Google Nest Hub Maxは何が便利? 大画面ディスプレイとカメラがもたらす先進的なスマートスピーカー体験
Googleからスマートスピーカーと10インチのディスプレイを一体化したスマートディスプレイ「Google Nest Hub Max」が登場した。本体に内蔵するカメラを使ったジェスチャー操作の使い心地も含めてレポートしよう。
Google Nest Hub Max(以下:Nest Hub Max)は大きさが10インチ、解像度が1280×800画素のHDタッチディスプレイを搭載している。このディスプレイを支える筐体の内部には3インチのウーファー1基と、18mmのトゥイーターを2基載せた。これらのユニットを総合出力10Wのアンプでドライブする。内蔵マイクに話しかけて、音声コントロールで天気やニュースを聞いたり、YouTube MusicやSpotifyの音楽再生、YouTubeの動画視聴など様々な用途にも活用できる。
本体の奥行きサイズは約10.1cm。スピーカー部分はファブリック製のマテリアルで覆われたスタイリッシュなデザインとしているため、インテリアに違和感なく溶け込んでくれる。カラーバリエーションにはホワイト系のChalkとグレー系のCharcoalがある。質量は1.32kgと軽いので、家の中で置き場所を自由に選びながら使える。ただし本体への電源供給には付属のケーブルが必要だ。
7インチのNest Hubとの違いは画面のサイズ、内蔵するスピーカーシステムの仕様だけではない。本体のフロントパネルに6.5メガピクセルのカメラを内蔵している。ユーザーの顔を認識してパーソナライズされた情報を画面に表示したり、ビデオ通話やハンドジェスチャーによる操作も行える。
セットアップが完了すると、Nest Hub Maxに近づいた時に画面の右上端にユーザーが登録しているGoogleアカウントの画像がポップアップして、ユーザーの顔を認識したことを知らせてくれる。ここから音声操作などを使ってカレンダーの予定表示やビデオ通話をリクエストすると、ユーザーに合わせたリアクションを返してくれる。
内蔵カメラによるビデオ通話はNest Hub Maxのユーザー同士、またはGoogle Duoアプリを入れたスマホとの間で行える。Nest Hub Maxが内蔵するカメラが127度のワイドアングルをカバーしているため、本体の前で多少動き回っても自身がフレームアウトしない。さらにNest Hub Maxに向かって話しているユーザーの縦横表示位置を自動的にセンタリングしてくれるオートフレーミング機能も賢い。
外出先からNest Hub Maxを設置した自室の様子を確認したい時にも内蔵カメラが役立つ。同一のユーザーアカウントでログインしているGoogle Homeアプリにビューワーの画面が表示される。ただ一方では自宅で気を抜く様子は家族にものぞき見られたくない。その際には本体ディスプレイの背面にあるカメラ/マイクのスイッチをオフにすればカメラの起動を防げるので安心だ。
アラームやタイマーを止める操作にもクイックジェスチャーは対応する。レスポンスは上々だ。水に濡れた手でディスプレイに触れなくても操作できるので、クックパッドのレシピを確かめながら料理をしたり、キッチンでスマートディスプレイを活用する機会が増えた。
上下スワイプなどハンドジェスチャーのバリエーションはもっと増えてほしいと思う反面、覚えきれなくなると使いこなしも難しくなり、やがて遠ざかるようになることは避けたい。グーグルが今後この機能をどのように進化させていくのか、その指針にも注目したい。
Nest Hub Maxはスマートスピーカーとしての「音質」も充実している。キャビネットの容積をしっかりと確保したうえで計3基のスピーカーユニットを本体に内蔵する。力強い音の鳴りっぷりは伊達じゃない。
各帯域の音がバランス良くスムーズにつながる。低音の出足がスムーズで、響きも貫禄あふれる。音場が広く、ディティールの描き込みも鮮明。声の透明感も高いので、音楽コンテンツはボーカルをハイライトしたジャズやロック・ポップス系の楽曲によく合った。
動画コンテンツも話者の声がクリアに耳に届く。あえて低音を強調したり、反対に夜中は少し量感を抑えたい場合はGoogle Homeアプリのイコライザー機能でも調節できる。
フィリップスのHueシリーズなどわが家に設置したスマート照明器具はNest Hub Maxのダッシュボード画面をタッチして、操作結果を目で確認しながら操作できる。スマートディスプレイ専用のSDKである「Interactive Canvas」をベースに開発されたリッチなコンテンツがこれから増えることも期待したい。
Nestシリーズのスマートディスプレイは大小どちらを選ぶか悩ましいところだが、設置スペースと予算が許す限り、内蔵カメラによるクイックジェスチャーなど先進的なスマート体験が満喫できて、映像コンテンツもゆったり楽しめる10インチのNest Hub Maxをおすすめしたい。(フリーライター・山本敦)
10インチの大画面採用スマートディスプレイ
Googleアシスタントを内蔵するデバイスはスマホからスマートスピーカー、スマートテレビにポータブルオーディオまで多様化している。グーグル純正のスマートディスプレイは7インチの「Google Nest Hub」に続いて本機が第2弾。サードパーティーが商品化したGoogleアシスタント内蔵のスマートディスプレイ製品には、レノボが日本国内でも展開を始めた「Lenovo Smart Display M10」もある。Google Nest Hub Max(以下:Nest Hub Max)は大きさが10インチ、解像度が1280×800画素のHDタッチディスプレイを搭載している。このディスプレイを支える筐体の内部には3インチのウーファー1基と、18mmのトゥイーターを2基載せた。これらのユニットを総合出力10Wのアンプでドライブする。内蔵マイクに話しかけて、音声コントロールで天気やニュースを聞いたり、YouTube MusicやSpotifyの音楽再生、YouTubeの動画視聴など様々な用途にも活用できる。
