エントリーモデルと比べ6倍の価格の実力とは
機能的には申し分ないが、デメリットは価格だ。7万1500円という価格はエントリーモデルであるエッセンサミニの約6倍で、そこまでの違いがあるのかは一考の余地がある。そこで、実際にエッセンサミニ(C30-WH)と味に違いが出てくるか、などを検証してみた。まず、ある程度条件を揃えるために、カプセルを入れない状態での水量を同じにした。カプセルはChiaro(キアロ:生産国ケニア、インドネシア)というものを使い、何杯か抽出して比較してみた。
特に違いを感じたのは酸味で、エッセンサミニの方が“嫌な”酸味が出てしまっている印象。スペック上では同じ19気圧となっているが、抽出してみるとエッセンサミニの量はやや少なかった。このあたりも影響しているのか、クレアティスタ・プラスで抽出した方は時間をおいて冷めた状態で飲んでも輪郭がはっきりしていた。「酸味や苦味、風味が同時にくる」という感覚だ。
対してエッセンサミニで抽出した方は最初に酸味が感じられ、おさまると苦味…というように順番にくる印象。同時に味わえないと“コーヒーの味”として捉えづらく、輪郭がぼやけているという風に感じた。もちろん筆者はバリスタではないので専門的なことはわからないし、あくまで素人の感想だが違いははっきりわかった。
エスプレッソだけでなくルンゴやカフェラテも淹れてみたが、やはり量はエッセンサミニの方が少ない。味の違いは水量が多いルンゴの方がわかりやすく、カフェラテになるとさらにはっきりとした違いが感じられた。
抽出したコーヒーの味だけでいうと、正直6倍という価格差を埋める違いは感じられなかった。しかし、ミルクメニューがここまで手軽に淹れられるマシンが他にない点など、総合的な完成度でみれば購入を一考する価値はあるのではないだろうか。
筆者は2年間使い続けているが、毎日の仕事に欠かせないものになっているし手入れを面倒に感じたこともない。コーヒー愛飲者なら、良いコーヒーは仕事にもプラスになると容易に想像できるだろう。その意味で投資するのは賢い選択肢といえるかもしれない。
余談だが、今回紹介したブラックコーヒーはあくまでエスプレッソをベースにしたものだ。30ml前後で抽出するエスプレッソを、2倍くらいの時間をかけて作るのがルンゴで、厳密にいうと豆から淹れるブラックコーヒーとは別物になる。
そこで、通常のコーヒーが好きな方には、焙煎機能付き全自動コーヒーメーカーをおすすめしたい。筆者も知人宅で体験させてもらったが、焙煎したてのコーヒーは格別だったし、焙煎中の香りも楽しめる。クレアティスタ・プラス以上に高価な代物だが、興味のある方は調べてみてほしい。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で1歳半の娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
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