている。
炊き込みごはんの炊飯や保温機能にも満足
2週間のレビューのなかで炊き込みごはんも作ってみた。通常、炊飯器で炊き込みごはんを作ると、少しベタッとしてしまうイメージがあったが、SR-VSX100ではほぐれの良い釜めし風のごはんに仕上がった。これは「炊き込みごはんコース」で炊飯する際に、従来よりも長時間浸漬させていることと、火力を強めて沸騰を維持することで、ほぐれやすさと味の染み込みやすさを実現しているそうだ。
筆者は平日の夜にごはんを炊き、夕食の残りは小分けにして冷凍するのだが、休日は昼食分&夕食分としてごはんを炊く。その場合、冷凍するのが面倒なので炊飯器に入れたまま6時間ほど放置するのだが、どうしても夜食べるごはんは炊きたてのおいしさよりも劣っていた。
しかし、SR-VSX100には保温開始から6時間・12時間後に自動的にスチームを投入する「スチーム保温」や、ごはんをスチームで温める「スチーム再加熱」の機能があるので、時間が経っても劣化しづらい。筆者のように食べた後のごはんをすぐの冷凍するのが面倒くさい人でも、満足な仕上がりのごはんがいつでも食べられる。
SR-VSX100を使ってみて、正直、不満な部分はほとんどなかった。58銘柄あればおそらく多くの人が普段食べている銘柄が該当するだろう。また、操作はボタンやタッチパネルを押すだけなので、スムーズに行える。10万円という価格には怯むものの、「自宅で毎日おいしいごはんを手軽に楽しみたい人」にとっては、安い買い物かもしれない。これまで「高い」というだけでハイエンドモデルを敬遠していた人も、SR-VSX100はぜひ購入の選択肢に入れてほしい。(TEKIKAKU・今西絢美)
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