夏休みの宿題探しに最適、大人も子供も楽しめる「Maker Faire Tokyo 2019」
子どものために夏休みの自由課題のネタを探しにきたり、日本の若い人たちによる最先端のモノづくりに触れたりと、ロボコン好きからプログラミング好き、大人から子供まで楽しめるモノづくりの祭典「Maker Faire Tokyo 2019」が8月3日と4日、東京ビッグサイトで開催された。
大掛かりな設備を必要とせずに3Dプリンタなどで1人でも少量のモノが作れるようになった「Maker(メイカー)」は、自分ならではのユニークな発想で開発・製造した製品で来場者を楽しませたり、笑わせたり、驚かせたりするイベントなどと一緒に世界的なムーブメントとして広がっている。
日本では、2008年に「Make:Tokyo Meeting」としてスタートし、12年からMaker Faire Tokyoとしてリニューアル。家族など幅広い世代が楽しめるイベントとして日本のMakerムーブメントを支えている。
18年は600組のMakerが参加し、2万4000人の来場があった。今年は、20年の東京五輪で会場の利用制限もあり、広さが前回の70%に縮小したが、出展申し込み数は前回を上回り、その中から選ばれた約350組が出展した。
出展者は、決して高度な技術を使ってなくても、モノづくりを楽しさを伝えられれば何も問題はない。また来場者も、単に出展者の作品を見るだけでなく、自らワークショップなどに参加しながら楽しめるのもMaker Faireならではの特徴。
例えば、ワッシャーをタイヤにして木材やさまざまな部品を使って自分だけのトイカーをつくるミニチュアカーレースの「Nerdy Derby」は、子供たちに人気コーナーの一つだった。
完成したトイカーをカーレースに参加させて、タイムを計って競い合う。レースは同じトイカーで何度参加してもいいという「ゆるさ」もいい。
モノづくりを楽しむコンセプトは、技術力の低い人を対象にしたロボコンの「ヘボコン」でも見られた。東京発で世界25カ国で楽しまれているヘボコンは、トーナメント戦で自作ロボットを競わせるが、1位の人が表彰されるのではなく、アイデアや発想の面白いヘボコンが審査員から高く評価される。
会場では、数多くの特別講演などのプログラムも用意されている。今年の目玉は、紙飛行機の飛距離69.14メートルの世界記録保持者であるジョン・M・コリンズ氏の講演。米国のMaker Faireでも、「The Paper Airplane Guy(紙飛行機野郎)」として知られる。アジアでは、初の参加となった。
ほかにも、昨年の出展でメイカーの喜びを味わってしまった「モノづくり好きのおやじ」の手づくり作品は、狙った獲物が必ずとれる、空気圧で動くシリコン製ソフトアームを搭載したクレーンゲーム。3D CADでモデリングして3Dプリンタで出力した部品やアルミフレーム、電気部品、ホームセンターで調達した部材などでつくり上げたという。
景品をつかんでも途中で落ちてしまったりする通常のクレーンと違い、どんな角度でアームが下がっても、しっかりと景品をつかんで最後まで運ぶという逆のコンセプトに思わず笑ってしまう。
Maker Faire Tokyoの会場から伝わってくるのは、モノづくりの楽しさや注いだ情熱のパワー。製品化やビジネスを度外視したオリジナリティーあふれる作品は、見ている人の心も和ませてれる。(BCN・細田 立圭志)
大掛かりな設備を必要とせずに3Dプリンタなどで1人でも少量のモノが作れるようになった「Maker(メイカー)」は、自分ならではのユニークな発想で開発・製造した製品で来場者を楽しませたり、笑わせたり、驚かせたりするイベントなどと一緒に世界的なムーブメントとして広がっている。
日本では、2008年に「Make:Tokyo Meeting」としてスタートし、12年からMaker Faire Tokyoとしてリニューアル。家族など幅広い世代が楽しめるイベントとして日本のMakerムーブメントを支えている。
18年は600組のMakerが参加し、2万4000人の来場があった。今年は、20年の東京五輪で会場の利用制限もあり、広さが前回の70%に縮小したが、出展申し込み数は前回を上回り、その中から選ばれた約350組が出展した。
出展者は、決して高度な技術を使ってなくても、モノづくりを楽しさを伝えられれば何も問題はない。また来場者も、単に出展者の作品を見るだけでなく、自らワークショップなどに参加しながら楽しめるのもMaker Faireならではの特徴。
例えば、ワッシャーをタイヤにして木材やさまざまな部品を使って自分だけのトイカーをつくるミニチュアカーレースの「Nerdy Derby」は、子供たちに人気コーナーの一つだった。
完成したトイカーをカーレースに参加させて、タイムを計って競い合う。レースは同じトイカーで何度参加してもいいという「ゆるさ」もいい。
モノづくりを楽しむコンセプトは、技術力の低い人を対象にしたロボコンの「ヘボコン」でも見られた。東京発で世界25カ国で楽しまれているヘボコンは、トーナメント戦で自作ロボットを競わせるが、1位の人が表彰されるのではなく、アイデアや発想の面白いヘボコンが審査員から高く評価される。
会場では、数多くの特別講演などのプログラムも用意されている。今年の目玉は、紙飛行機の飛距離69.14メートルの世界記録保持者であるジョン・M・コリンズ氏の講演。米国のMaker Faireでも、「The Paper Airplane Guy(紙飛行機野郎)」として知られる。アジアでは、初の参加となった。
ほかにも、昨年の出展でメイカーの喜びを味わってしまった「モノづくり好きのおやじ」の手づくり作品は、狙った獲物が必ずとれる、空気圧で動くシリコン製ソフトアームを搭載したクレーンゲーム。3D CADでモデリングして3Dプリンタで出力した部品やアルミフレーム、電気部品、ホームセンターで調達した部材などでつくり上げたという。
景品をつかんでも途中で落ちてしまったりする通常のクレーンと違い、どんな角度でアームが下がっても、しっかりと景品をつかんで最後まで運ぶという逆のコンセプトに思わず笑ってしまう。
Maker Faire Tokyoの会場から伝わってくるのは、モノづくりの楽しさや注いだ情熱のパワー。製品化やビジネスを度外視したオリジナリティーあふれる作品は、見ている人の心も和ませてれる。(BCN・細田 立圭志)