システム開発、ベンダーロックインを回避せよ──BSIAが研究会

イベント

2019/12/05 15:30

 BSIA(Business System Initiative Association=ビジネスシステムイニシアティブ協会)は11月27日、第97回研究会を都内で開催した。講師に佐川急便などのシステムを担当するSGシステムの谷口友彦社長を迎え、「SGホールディングスグループにおけるIT戦略の歩みと今後の展望」と題し参加者も交え活発な議論が交わされた。

「SGホールディングスグループにおけるIT戦略の歩みと今後の展望」と
題し講演するSGシステムの谷口友彦社長

 谷口社長は、ITコンサルティング会社のフューチャーを経て16年に現職。19年から、SGホールディングスの執行役員IT戦略担当、および佐川急便の取締役も兼任している。SGホールディングスグループは、デリバリー事業の佐川急便を筆頭に、ロジスティクス事業、不動産事業のほか、さまざまな事業を展開しているが、SGシステムはグループのシステム開発・保守・運用を一手に引き受ける。
 
BSIA研究会は一方通行の講演に終わらず、
グループディスカッションを経て登壇者に鋭い質問をぶつけるのが持ち味

 SGホールディングスグループがレガシーシステムの刷新に着手したのが05年。オープン系システムの共通プラットフォーム化などを通じ、ITコストを大幅に削減した。現在は、そのプラットフォームに加えて、AI、IoT、ロボティクスといった新たなテクノロジーを活用してさらなる業務の効率化・省力化に取り組んでいる現状を紹介した。また、「2025年の崖問題は既に解決済み」と話し、その先にあるITを武器にした新たな戦略展開についても語った。
 
研究会を総評するBSIAの木内里美理事長

 「企業情報システムのユーザー自身が自らのビジネスの本質を考え、情報システム開発の主体性を取り戻そう」という思いを込めて設立されたBSIA。毎月開く「研究会」が中心的な活動だ。情報システムの第一線で活躍するユーザー企業の当事者が、システム構築のノウハウやITベンダーとのパートナーシップのあり方を語る。一方通行の「講演会」にとどまらず、研究会後半で深い視点での議論が出席者と交わされるのが特徴だ。

 次回は12月17日、ビズリーチの竹内真取締役CPO兼CTOを招いて研究会を開催する。NPO法人として運営しているBSIAは、法人・個人合わせて1600を超える会員を擁し活発に活動している。来年3月には、研究会が100回の節目を迎える。(BCN・道越一郎)