アップルが定額制オンラインゲーム配信サービス、Apple Arcade(アップル・アーケード)の提供を今秋から開始した。月額600円で100を超えるゲームタイトルに制限なくアクセスして楽しめる。筆者もいくつかのゲームタイトルをiPhoneで体験しながらApple Arcadeのインパクトについて考えてみた。サービスを手軽に楽しむ方法も紹介しよう。
Apple Arcadeに公開されているゲームはiPhone/iPad/iPod touchのほか、Mac、Apple TVで楽しめる。Mac/Apple TV/iPadでプレイする際には、XboxやPlayStationのワイヤレスゲームコントローラーとの組み合わせるとより快適にプレイできる。
月額料金は600円だが、最初の1ヶ月間は無料で体験できる。App Storeアプリを開き、画面下に並ぶ「Arcade」タグを選択すると多彩なゲームが並ぶリストにたどり着く。ユーザー登録もここからできる。
Apple Arcadeのゲームはすべてオフラインでもプレイできるため、iPhoneなどモバイル端末で楽しむ場合もパケットデータの消費を気にせず思い切り楽しめるのも特徴だ。一つのサブスクリプション登録で家族が最大6人まで遊べるので、リビングの大画面にApple TVでつないで、一人はワイヤレスゲームコントローラーで、もう一人はiPadで同じプレイ画面を共有しながら対戦することも可能だ。
新作ゲームは毎月App Storeを通じて配信される。Arcade限定ゲームは見逃せない。Arcadeのページは日増しに膨らむゲームのカタログからユーザーが気になるタイトルをすぐに見つけられるように、アップルの専任エディタによるコメントなど役に立つ情報が盛りだくさんだ。
Apple Arcadeのユーザー登録を済ませてから“ゲームの海”に一歩足を踏み入れて見渡すと、あらためて多彩なラインナップが揃っていることがよくわかる。その中から筆者が注目したタイトルをいくつかピックアップしてみたい。
バンダイナムコエンターテインメントの「PAC-MAN Party Royale」は、2020年に生誕40周年を迎えるアーケードゲームの名作“パックマン”の最新版。最大4人までのユーザーによるバトルロワイヤル形式の対戦が楽しめる。
セガの「ソニックレーシング」は、これぞ王道と呼ぶべき対戦型レーシングゲーム。どちらのタイトルも家族がリビングルームなどに集まって賑やかに遊べるパーティーゲームだ。単純明快なルールと操作性も魅力的だ。
ゲームの難易度も多様性に富んでいる。コナミが1980年代に開発して一世を風靡した「フロッガー」はカエルが主人公のアドベンチャーアクション。グラフィックスもピカピカにブラッシュアップされた新作「Frogger in Toy Town」として復活した。おもちゃのクルマや積み木など障害物をくぐり抜けながらカエルの子どもを助けていくだけという、極めてシンプルな舞台設定。操作も覚えやすく誰でも簡単に始められる。ところが世界観は意外に奥が深く、一度のめり込んだらいつまでもプレイできてしまう。
スクウェア・エニックスの「VARIOUS DAYLIFE」はカテゴリーに分類するならロールプレイング系と呼べるだろうか。主人公が冒険する舞台“新都エレビア”に暮らしながら、ひたすら戦いを繰り返しながら経験値を稼ぐのでなく、20を超える職業と、それぞれに紐付く100以上の仕事をこなしながら主人公を育てるシステムが今風でユニークだ。例えば肉体労働をすると「筋力」が備わり、頭脳労働をこなせば「魔力」が鍛えられる。バランスの良いキャラクターに成長を遂げさせるため、プレーヤーも頭を使わなければならない。
Apple Arcadeでは世界のゲームデベロッパが開発した作品が、国と地域の垣根を越えて気軽に楽しめる。スウェーデンのデベロッパであるAnnapurna Interactiveが開発した「Sayonara Wild Hearts」はポップなグラフィックスとスタイリッシュなオリジナル楽曲が“北欧らしさ”を強く感じさせるスピードアクション。実はゲームの操作がそれほど難しくないので、個性的で色彩感の豊かな映像と音楽にただひたすら浸るという楽しみ方も悪くない。
カナダのゲームデベロッパ、RAC7 Gamesが開発した「Spek.」は遠近法で遊ぶ脳トレ系パズルゲームだ。線画の図形の上を規則的に移動する物体を捕まえるだけの単純なルールだからこそ深くはまってしまう。iPhoneやiPadを構えて、体を動かしながら楽しめるARバージョンもプレーヤーの知性が試される。
今回紹介したゲームは総じてとっつきやすく、久しくゲームを遊んでいなかった筆者も飽きずに楽しめたものばかりだ。いわゆるメールやSNSと肩を並べる形で“スマホの空き時間”にサクッと遊べる手軽さもいい。新しいゲームも体験版を1作品ずつダウンロードして試す手間をかけずに、いきなり正式版が楽しめるところも“遊び放題”の定額制プラットフォームだからこその醍醐味だ。これからApple Arcadeは多くのゲームクリエイターとその作品、ならびにユーザーとの距離を縮める役割を担っていくだろう。ここからメガヒットが生まれる日もそう遠くないと思う。(フリーライター・山本敦)
