9500万円も集めた超変態のフルデジタルスピーカー
見た目は地味なポータブルスピーカー。無線接続ですらない。PCとUSBケーブルでつなげる有線式。ところが、実際に鳴らしてみると迫力溢れるピュアなサウンドに驚く。USBバスパワーでも大音量で鳴らすことができ、バッテリが不要。仙台の音響メーカー、JD Soundのポータブル・フルデジタルスピーカー「OVO」だ。実際に使ってみると、さまざまなギミックが詰め込まれた究極の変態スピーカーであることが分かった。クラウドファンディンサイトGREENN FUNDINGで9500万円も集めた化け物製品だけのことはある。
最大の特徴は、「Dnote」と呼ばれるフルデジタル方式を採用していること。アナログ回路が存在せず、スピーカーから音が出る直前までデジタル処理される。そのため、ノイズが極めて少なく、とてもクリアな音を実現した。スピーカーユニットも、デジタル信号を音に変える専用のフルデジタルスピーカー。普通のスピーカーユニットに一つしかないボイスコイルを四つも備え、立ち上がりが力強く音の輪郭が鮮明だ。
JD Soundの宮崎晃一郎社長は、「私はエンジニアですから、ハードとソフトについては、部品のピン1本1本、プログラム1行1行にわたって全てが見えています。しかし、音質のことははっきり言ってよく分かりません。だから、音がいいとは言いません。ただ、人の声が聴き取りやすいのは間違いありません。人の声がよく聞こえるスピーカーだと説明しています。まあ、とにかく聴いてみてください」と話す。
実際にOVOを使ってみると、かなり「クセが強い」スピーカーだと感じる。置き方によって低音の響き方が異なる上、何もしないフラットな状態では、少々物足りないと感じることもあった。しかし、イコライザ(EQ)機能で特性をいじれば、自分好みの音質に変化させることができる。
元々ほとんどノイズレスで基本的な特性が優れているため、聴くコンテンツにマッチした設定を見つければ、とても快適に音を楽しむことができる。ただ、設定と接続する機器の相性が悪いと、低音がひずんで、とてもひどい音になることもあった。こんなところがクセの強さだ。
EQの設定は、同社のウェブサイトを通じて、OVOユーザー同士で共有することもでき、さまざまな特性をもつスピーカーに変身できるのも面白い。ジャズでもクラシックでもポップスでも、何でも来いだ。
気になるのは「今時、有線のスピーカーってどうなんだ」ということだが、フルデジタルで圧縮なしで処理されるため、Bluetooth接続のワイヤレススピーカーと比べて圧倒的に音がいい。さらに、USBバスパワーだけで動作するよう設計されていて、バッテリがない。つまり、充電する必要がない。
本体重量も軽く実測で408g。実際に出張に持って行って使ってみたが、スーツケースの片隅に忍び込ませておけば、ホテルでご機嫌なサウンドを十二分に楽しめた。さらに、遅延はほぼゼロ。ゲーミング用途や動画コンテンツの視聴用としても最適だ。使っても気持ちがいいほど、画像とシンクロした臨場感あふれる音が楽しめる。
2017年にクラウドファンディングサイト、Makuakeで当時最高の出資金額5300万円を集めたポータブルDJマシン、「GODJ Plus」を開発したのがJD Sound。これに搭載したスピーカーの出来が思いのほか良かったため、スピンアウト企画として生まれたのがOVOだった。
普通のポータブルスピーカーでは面白くないと、フルデジタルにこだわり、ウェブブラウザで細かく設定変更ができるように工夫して音程などに合わせて色や光方が変わるLEDライトも備えた。何もそこまでしなくてもという変態機能が満載だ。さらにJD Soundの宮崎社長は「OVOのガワを木製にしたらどうだろうと遊んでいたら、思いの外、面白いものができた」と話す。