本体の奥行きサイズは約10.1cm。スピーカー部分はファブリック製のマテリアルで覆われたスタイリッシュなデザインとしているため、インテリアに違和感なく溶け込んでくれる。カラーバリエーションにはホワイト系のChalkとグレー系のCharcoalがある。質量は1.32kgと軽いので、家の中で置き場所を自由に選びながら使える。ただし本体への電源供給には付属のケーブルが必要だ。
7インチのNest Hubとの違いは画面のサイズ、内蔵するスピーカーシステムの仕様だけではない。本体のフロントパネルに6.5メガピクセルのカメラを内蔵している。ユーザーの顔を認識してパーソナライズされた情報を画面に表示したり、ビデオ通話やハンドジェスチャーによる操作も行える。
ユーザーの顔情報を認識するカメラ。ビデオ通話も楽しめる
顔情報の登録は本体の初期設定時にGoogle Homeアプリをインストールしたスマホから行う。スマホのインカメラに向かって、顔を左右に1度ずつ振り向けるだけであっという間に登録が完了する。セットアップが完了すると、Nest Hub Maxに近づいた時に画面の右上端にユーザーが登録しているGoogleアカウントの画像がポップアップして、ユーザーの顔を認識したことを知らせてくれる。ここから音声操作などを使ってカレンダーの予定表示やビデオ通話をリクエストすると、ユーザーに合わせたリアクションを返してくれる。
内蔵カメラによるビデオ通話はNest Hub Maxのユーザー同士、またはGoogle Duoアプリを入れたスマホとの間で行える。Nest Hub Maxが内蔵するカメラが127度のワイドアングルをカバーしているため、本体の前で多少動き回っても自身がフレームアウトしない。さらにNest Hub Maxに向かって話しているユーザーの縦横表示位置を自動的にセンタリングしてくれるオートフレーミング機能も賢い。
外出先からNest Hub Maxを設置した自室の様子を確認したい時にも内蔵カメラが役立つ。同一のユーザーアカウントでログインしているGoogle Homeアプリにビューワーの画面が表示される。ただ一方では自宅で気を抜く様子は家族にものぞき見られたくない。その際には本体ディスプレイの背面にあるカメラ/マイクのスイッチをオフにすればカメラの起動を防げるので安心だ。
音声、画面タッチに続く「クイックジェスチャー」
クイックジェスチャーと呼ばれる、カメラを内蔵したNest Hub Maxならではのユーザーインターフェースはコツを覚えると便利に使える。本体のカメラに向かって手のひらをかざすと、音楽や動画コンテンツの再生・一時停止が行える。画面に触れたり、声をかけなくても操作できる感覚は新鮮だ。アラームやタイマーを止める操作にもクイックジェスチャーは対応する。レスポンスは上々だ。水に濡れた手でディスプレイに触れなくても操作できるので、クックパッドのレシピを確かめながら料理をしたり、キッチンでスマートディスプレイを活用する機会が増えた。
上下スワイプなどハンドジェスチャーのバリエーションはもっと増えてほしいと思う反面、覚えきれなくなると使いこなしも難しくなり、やがて遠ざかるようになることは避けたい。グーグルが今後この機能をどのように進化させていくのか、その指針にも注目したい。
Nest Hub Maxはスマートスピーカーとしての「音質」も充実している。キャビネットの容積をしっかりと確保したうえで計3基のスピーカーユニットを本体に内蔵する。力強い音の鳴りっぷりは伊達じゃない。
各帯域の音がバランス良くスムーズにつながる。低音の出足がスムーズで、響きも貫禄あふれる。音場が広く、ディティールの描き込みも鮮明。声の透明感も高いので、音楽コンテンツはボーカルをハイライトしたジャズやロック・ポップス系の楽曲によく合った。
動画コンテンツも話者の声がクリアに耳に届く。あえて低音を強調したり、反対に夜中は少し量感を抑えたい場合はGoogle Homeアプリのイコライザー機能でも調節できる。
ディスプレイを活かしたコンテンツも増えている
本機を試すまでは10インチの大画面はきっと持て余すだろうと思っていた。ところがいざ自宅で使ってみるとやはり長時間の動画鑑賞にも便利だし、スマホで再生したU-NEXTの映画やドラマをNest Hub Maxにキャストしてリビングで見ても疲れない。家族が一堂揃って映画を見る場面ではリビングのAndroidテレビ、パーソナルルームではNest Hub Maxを選びながら使い分けるとそれぞれのデバイスの良さが際立ってくる。フィリップスのHueシリーズなどわが家に設置したスマート照明器具はNest Hub Maxのダッシュボード画面をタッチして、操作結果を目で確認しながら操作できる。スマートディスプレイ専用のSDKである「Interactive Canvas」をベースに開発されたリッチなコンテンツがこれから増えることも期待したい。
Nestシリーズのスマートディスプレイは大小どちらを選ぶか悩ましいところだが、設置スペースと予算が許す限り、内蔵カメラによるクイックジェスチャーなど先進的なスマート体験が満喫できて、映像コンテンツもゆったり楽しめる10インチのNest Hub Maxをおすすめしたい。(フリーライター・山本敦)