キーボードを刷新した13.3インチMacBook Pro、テレワーク活用術を掘り下げる

レビュー

2020/06/13 17:30

 アップルが5月にキーボードを新しいシザー構造のMagic Keyboardに変更し、標準構成モデルのSSDストレージが前世代モデルの2倍になった13.3インチの「MacBook Pro」を発売した。コロナ渦の後のテレワーク活用に注目が集まるいま、ビジネスの生産性を高めるために新しいMacBook Proを上手に活用する方法を考察した。

13.3インチのRetinaディスプレイを搭載するMacBook Proが
5月に最新モデルへアップデートされた

すべてのMacBookに搭載されたMagic Keyboard タイピング感を試す

 アップルのノートPCは現在、MacBook ProとMacBook Airの二つのシリーズに大別される。MacBook Proはパフォーマンス重視の上位モデル。MacBook Airは薄さと軽さ、そして内蔵バッテリーによる長時間駆動も含むポータビリティが大きな特徴だ。MacBook Proには16インチの大画面モデルもある。

 13.3インチのRetinaディスプレイを搭載するMacBook ProとMacBook Airは、画面の解像度とTrue Toneテクノロジーを採用する点も共通している。MacBook Proが優位な点はDCI-P3の規格に準拠する色再現性能を備えることと、画面輝度が100nitsほど高いことだ。プロからYouTuberまで幅広い層の映像クリエイターがポータブルなワークステーションとしてMacBook Proに信頼を寄せる理由はディスプレイの再現性能の高さにもある。

 13.3インチのMacBook Proの重量は約1.4kg、筐体の高さも約1.56cmとMacBook Airに劣らず薄く・軽い。そのためビジネスパーソンや学生の中にもパフォーマンスに優れるMacBook Proを選ぶユーザーも多くいる。新しいMacBook Proが搭載するシザー構造のMagic Keyboardは、2019年11月に発売された16インチのMacBook ProのMagic Keyboardとコンセプトや設計は同じだ。

 キーストロークの深さは約1mm。一新されたキーキャップの裏側にシザー構造のロック機構を備えたことで安定したタイピング感が得られる。キーの裏側にはさらにアップルがデザインしたラバードームを搭載する。このパーツがクッションとして機能しながらタイピングの力を効率よく伝えることで、スムーズな文字入力を可能にしている。

 実機を試してみると、やはりタイピング感は期待していた通りに心地よい。そして何より静かだ。カフェやシェアオフィスなど、静かに作業しなければならない共有スペースでテレワークに打ち込む際にも、タイピング音は控えめに抑えてマナーを守りながら静かに仕事に集中できそうだ。
 
新しいMacBook ProのMagic Keyboard。
約1mmのキーストロークを備えた安定感のあるシザー構造のキーボードになっている
 
筆者が使っているMacBook Air Retina 13インチ2019年モデルの
バタフライ構造のキーボードに比べると違いがよくわかる


 13.3インチのMacBook Proは全モデルがファンクションキーの代わりにOLED表示のTouch Barをインターフェースに備えている。指紋認証機能を搭載する電源ボタンを兼ねたTouch IDキーは独立配置として、キーに高さを付けたことで誤操作が減らせそうだ。
 
MacBook ProにはOLED表示のTouch Barが搭載されている。

 ノートPCにとって一体のキーボードはディスプレイやトラックパッド以上に、使い心地を左右する重要なツールである。キーボードのタイピング感や細かなレイアウトは人それぞれに好みが分かれる部分であることは承知の上で、MacBookシリーズの全モデルに新しいMagic Keyboardが搭載されたことで選ぶユーザーがまた増えるように思う。

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