通勤にも使える“パパチャリ”はどこまで進化できるのか
【木村ヒデノリのTech Magic #003】 こんな自転車があったら送り迎えをしたいお父さんが増えるかもしれない。日本人の自転車の活用法は欧米に近づいているが、チャイルドシート付き自転車はいまだ”ママチャリ”のイメージが根強い。一方、海外ではチャイルドシート付きロードバイクやMTBで子供と外出したり、ジョギング用ベビーカーで子供とともに走ったりするなど、ライフスタイルは大事にしながら子育てにも邁進するという潮流もある。
もちろん子供の安全が第一ではあるが、自分らしいスタイルを保ちながら両親ともに育児にコミットするという選択肢も現実味を帯びてきている。リモートワークなど父親も家にいることが多くなりそうな今後は、走りも育児も楽しめて実用的な”パパチャリ”があっても良いのではないだろうか。
大手メーカーはジャンルが確立される前からさまざまな試験と改良を重ねており、送り出す製品は抜群の安全性・機能性を提供してくれる。しかしユーザーの大半を女性と想定しているため、男性が自分の自転車として選ぶには少し物足りないかもしれない(もちろん女性でも物足りない方もおられるだろうが…)。そこで今回は「子供と一緒に快適に移動できて愛着も持てる自転車」という目的を念頭に理想の自転車を作ってみたらどうなるかを検証してみた。
検討を重ねた結果、前回記事(40万円超えの電動自転車がもたらす感動の移動体験! VanMoofのEバイク「Electrified X2」の魅力=https://www.bcnretail.com/news/detail/20200420_168626.html ※現在は新モデルがよりリーズナブルな価格で販売中)で紹介させてもらったVanMoof製電動自転車の性能が抜群で、これをベースにすることにした。
筆者は子供が1歳半のため、まずはフロントに乗せる方が安心と考えたが、9ヶ月~6歳/最大22kgまで対応するリアシート「RideAlong」も存在する。どちらもほとんどのサイクルフレームに適合するユニバーサル仕様で設置も簡単。自転車のフレームに取り付ける仕様のため、耐荷重が20kg以上のリアキャリアが取り付けられないスポーツ型バイクにも問題なく取り付けられるのも画期的だ。
さらに空気圧系などを常時入れておく予備のスペースとしてサドルバッグもつけたことで約46Lと十分な積載量を実現できた。将来的にリアシートも付けたとしても下部のキャリア部分は利用できるため、パニアは問題なく利用できる。サドルバッグを除いても36Lの容量があれば問題ないだろう。
完成度の高い電動自転車の走行性能で楽に移動でき、送り迎えや子供を連れての買い物でも威力を発揮する。子供や荷物を乗せてもパワフルに進んでくれるのはElectrified X2ならではの利点だろう。これなら通勤用に男性も利用しやすいし、自分のライフスタイルと育児を両立できるのではないだろうか。
今回の検証で子供乗せ自転車にも楽しさを求められる可能性が垣間見えた。日本製品は簡単に安心と安全を買うことができるが、選択肢を狭めてしまう場合もある。自分で責任を持つための知識は必須だが、一歩踏み出すと製品を「楽しむ」ところまで昇華できるなら挑戦してみるのもいいかもしれない。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
2002~2004年の2年間で米国ボストン、バークリー音楽大学映画音楽科で学位を取得後、23歳で現在の会社の前身となるWebデザインの会社を起業。2008年からグラフィック、フォトグラフィー、映像制作などへも範囲を拡大、2014年からマーケティングも含めた統合的なブランディング事業を開始。普段から様々な最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で1歳半の娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
Twitter:https://twitter.com/hidenorikimura/
ライフハックや最新ガジェット、リノベのアイデアを配信中
YouTube:https://www.youtube.com/rekimuras
動画ではライフハック系コンテンツのほか趣味のキャンプや毎日の料理なども紹介。
もちろん子供の安全が第一ではあるが、自分らしいスタイルを保ちながら両親ともに育児にコミットするという選択肢も現実味を帯びてきている。リモートワークなど父親も家にいることが多くなりそうな今後は、走りも育児も楽しめて実用的な”パパチャリ”があっても良いのではないだろうか。
理想のオリジナル子供乗せ自転車を検証