これを活かして、モノづくりの楽しさを多くの人に楽しんでもらおうと企画したのが、OVOの外装を木製に変える組み立てキット「OVO Craft(オボクラフト)」だ。現在、クラウドファンディングサイトGREENN FUNDINGで出資を募っている。本体だけでなくガワまで……。ここまで遊べるスピーカーは、他にないだろう。(BCN・道越一郎)
最大の特徴は、「Dnote」と呼ばれるフルデジタル方式を採用していること。アナログ回路が存在せず、スピーカーから音が出る直前までデジタル処理される。そのため、ノイズが極めて少なく、とてもクリアな音を実現した。スピーカーユニットも、デジタル信号を音に変える専用のフルデジタルスピーカー。普通のスピーカーユニットに一つしかないボイスコイルを四つも備え、立ち上がりが力強く音の輪郭が鮮明だ。
JD Soundの宮崎晃一郎社長は、「私はエンジニアですから、ハードとソフトについては、部品のピン1本1本、プログラム1行1行にわたって全てが見えています。しかし、音質のことははっきり言ってよく分かりません。だから、音がいいとは言いません。ただ、人の声が聴き取りやすいのは間違いありません。人の声がよく聞こえるスピーカーだと説明しています。まあ、とにかく聴いてみてください」と話す。
実際にOVOを使ってみると、かなり「クセが強い」スピーカーだと感じる。置き方によって低音の響き方が異なる上、何もしないフラットな状態では、少々物足りないと感じることもあった。しかし、イコライザ(EQ)機能で特性をいじれば、自分好みの音質に変化させることができる。
元々ほとんどノイズレスで基本的な特性が優れているため、聴くコンテンツにマッチした設定を見つければ、とても快適に音を楽しむことができる。ただ、設定と接続する機器の相性が悪いと、低音がひずんで、とてもひどい音になることもあった。こんなところがクセの強さだ。
EQの設定は、同社のウェブサイトを通じて、OVOユーザー同士で共有することもでき、さまざまな特性をもつスピーカーに変身できるのも面白い。ジャズでもクラシックでもポップスでも、何でも来いだ。
気になるのは「今時、有線のスピーカーってどうなんだ」ということだが、フルデジタルで圧縮なしで処理されるため、Bluetooth接続のワイヤレススピーカーと比べて圧倒的に音がいい。さらに、USBバスパワーだけで動作するよう設計されていて、バッテリがない。つまり、充電する必要がない。
本体重量も軽く実測で408g。実際に出張に持って行って使ってみたが、スーツケースの片隅に忍び込ませておけば、ホテルでご機嫌なサウンドを十二分に楽しめた。さらに、遅延はほぼゼロ。ゲーミング用途や動画コンテンツの視聴用としても最適だ。使っても気持ちがいいほど、画像とシンクロした臨場感あふれる音が楽しめる。
2017年にクラウドファンディングサイト、Makuakeで当時最高の出資金額5300万円を集めたポータブルDJマシン、「GODJ Plus」を開発したのがJD Sound。これに搭載したスピーカーの出来が思いのほか良かったため、スピンアウト企画として生まれたのがOVOだった。
普通のポータブルスピーカーでは面白くないと、フルデジタルにこだわり、ウェブブラウザで細かく設定変更ができるように工夫して音程などに合わせて色や光方が変わるLEDライトも備えた。何もそこまでしなくてもという変態機能が満載だ。さらにJD Soundの宮崎社長は「OVOのガワを木製にしたらどうだろうと遊んでいたら、思いの外、面白いものができた」と話す。
これを活かして、モノづくりの楽しさを多くの人に楽しんでもらおうと企画したのが、OVOの外装を木製に変える組み立てキット「OVO Craft(オボクラフト)」だ。現在、クラウドファンディングサイトGREENN FUNDINGで出資を募っている。本体だけでなくガワまで……。ここまで遊べるスピーカーは、他にないだろう。(BCN・道越一郎)