充電旅ガラス必携、USB充電ポートつき小型電源タップは仕様違いに注意

レビュー

2020/01/26 18:40

 取材で出張に出かける際、30年ほど前と比べて、格段に増えた荷物が電子デバイスだ。スマートフォン(スマホ)はもとより、タブレット、ノートPC、デジカメ、ICレコーダーなどなど。通電モノだらけになると、困るのが充電。多くのホテルでは、部屋のコンセントが少ない。カメラ用の充電器とニッケル水素電池の充電器を同時に使いつつ、USBポートからも充電するような場合は大変だ。充電用のUSBポート付きテーブルタップは持っていくのだが、コードが邪魔。なかなかキュッと小さくまとまらない。すっきり充電関係をまとめられないものか。

従来型のUSB充電ポートつき電源タップ(左)と新型。従来型はコードがどうしても邪魔になるが、
新型はACコードとプラグを本体にはめ込んで格納できる

 そこで見つけたのが、ACコンセントが3個口あって、USBを4ポート備える、長方形で手のひらサイズの充電器だ。USBポートの多さに加え、ACコンセントが表に2個口、裏1個口という構造になっていて、大きめのACアダプタなどをつないでも干渉を避けられる。ボディにACコードを巻き付けて持ち歩ける工夫もポイントが高い。コンパクトにキュッとまとまった状態で持ち歩けて便利だ。最近、同じ形状の製品をあちこちで見かけるようになったが、細かなところで仕様が異なる製品が流通している。どれも同じと思って買うと後悔することになる。
 
ほぼ同じような形状の3製品だが、よく見ると形も仕様も微妙に異なっている。左からEwinの「USB AC Charger」(Quick Charge 3.0 100V)、Hameeの「humor AC & USB TAP」(Quick Charge 3.0 100~240V)、Ewinの「USB Power Tap」(USB PD 100V)。いずれにも裏面にもう一個口ACコンセントがある

 仕様バリエーションの一つが、USBでの充電時間が短くできる特別な1ポート。USB PD対応のものとQuick Charge 3.0対応のものがある。USB PD対応製品はポートがUSB TypeC、Quick Charge3.0対応のものはUSB TypeAになっている。外見上ですぐに見分けがつくので間違うことはないだろう。ただし、USB PDと広く出回っているQuick Charge3.0には互換性が乏しく、それぞれ充電できる対応機器に限りがある。手持ちの機器がどちらに対応したデバイスかを確認した上で選びたい。
 
充電用USBポート比較。左からEwinの「USB Power Tap」(USB PD 100V)、Ewinの「USB AC Charger」(Quick Charge 3.0 100V)

 最近の小型PCでは、USB PDでしか充電できないものがある。360度カメラ、リコーのシータは、Quick Charge 3.0ポートで充電できた。シータは、マニュアルに必ずPCのUSBポートから専用ケーブルで充電するよう書かれているだけに、充電できないUSB充電器が多い。もちろん公式には非対応だ。こうした利用による故障は保証外になるが、結果的には充電できた。
 
今回取り上げた3製品のうち、唯一海外電圧に対応するHameeの「humor AC & USB TAP」
(Quick Charge 3.0 100~240V)。裏面の仕様をしっかり確認する必要がある

 もう一点注意が必要なのが、電圧の海外対応。100~240V対応で海外でも使える製品と、100Vにしか対応せずほぼ日本でしか使えない製品がある。ネット通販で購入する際に、この点はとても分かりにくく、買って始めて気がつくこともある。海外での利用を考えているならこの点は必ずチェックしたい。

 新人記者に対する研修では「出張時に最も重要なのは充電」と教えるくらい「ホテルに着いたらまず充電」。一日中外で活動すると複数機器のバッテリが底をつくこともある。部屋に戻って一晩で複数機器を一気に充電、翌日に備えなればならない。そんな旅ガラスにUSB充電ポートつき小型電源タップは、必携のアイテムだ。(BCN・道越一郎)