じぶん銀行、auのスマートマネー構想で景気実態指数の日本版PMI提供

 2008年にKDDI(au)と三菱UFJ銀行が共同出資で設立したインターネット銀行のじぶん銀行は7月1日、英国金融調査会社のIHSマークイットの日本法人であるIHSマークイットジャパンと提携して、IHSマークイットが算出する景気実態を映し出す先行指数「購買担当者指数(PMI)」の日本版PMIを「じぶん銀行日本PMI」として同日に提供すると発表した。


 じぶん銀行は、KDDIが2月に発表したスマートマネー構想を体現するために4月1日付で設立した金融持株会社auフィナンシャルホールディングスの一翼を担う。金融サービスとスマートフォン(スマホ)の利便性や特性を組み合わせた新しい金融体験の創造に取り組んでおり、じぶん銀行日本PMIもその一環。

 じぶん銀行は、AI(人工知能)を使った外貨預金や申し込みから借り入れまで、スマホだけで完結する住宅ローンなどを強みとしており、為替情報や経済ニュース、マネーコラムの配信を通じて顧客の資産状況の把握や管理などのサービスを提供している。じぶん銀行日本PMIを提供することで、サービスの付加価値を高める。

 じぶん銀行の臼井朋貴社長は、「KDDI金融グループの中核企業を担うじぶん銀行は、5Gと連動する形で、金融でも付加価値の高いサービスを提供していく」と語った。
 
じぶん銀行の臼井朋貴社長

 IHSマークイットのPMIは米国や中国、ユーロ圏など40を超える主要国や地域の2万6000社以上に対して、生産高や新規受注、在庫、雇用状況、価格などを直接ヒアリン調査して算出している。特にPMIデータは、世界GDPがまとまる6~8週間前に公表するなど、経済のトレンドをいち早くキャッチできる指標とする。

 IHSマークイットジャパンの竹内三十郎社長は、「われわれは、従業員数1万2300人のうち5000人以上のアナリストやデータサイエンティストがおり、データを分析して顧客に分かりやすく説明することを得意としている。じぶん銀行と提携することで、われわれがリーチできていないB to Cの顧客を獲得でき、付加価値の高いデータ分析を提供できる」と語る。
 
IHSマークイットジャパンの竹内三十郎社長

 じぶん銀行のユーザーの8割がスマホユーザーで、7割がauユーザーだという。こうした顧客に対して、他行では得ることのできない情報を提供することでサービスの差別化につなげながら顧客との関係性の深化を狙う。

 現状は、じぶん銀行のアプリ内での情報提供にとどまっているが、今後はau WALLETアプリとのスムーズな連携を深めていくという。