第3世代のiPad Pro 12.9インチにぴったり、ロジクールのワイヤレスキーボード「SLIM FOLIO PRO」レビュー
2018年11月に発売された第3世代のiPad Pro 12.9インチを、筆者が取材用のメインマシンとして使用するようになり、間もなく1年になる。当時、一緒に購入したアップル純正のSmart Keyboardが段々と使い込まれた感じになってきたので、新品に買い直すことを検討していたところ、ロジクールから12.9インチのiPad Proに対応するよいキーボードが出ていることを知った。第3世代のiPad Proに対応する「SLIM FOLIO PRO/iK1273」だ。アップル純正のSmart Keyboardと使い勝手を比べながらレビューしてみた。
ロジクールのSLIM FOLIO PROはBluetooth接続のワイヤレスキーボードとiPad Proの保護ケースの役割を兼ねた専用アクセサリーだ。ケースのふたを開いてiPad Proをスタンドに立てるとノートPCのような感覚でタイピングができる。iPad Proで絵を描いたり、筆者のように手書きでメモにアイデアを書き留める用途にApple Pencilをいつも持ち歩いたりしたい、というユーザーにうれしいペンホルダーがケースと一体化した設計を採用しており、これは純正のSmart Keyboardにはない魅力だ。
さらに、Apple Pencilをホルダーに装着した状態で、ケースのふたを閉じるとApple PencilがiPad Proの磁気コネクタにセットされるデザインになっているので、そのままスムーズに充電することができる。
SLIM FOLIO PROはパッケージから取り出すと自動的にペアリングモードに切り変わるので、iPad ProのBluetooth機器のリストに表示される本機を選択するだけでペアリングは完了する。本体の充電が不要なSmart Keyboardに比べて内蔵バッテリーを充電しなければならない点は面倒に感じられるかもしれないが、SLIM FOLIO PROに内蔵されているバッテリーは一度のフルチャージから、1日2時間ずつ使ったとしても約3ヶ月間も使用できるパフォーマンスを備えているので、デメリットにはならないだろう。充電ケーブルはUSB Type-Cを採用している。
ケースの外側は手触りの滑らかなシリコン素材でできている。厚みがそれなりにあるので、手から滑って落とす心配は要らないと思う。ケースの堅牢性も高そうだ。ただ、やはり手に持ってみるとそれなりに重みは感じる。Smart Keyboardの方がスリムで、iPad Proを装着した後のトータルの質量はSmart Keyboardの方が軽い。
Smart Keyboardの場合は装着後もiPad Pro本体の電源、音量キーが裸の状態なので操作感は本体だけで使用したときと変わらないが、SLIM FOLIO PROの場合はケースのフレームをiPad Proのボタンの上に被せるように装着するため、少しボタンが押し込みづらくなる。だが、そのぶんボタンがしっかりとガードされるので故障の確率は格段に低く抑えられるだろう。
ケースのふたを閉じるとiPad Proは自動的にスリープモードへ切り変わる。SLIM FOLIO PROはiPad Proと異なり、タイピングをするときにスタンドの角度が選べないが、一般的な高さのテーブルに置いたときや膝に乗せてタイピングしたときの角度はちょうど良い具合いに感じられた。
肝心なキーボードのタイピング感に踏み込もう。まず最初に断っておきたいことは、SLIM FOLIO PROがUSキー配列のキーボードであるということだ。日本語の入力はもちろん可能だが、記号の入力など勝手が少し違うところがある。日本語配列のキーボードに慣れているという方は購入前に店頭などで試してみることをおすすめしたい。また、MacやSmart Keyboardの日本語キーボードにはスペースキーの左右に搭載されている「英数」「かな」変換のキーがないということにも注意してほしい。
