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【レビュー】BenQのThunderbolt3対応プロフェッショナル向けモニター「PD3220U」をプロが使ってみた

 ベンキュージャパン(BenQ)は、デザイナー向けPDシリーズ「PD3200U」の後継機「PD3220U」を9月に発表した。31.5インチの4K液晶モニターで、これまでのIPSパネルによる高色域や、4Kならではの高精細な美しさを引き継ぎながら、Thunderbolt3端子への対応やインテリア性もプラスされた最新機種。このハイスペックモニターが実際の映像編集中の現場でどのように活躍するのか。映像制作中のM氏がPD3220Uを試用した様子をレポートする。

ベンキュージャパンのデザイナー向けPDシリーズ「PD3200U」を使ってみた
※画面はAdobeのチュートリアル用の画面

映像編集クリエイター、グラフィックデザイナーのための「PD3220U」

 映像制作やデザイン制作のプロフェッショナル向け32型4KモニターであるPD3220Uは、sRGBの色域精度を100%カバーしつつ、Rec.709にも対応する。解像度、フレームレート、ガンマ、ホワイトバランスなど、動画編集作業時に必要なパフォーマンスに関しては、国際基準でクリア。表示色は10億7000色と、色再現性能がハイエンド機種にふさわしいスペックを誇る。

 また、世界標準のカラー規格に基づいた正確な色の再現をサポートするBenQの独自技術「AQCOLORテクノロジー」を搭載。本物に極力近い色で作業することで、作品に臨場感を持たせることができる。
 
さまざまなモードを搭載し、あらゆるニーズにこたえる

 撮影時や3DCG合成など、異なるデバイスやソフトウェアによって作業されたデータを合わせる場合、こうした微妙な色域の一致が非常に重要な要素になる。4Kの普及で解像度の平均がますます向上すると、こうしたカラーマネージメントの需要が高まってくる。モニターの色味を正しく整えるキャリブレーションに関しては、工場出荷時に1台ごとに専門家による検証・調整済みとのことだ。

 HDR10にも対応しており、画面に映し出される映像を見ると、明暗や濃淡のコントラストの再現性の高さがよく分かる。4Kの高精細映像をより豊かな色彩として再現し、実物に近い映像を実現している。

使い勝手もバツグン

 PD3220Uの特徴の一つは、2台のPCをモニター1台で操作できるKVM(キーボードビデオマウス)スイッチ機能だ。「PD3200」でも採用されていたKVMスイッチ機能は、モニター前面のボタンあるいはホットキーパックで操作可能。新製品では、ホットキーパック自体のデザインや操作性が向上していることから、2台のPCを接続してもスムーズに操作を切り換えることができた。
 
OSDでディスプレイの設定を変更する際に活躍するホットキーパック

 実際、M氏も作業中に「このホットキーパックは使いやすい」と、どんどん2台操作の方法をマスターしていった。ちなみにホットキーパックを使用しなくても、モニター背面には画面変更のボタンやジョグダイヤルも搭載されている。
 
本体背面にもディスプレイ操作用のインターフェースを備えている

 1セットのキーボードとマウス、モニターで2台のPC操作が可能ということは、各人がそれぞれのPCで編集や3DCG合成もしくはテロップ作業してきたデータを、このモニター1台で調整し合わせることができるということだ。「僕は特に、テロップのデータが画面切り替えですぐに出てくるのが便利ですね。作業の効率がアップしている気がします。すぐにモニター1台で確認ができるので、間違いが減るような気もします」と、M氏も便利さを実感していた。

背面の映像入力端子

 そして、PD3220Uの大きな特徴は、Thunderbolt3搭載によって、MacBook Proとの相性がいいことだ。Thunderbolt3で接続すれば、1本のケーブルでビデオ出力だけでなくデータ転送と給電が行える。デザイナーにもユーザーが多いMacBook Proと組み合わせることで、真価を発揮してくれる。
 
Thunderbolt3端子を備えるうえ、Thunderbolt3のケーブルも付属する

 背面には、センターにあるThunderbolt3端子二つのほか、HDMI2.0端子が二つ、USB3.1が三つ、DisplayPort1.4が一つ実装されている。背面の端子部分を覆うカバーも付属しているほか、ケーブルを背面で束ねるバンドも備えている。ケーブルが散らからず、快適な作業環境の構築にも一役買ってくれる。
 
豊富な端子で接続性が高い

豊富なカラーモード

 PD3220Uには、ユーザーの利用状況に配慮して、さまざまなモードが実装されている。建築物やテクニカルな線形イラストなどを作成する際に最適なCAD/CAMモードをはじめ、暗い表現領域の明暗のコントラストをより鮮明に際立たせる暗室モード、10段階から輝度をセレクトできるアニメーションモードなど。制作者の感覚的な色域や色合い、コントラストをしっかり具現化させてくれるモードが多彩に用意されていると実感できるとM氏はいう。

モニターとしての機能美

 PD3220Uで編集作業を続けるM氏は、以前にもBenQモニターを使用していたとのこと。「画面の表現色やカラーモードの多彩さもさることながら、今回のPD3220Uはデバイスとしてのトータルのデザイン性も、とても魅力的です」と話す。シンプルでありながら、インテリア性も兼ね備えていると感嘆していた。
 
高いデザイン性を備えたPD3220U

 「編集作業だけなく、映像を視聴するためのモニターとしても部屋に置いておきたいと感じさせてくれます。動画配信サービスなど、急速に4Kコンテンツが増えていますから、そういったプログラムを視聴しながら、インスパイアを受けたらすぐに画面を切り変えて、作業しているコンテンツにアイデアを吹き込む、みたいな使用場面が思い浮かびますね。そういったモニターとしても、PD3220Uはクリエイティブな人たちを中心に選ばれるのではないでしょうか」と使用感を語った。