2019年末に中国の大手スマートフォン(スマホ)メーカーであるシャオミ(小米、Xiaomi)が満を持して日本に上陸した。第一弾として、コスパの高さが光るスマホ「Mi Note 10」を発表したが、投入した製品はスマホだけではない。今回、その意外なラインアップの中から「MI IH炊飯器」を借りることができたので発売に先駆け、炊き立てごはんを味わってみた。
MI IH炊飯器は、5.5合炊きのIH炊飯器で、独自の誘導加熱技術と3mmの頑丈な内釜を採用し、均一な熱伝導ができることを売りとする。また、テック企業のシャオミ製らしくスマホ連携機能を搭載しているのも特徴だ。専用アプリによる遠隔操作に対応し、帰宅時間に合わせて運転を開始したり、味の好みを登録したりすることができる。
まず、注目したいのが無駄をそぎ落としたスタイリッシュなデザインだ。インターフェースは上部に集約されており、スイッチが開始、予約、選択/取消の三つのみ。本体と一体化したパネルに状態が表示され、出っ張っている箇所はない。側面の開閉ボタンには、シャオミのロゴが記され、アクセントになっている。強いてあげるなら、パネルの表示が薄くてやや見えづらいのが気になったが、高級機にも負けない洗練された佇まいがある。
すり鉢状の内釜は、前述した通り、しっかりと厚みがある頑丈な設計でアルミにフッ素樹脂を焼き付けたノンスティック加工を施している。釜の中には、白米・玄米・おかゆの3種類の目盛りがある。MI IH炊飯器は専用の蒸し器を同梱している。
実際に使用する前に済ませておきたいのがセットアップだ。MI IH炊飯器は、スマホアプリ「Mi Home」と連携するので、Wi-Fiを連携させる必要がある。このあたりは、従来の炊飯器と大きく異なる点だ。
Mi Homeでは、炊飯器だけでなく、シャオミ製のさまざまなIoTデバイスとリンクさせて操作することができる。まだ日本市場で購入できるデバイスは限られているが、これから数が増えていくことを期待したい。
アプリでMI IH炊飯器を選択すると、炊飯・早炊き・お粥・再加熱のアイコンがあり、そこから炊飯の開始や予約をコントロールできる。本体でも同じ操作は可能だが、スマホからの方が細かい設定はしやすい。日常的に利用するならスマホでの操作がメインになってくるだろう。
セットアップが完了したら、いよいよ本番。炊飯を開始する。今回は、新潟米の「新之助 しんのすけ」を3合使った。粒が大きくコクと甘みが強いブランドだが、果たしてどのような味に仕上げてくれるのか。せっかくなので、野菜を入れた蒸し器もセットして通常の炊飯モード(60分)で同時に調理を開始した。
調理中は、アプリで残り時間や現在の炊飯状況(予熱中、吸水中、炊き上げ中など)が確認できる。特に、ここで何かの操作ができるわけではないが、可視化されるとIoT家電らしさが増す。炊飯が完了すると炊き上がり時間とともにアプリに通知される仕様になっている。
蒸し上がった野菜と炊き上がった米をみていく。まず、野菜は同時調理したのが良くなかったのか、少し蒸されすぎてしまった印象だ。説明書には蒸しの工程に関する記載はなかったが、アプリには「炊飯」と別に「蒸す/煮込み」というモードがあるので別に調理した方がいいかもしれない。
次に米。ところどころに蒸し器の隙間から漏れた野菜が乗っているが、見た目にも粒感はしっかりと残っているのが分かる。かき混ぜると内釜に接した部分におこげが付いていた。
炊飯器に盛り、実食。一口めの感想は、意外にも(といったら失礼かもしれないが)ちゃんと炊けているというものだった。見た目通り、粒感もしっかりしているし、米の風味も感じられた。食べ進めていくと、みずみずしさやコクや甘みに物足りない気がしてきた。また、若干の炊きムラもあった。とはいえ、これはあくまで高級炊飯器と比較した場合の感想なので、1万円の炊飯器としては十分に合格ラインといえるだろう。
