アイ・オー・データ、クラウド型音声配信サービス「PlatCast」を正式運用

 アイ・オー・データ機器(アイ・オー・データ)は、独自に開発したクラウド型音声配信サービス「PlatCast」の正式運用を開始した。

アイ・オー・データ機器が提供を開始したクラウド型音声配信サービス「PlatCast」

 同社は、今まで主にスマートフォンやパソコンの周辺機器を開発し、顧客に“モノ”を通じて価値を提供してきたが、PlatCastは体験から生み出される価値を提供するサービス事業として本格的に展開する。

 PlatCastは、インターネット回線を利用する、音声に特化した配信サービス。配信側は音声データをアイ・オー・データの運営するクラウドサーバーへ送信し、聴取側はスマホの標準のブラウザから同サーバーにアクセスすることで、音声データを聴くことができる。来場者がサーバーにアクセスする際は、会場に掲出したQRコードなどを活用する。

 18年10月からプレサービスをスタートしており、プロスポーツでは、バレーボール、バスケットボール、サッカー、ラグビー、格闘技などの競技については音声実況を、医療学会では同時通訳など、いろいろな分野で実証試験を重ねてきた。

 とくにスポーツ実況では、テレビ放送の副音声のような位置づけとして、試合会場で視覚から入手しきれなかった情報を聴覚で補うことで、よりファンとそのスポーツとの距離を縮めることが可能であることから、ルールが複雑なスポーツ、馴染みの少ないスポーツからもファン獲得のためのサービスツールとして期待されている。

 現在のPlatCastは、聴取に3秒程度の遅延が発生するが、今年春には遅延時間をより短縮し、音声品質を向上した次期バージョンのリリースを予定している。同社では、この“配信”という体験を通じて、スポーツ界の継続的発展に貢献できるよう、今後もPlatCastの利便性の向上を目指し開発していく方針だ。