Apple Arcadeに公開されているゲームはiPhone/iPad/iPod touchのほか、Mac、Apple TVで楽しめる。Mac/Apple TV/iPadでプレイする際には、XboxやPlayStationのワイヤレスゲームコントローラーとの組み合わせるとより快適にプレイできる。
月額料金は600円だが、最初の1ヶ月間は無料で体験できる。App Storeアプリを開き、画面下に並ぶ「Arcade」タグを選択すると多彩なゲームが並ぶリストにたどり着く。ユーザー登録もここからできる。
Apple Arcadeのゲームはすべてオフラインでもプレイできるため、iPhoneなどモバイル端末で楽しむ場合もパケットデータの消費を気にせず思い切り楽しめるのも特徴だ。一つのサブスクリプション登録で家族が最大6人まで遊べるので、リビングの大画面にApple TVでつないで、一人はワイヤレスゲームコントローラーで、もう一人はiPadで同じプレイ画面を共有しながら対戦することも可能だ。
新作ゲームは毎月App Storeを通じて配信される。Arcade限定ゲームは見逃せない。Arcadeのページは日増しに膨らむゲームのカタログからユーザーが気になるタイトルをすぐに見つけられるように、アップルの専任エディタによるコメントなど役に立つ情報が盛りだくさんだ。
Apple Arcadeのユーザー登録を済ませてから“ゲームの海”に一歩足を踏み入れて見渡すと、あらためて多彩なラインナップが揃っていることがよくわかる。その中から筆者が注目したタイトルをいくつかピックアップしてみたい。
バンダイナムコエンターテインメントの「PAC-MAN Party Royale」は、2020年に生誕40周年を迎えるアーケードゲームの名作“パックマン”の最新版。最大4人までのユーザーによるバトルロワイヤル形式の対戦が楽しめる。
セガの「ソニックレーシング」は、これぞ王道と呼ぶべき対戦型レーシングゲーム。どちらのタイトルも家族がリビングルームなどに集まって賑やかに遊べるパーティーゲームだ。単純明快なルールと操作性も魅力的だ。
ゲームの難易度も多様性に富んでいる。コナミが1980年代に開発して一世を風靡した「フロッガー」はカエルが主人公のアドベンチャーアクション。グラフィックスもピカピカにブラッシュアップされた新作「Frogger in Toy Town」として復活した。おもちゃのクルマや積み木など障害物をくぐり抜けながらカエルの子どもを助けていくだけという、極めてシンプルな舞台設定。操作も覚えやすく誰でも簡単に始められる。ところが世界観は意外に奥が深く、一度のめり込んだらいつまでもプレイできてしまう。
スクウェア・エニックスの「VARIOUS DAYLIFE」はカテゴリーに分類するならロールプレイング系と呼べるだろうか。主人公が冒険する舞台“新都エレビア”に暮らしながら、ひたすら戦いを繰り返しながら経験値を稼ぐのでなく、20を超える職業と、それぞれに紐付く100以上の仕事をこなしながら主人公を育てるシステムが今風でユニークだ。例えば肉体労働をすると「筋力」が備わり、頭脳労働をこなせば「魔力」が鍛えられる。バランスの良いキャラクターに成長を遂げさせるため、プレーヤーも頭を使わなければならない。
Apple Arcadeでは世界のゲームデベロッパが開発した作品が、国と地域の垣根を越えて気軽に楽しめる。スウェーデンのデベロッパであるAnnapurna Interactiveが開発した「Sayonara Wild Hearts」はポップなグラフィックスとスタイリッシュなオリジナル楽曲が“北欧らしさ”を強く感じさせるスピードアクション。実はゲームの操作がそれほど難しくないので、個性的で色彩感の豊かな映像と音楽にただひたすら浸るという楽しみ方も悪くない。
カナダのゲームデベロッパ、RAC7 Gamesが開発した「Spek.」は遠近法で遊ぶ脳トレ系パズルゲームだ。線画の図形の上を規則的に移動する物体を捕まえるだけの単純なルールだからこそ深くはまってしまう。iPhoneやiPadを構えて、体を動かしながら楽しめるARバージョンもプレーヤーの知性が試される。
今回紹介したゲームは総じてとっつきやすく、久しくゲームを遊んでいなかった筆者も飽きずに楽しめたものばかりだ。いわゆるメールやSNSと肩を並べる形で“スマホの空き時間”にサクッと遊べる手軽さもいい。新しいゲームも体験版を1作品ずつダウンロードして試す手間をかけずに、いきなり正式版が楽しめるところも“遊び放題”の定額制プラットフォームだからこその醍醐味だ。これからApple Arcadeは多くのゲームクリエイターとその作品、ならびにユーザーとの距離を縮める役割を担っていくだろう。ここからメガヒットが生まれる日もそう遠くないと思う。(フリーライター・山本敦)