日本では「子供乗せ自転車」というジャンルが確立されており、チャイルドシート単体での購入は少なくなっている。ブリヂストン、ヤマハ、パナソニックが3強とされ、cyma(サイマ)など独自ブランドを構えて価格で対抗するサービスが追随する構図だ。大手メーカーはジャンルが確立される前からさまざまな試験と改良を重ねており、送り出す製品は抜群の安全性・機能性を提供してくれる。しかしユーザーの大半を女性と想定しているため、男性が自分の自転車として選ぶには少し物足りないかもしれない(もちろん女性でも物足りない方もおられるだろうが…)。そこで今回は「子供と一緒に快適に移動できて愛着も持てる自転車」という目的を念頭に理想の自転車を作ってみたらどうなるかを検証してみた。
走行性を求めるならやはり電動自転車
まず考えたのが快適さだ。ロードバイク愛好家には怒られそうだが、子供を乗せて快適に移動するには電動自転車であることが必須と判断した。どの電動自転車を使うかは悩ましいところだが、走りを追求しすぎると安全性に疑問が出てくる。検討を重ねた結果、前回記事(40万円超えの電動自転車がもたらす感動の移動体験! VanMoofのEバイク「Electrified X2」の魅力=https://www.bcnretail.com/news/detail/20200420_168626.html ※現在は新モデルがよりリーズナブルな価格で販売中)で紹介させてもらったVanMoof製電動自転車の性能が抜群で、これをベースにすることにした。
後付けできるものが限られる国産のチャイルドシート
自転車は決まったが、そもそも装着できるチャイルドシートはあるのか。リサーチすると国内での単体チャイルドシートは選択肢が少なく、後付けできるかの情報も乏しい。それならと海外製まで範囲を広げ、最終的にTHULE(スーリー)社の「RideAlong Mini」に落ち着いた。RideAlong Miniは20.0mm~28.6mmまで多くのハンドルステムに対応し、15kgまでの子供を乗せられる。筆者は子供が1歳半のため、まずはフロントに乗せる方が安心と考えたが、9ヶ月~6歳/最大22kgまで対応するリアシート「RideAlong」も存在する。どちらもほとんどのサイクルフレームに適合するユニバーサル仕様で設置も簡単。自転車のフレームに取り付ける仕様のため、耐荷重が20kg以上のリアキャリアが取り付けられないスポーツ型バイクにも問題なく取り付けられるのも画期的だ。
パニアバッグで自転車にも十分な積載量を
子供乗せ自転車としてもう一つこだわったのがバッグなどの積載用品だ。スーパーでのまとめ買いを想定するとどうしても車に軍配が上がってしまう。そこで、ある程度の容量を積載でき、かつマイバッグとしても利用できる「パニアバッグ」を選択した。VanMoofのリアキャリアは16mmチューブなので、大半のパニアが使える。この純正品以外にも各社から出ているので、自分好みのものを選ぶのもいいだろう。さらに空気圧系などを常時入れておく予備のスペースとしてサドルバッグもつけたことで約46Lと十分な積載量を実現できた。将来的にリアシートも付けたとしても下部のキャリア部分は利用できるため、パニアは問題なく利用できる。サドルバッグを除いても36Lの容量があれば問題ないだろう。
デザイン性も兼ね備えた理想的な子供乗せ自転車が完成
最後にミラーの設置、ハンドルバー、ペダルの交換などをおこなって完成した”パパチャリ”がこちら。完成度の高い電動自転車の走行性能で楽に移動でき、送り迎えや子供を連れての買い物でも威力を発揮する。子供や荷物を乗せてもパワフルに進んでくれるのはElectrified X2ならではの利点だろう。これなら通勤用に男性も利用しやすいし、自分のライフスタイルと育児を両立できるのではないだろうか。
今回の検証で子供乗せ自転車にも楽しさを求められる可能性が垣間見えた。日本製品は簡単に安心と安全を買うことができるが、選択肢を狭めてしまう場合もある。自分で責任を持つための知識は必須だが、一歩踏み出すと製品を「楽しむ」ところまで昇華できるなら挑戦してみるのもいいかもしれない。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
2002~2004年の2年間で米国ボストン、バークリー音楽大学映画音楽科で学位を取得後、23歳で現在の会社の前身となるWebデザインの会社を起業。2008年からグラフィック、フォトグラフィー、映像制作などへも範囲を拡大、2014年からマーケティングも含めた統合的なブランディング事業を開始。普段から様々な最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で1歳半の娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
Twitter:https://twitter.com/hidenorikimura/
ライフハックや最新ガジェット、リノベのアイデアを配信中
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動画ではライフハック系コンテンツのほか趣味のキャンプや毎日の料理なども紹介。