キーボードは17mmのピッチを確保したフルサイズ仕様。キーストロークが1.6mmもあるので、薄くて硬いタイピング感のSmart Keyboardとはかなり手応えが違うはずだ。筆者はUS配列と、やや小ぶりなリターンキーにさえ慣れれば、長時間のタイピングはSLIM FOLIO PROの方が快適で疲れにくいと感じた。パームレストのような手のひらを預けるゆとりはないので、必要な場合は別売のパームレストなどを用意して高さを調節するとよいだろう
最上段にはiOSのショートカットキーが配置されている。iPad Proで動画を見ている時などに音量のアップダウンがMacのようにショートカットキーで操作できるのが便利だ。
SLIM FOLIO PROの最大の魅力と言えるのがキー下部にLEDバックライトを載せていることだ。純正のSmart Keyboardの場合、部屋が暗くなる発表会やセミナー、プレゼンテーションの現場でキーボードが見えづらくなることがあった。LEDバックライトがあれば、記号や数字キーなど文字入力のため頻繁に使うメインキー以外を手探りしなくても済む。輝度レベルはショートカットキーから「オフ」を含めてが3段階で選べる。
SLIM FOLIO PROはiPad Proを四六時中持ち歩いて使うヘビーユーザーに「高い堅牢性」と「Apple Pencilを充電しながら持ち運べる」という2点では迷いなく推せるBluetoothキーボードだ。どんなキーボードもタイピング感は好みが分かれるところだと思うので、興味のある方はぜひ実機展示などで試してみてほしい。「LEDバックライト」を搭載していることも大きなアドバンテージだ。全体的にアップル純正のSmart Keyboardに引けを取らないぐらいにiPad Proと親和性が高いキーボードだと思う。
屋外にもiPad Proを積極的に持ち出して使うヘビーユーザーにとっては、デメリットにも感じられそうなのが「重さ」である。iPad Proにキーボードを装着するとトータルの重さがだいたい1.34kgになる。最新のMacBook Proが約1.37kgなので、ほぼ同じぐらいの質量だ。ノートPCとして捉えれば、バッグに入れて持ち運ぶこと自体はそれほど苦にならないはずだが、ケースを付けたまま片手に持ってApple Pencilでメモを取る作業についてはさすがに長時間は難しかった。例えば、SLIM FOLIO PROのほかに、アップルのSmart Coverのように少し軽めのプロテクターを用意して、シーンごとに使い分けるのが理想的ではないだろうか。(フリーライター・山本敦)
ロジクールのSLIM FOLIO PROはBluetooth接続のワイヤレスキーボードとiPad Proの保護ケースの役割を兼ねた専用アクセサリーだ。ケースのふたを開いてiPad Proをスタンドに立てるとノートPCのような感覚でタイピングができる。iPad Proで絵を描いたり、筆者のように手書きでメモにアイデアを書き留める用途にApple Pencilをいつも持ち歩いたりしたい、というユーザーにうれしいペンホルダーがケースと一体化した設計を採用しており、これは純正のSmart Keyboardにはない魅力だ。
さらに、Apple Pencilをホルダーに装着した状態で、ケースのふたを閉じるとApple PencilがiPad Proの磁気コネクタにセットされるデザインになっているので、そのままスムーズに充電することができる。
SLIM FOLIO PROはパッケージから取り出すと自動的にペアリングモードに切り変わるので、iPad ProのBluetooth機器のリストに表示される本機を選択するだけでペアリングは完了する。本体の充電が不要なSmart Keyboardに比べて内蔵バッテリーを充電しなければならない点は面倒に感じられるかもしれないが、SLIM FOLIO PROに内蔵されているバッテリーは一度のフルチャージから、1日2時間ずつ使ったとしても約3ヶ月間も使用できるパフォーマンスを備えているので、デメリットにはならないだろう。充電ケーブルはUSB Type-Cを採用している。