発売前につき、今回の実食では1度の炊飯しかできなかったが、アプリで炊き方をカスタマイズしたり、煮込みを試したり、できることは多そうだ。使い込むことで個人にカスタマイズされていくのは、まさにIoT家電ならではの魅力といえるだろう。少しサイズは大きめだが、コスパの良さを考慮すれば、単身用の家電としての実用性も高いだろう。(BCN・大蔵大輔)
MI IH炊飯器は、5.5合炊きのIH炊飯器で、独自の誘導加熱技術と3mmの頑丈な内釜を採用し、均一な熱伝導ができることを売りとする。また、テック企業のシャオミ製らしくスマホ連携機能を搭載しているのも特徴だ。専用アプリによる遠隔操作に対応し、帰宅時間に合わせて運転を開始したり、味の好みを登録したりすることができる。
まず、注目したいのが無駄をそぎ落としたスタイリッシュなデザインだ。インターフェースは上部に集約されており、スイッチが開始、予約、選択/取消の三つのみ。本体と一体化したパネルに状態が表示され、出っ張っている箇所はない。側面の開閉ボタンには、シャオミのロゴが記され、アクセントになっている。強いてあげるなら、パネルの表示が薄くてやや見えづらいのが気になったが、高級機にも負けない洗練された佇まいがある。
すり鉢状の内釜は、前述した通り、しっかりと厚みがある頑丈な設計でアルミにフッ素樹脂を焼き付けたノンスティック加工を施している。釜の中には、白米・玄米・おかゆの3種類の目盛りがある。MI IH炊飯器は専用の蒸し器を同梱している。
実際に使用する前に済ませておきたいのがセットアップだ。MI IH炊飯器は、スマホアプリ「Mi Home」と連携するので、Wi-Fiを連携させる必要がある。このあたりは、従来の炊飯器と大きく異なる点だ。
Mi Homeでは、炊飯器だけでなく、シャオミ製のさまざまなIoTデバイスとリンクさせて操作することができる。まだ日本市場で購入できるデバイスは限られているが、これから数が増えていくことを期待したい。
アプリでMI IH炊飯器を選択すると、炊飯・早炊き・お粥・再加熱のアイコンがあり、そこから炊飯の開始や予約をコントロールできる。本体でも同じ操作は可能だが、スマホからの方が細かい設定はしやすい。日常的に利用するならスマホでの操作がメインになってくるだろう。
セットアップが完了したら、いよいよ本番。炊飯を開始する。今回は、新潟米の「新之助 しんのすけ」を3合使った。粒が大きくコクと甘みが強いブランドだが、果たしてどのような味に仕上げてくれるのか。せっかくなので、野菜を入れた蒸し器もセットして通常の炊飯モード(60分)で同時に調理を開始した。
調理中は、アプリで残り時間や現在の炊飯状況(予熱中、吸水中、炊き上げ中など)が確認できる。特に、ここで何かの操作ができるわけではないが、可視化されるとIoT家電らしさが増す。炊飯が完了すると炊き上がり時間とともにアプリに通知される仕様になっている。
蒸し上がった野菜と炊き上がった米をみていく。まず、野菜は同時調理したのが良くなかったのか、少し蒸されすぎてしまった印象だ。説明書には蒸しの工程に関する記載はなかったが、アプリには「炊飯」と別に「蒸す/煮込み」というモードがあるので別に調理した方がいいかもしれない。
次に米。ところどころに蒸し器の隙間から漏れた野菜が乗っているが、見た目にも粒感はしっかりと残っているのが分かる。かき混ぜると内釜に接した部分におこげが付いていた。
炊飯器に盛り、実食。一口めの感想は、意外にも(といったら失礼かもしれないが)ちゃんと炊けているというものだった。見た目通り、粒感もしっかりしているし、米の風味も感じられた。食べ進めていくと、みずみずしさやコクや甘みに物足りない気がしてきた。また、若干の炊きムラもあった。とはいえ、これはあくまで高級炊飯器と比較した場合の感想なので、1万円の炊飯器としては十分に合格ラインといえるだろう。
発売前につき、今回の実食では1度の炊飯しかできなかったが、アプリで炊き方をカスタマイズしたり、煮込みを試したり、できることは多そうだ。使い込むことで個人にカスタマイズされていくのは、まさにIoT家電ならではの魅力といえるだろう。少しサイズは大きめだが、コスパの良さを考慮すれば、単身用の家電としての実用性も高いだろう。(BCN・大蔵大輔)