引っ越しと同時にフリマ出品可能に、7.6兆円市場の取り込みに向け楽天ら3社連携

サービス

2019/11/25 17:30

 フリマアプリ「ラクマ」を運営する楽天と、引越しシェアリングサービス「Hi!MOVE(ハイ!ムーブ)」を提供するGLIDE、宅配収納サービス「カラエト」を展開するトランクの3社が連携し、新サービスとして「フリマ引越」を開始した。

ラクマとHi!MOVE、カラエトの3サービスが連携した「フリマ引越」が本日スタート

 フリマ引越は、ユーザーが引っ越しの荷造りの際に発生する不要品を専用のダンボールに詰めて送るだけで、ラクマへの代行出品を受けることができるサービス。引っ越しの忙しい中でも、不要品の処分とフリマアプリへの出品を両立しながら、引っ越し代の軽減を図ることができる。
 
引っ越し時に出る不要品をダンボールに詰めて送るだけでフリマに出品してもらうことができる
(現在出品できるのは一人一箱まで)

 楽天のラクマ事業開発の土屋信博シニアマネージャーは、「過去1年間に不要となった製品の推定価値は約7.6兆円。ただ、不要品は家に眠っていることが多いので、日常の中では気が付きにくい。そこで、不要品が顕在化しやすい引っ越し時を狙った」と、新規事業開発の背景を説明する。
 
3社が共同で会見を開いた(左から、GLIDEの荒木孝博代表取締役、トランクの松崎早人代表取締役、
楽天の土屋信博シニアマネージャー)

 GLIDEの荒木孝博代表取締役は、「今後も深刻化が懸念される引っ越し難民問題の解決に向けた取り組みとして参画する。引っ越し時は手続きや準備で忙しく、楽に不要品を処分する方法として半分以上の人が選んでいるのはごみ回収。関連して、引っ越し業者に行ってもらえたら嬉しいサービスとしては、『不要品の買い取りや廃棄』があげられている。こうした声に応えていきたい」と語る。
 
家庭に眠るとされる7.6兆円市場を取り込みたい考え

 ユーザーは、Hi!MOVEで引っ越しを申し込む際に「フリマ引越」への申し込みを選択。申し込んだら、カラエトから届く専用のダンボールに、ラクマに出品したい不要品を入れて返送するだけ。その後、カラエトがユーザーに代わって不要品をラクマに出品する。
 
ユーザーのニーズにこたえることもできるという

 取引が成立した際は、代行送料と代行手数料を差し引いた金額がユーザーの登録口座に含まれる。代行送料は一律880円。代行手数料は、売上金から代行手数料を除いた金額に30%かけた金額。出品された月から翌月末までの期間中(最大2カ月)は、出品商品の取引がない場合でも費用はかからない。

 期間中に取引のなかった商品は、宅配収納サービス「カラエト」に移される。ユーザーは、1カ月無料で収納サービスを利用しながら、商品を保管し続けるか自宅に返送するかを選択可能。保管を選択した場合は、無料期間終了後に月額550円で保管し続けることができ、いつでも自宅に返送を求めることができる。