ケースの外側は手触りの滑らかなシリコン素材でできている。厚みがそれなりにあるので、手から滑って落とす心配は要らないと思う。ケースの堅牢性も高そうだ。ただ、やはり手に持ってみるとそれなりに重みは感じる。Smart Keyboardの方がスリムで、iPad Proを装着した後のトータルの質量はSmart Keyboardの方が軽い。
Smart Keyboardの場合は装着後もiPad Pro本体の電源、音量キーが裸の状態なので操作感は本体だけで使用したときと変わらないが、SLIM FOLIO PROの場合はケースのフレームをiPad Proのボタンの上に被せるように装着するため、少しボタンが押し込みづらくなる。だが、そのぶんボタンがしっかりとガードされるので故障の確率は格段に低く抑えられるだろう。
ケースのふたを閉じるとiPad Proは自動的にスリープモードへ切り変わる。SLIM FOLIO PROはiPad Proと異なり、タイピングをするときにスタンドの角度が選べないが、一般的な高さのテーブルに置いたときや膝に乗せてタイピングしたときの角度はちょうど良い具合いに感じられた。
肝心なキーボードのタイピング感に踏み込もう。まず最初に断っておきたいことは、SLIM FOLIO PROがUSキー配列のキーボードであるということだ。日本語の入力はもちろん可能だが、記号の入力など勝手が少し違うところがある。日本語配列のキーボードに慣れているという方は購入前に店頭などで試してみることをおすすめしたい。また、MacやSmart Keyboardの日本語キーボードにはスペースキーの左右に搭載されている「英数」「かな」変換のキーがないということにも注意してほしい。
キーボードは17mmのピッチを確保したフルサイズ仕様。キーストロークが1.6mmもあるので、薄くて硬いタイピング感のSmart Keyboardとはかなり手応えが違うはずだ。筆者はUS配列と、やや小ぶりなリターンキーにさえ慣れれば、長時間のタイピングはSLIM FOLIO PROの方が快適で疲れにくいと感じた。パームレストのような手のひらを預けるゆとりはないので、必要な場合は別売のパームレストなどを用意して高さを調節するとよいだろう
最上段にはiOSのショートカットキーが配置されている。iPad Proで動画を見ている時などに音量のアップダウンがMacのようにショートカットキーで操作できるのが便利だ。
SLIM FOLIO PROの最大の魅力と言えるのがキー下部にLEDバックライトを載せていることだ。純正のSmart Keyboardの場合、部屋が暗くなる発表会やセミナー、プレゼンテーションの現場でキーボードが見えづらくなることがあった。LEDバックライトがあれば、記号や数字キーなど文字入力のため頻繁に使うメインキー以外を手探りしなくても済む。輝度レベルはショートカットキーから「オフ」を含めてが3段階で選べる。
SLIM FOLIO PROはiPad Proを四六時中持ち歩いて使うヘビーユーザーに「高い堅牢性」と「Apple Pencilを充電しながら持ち運べる」という2点では迷いなく推せるBluetoothキーボードだ。どんなキーボードもタイピング感は好みが分かれるところだと思うので、興味のある方はぜひ実機展示などで試してみてほしい。「LEDバックライト」を搭載していることも大きなアドバンテージだ。全体的にアップル純正のSmart Keyboardに引けを取らないぐらいにiPad Proと親和性が高いキーボードだと思う。
屋外にもiPad Proを積極的に持ち出して使うヘビーユーザーにとっては、デメリットにも感じられそうなのが「重さ」である。iPad Proにキーボードを装着するとトータルの重さがだいたい1.34kgになる。最新のMacBook Proが約1.37kgなので、ほぼ同じぐらいの質量だ。ノートPCとして捉えれば、バッグに入れて持ち運ぶこと自体はそれほど苦にならないはずだが、ケースを付けたまま片手に持ってApple Pencilでメモを取る作業についてはさすがに長時間は難しかった。例えば、SLIM FOLIO PROのほかに、アップルのSmart Coverのように少し軽めのプロテクターを用意して、シーンごとに使い分けるのが理想的ではないだろうか。(フリーライター・山本敦)