iPadOS登場、macOS Catalinaならサブディスプレイに!―Apple WWDC 2019で発表

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2019/06/05 18:30

 米Appleは6月3日(日本時間6月4日)、開発者向けイベント「WWDC 2019」を開催。2010年に9.7インチの初代モデルを発表し、新しいカテゴリーを切り開いたタブレット端末「iPad」のために独自に設計した専用OS「iPadOS」を発表した。

盛りだくさんの内容で2時間を超える発表となった

iPadオンリーのiPadOSが登場!!

 iPadOSは、iPhone/iPod touch用のiOSを基盤にしつつ、大きなディスプレイと汎用性を生かしたパワフルな新機能を追加した。ウィジェットを起動できる新しいホーム画面、より強力なマルチタスキング、Apple Pencilをもっと自然に使いこなせる新しいツールなどを搭載。フォルダ/ファイル操作、外付けドライブ対応、zipファイルの圧縮/解凍にも新たに対応し、タブレットPCのように操作できる。
 
iPadOSは、Slide Overのアップデートによって、複数のアプリケーションをすばやく表示し、
切り替えられるようになる
(上:新しいホーム画面、下段左:新しくデザインしたツールパレット、下段右:Slide Over)

 また、暗い場所で目の負担を軽減する「ダークモード」、プライバシーを保護しながら、さらに簡単にすばやくサイトやアプリにログインできる「Sign In with Apple」など、同時に発表した最新版モバイルOS「iOS 13」の新機能も取り入れている。

 新しいiPadOSは、現在iOSを搭載するiPad Air 2以降、iPad Proの全モデル、iPadの第5世代以降、iPad mini 4以降向けに、今年秋から無料ソフトウェアアップデートで提供する。
 
新たに作成したベースマップ、セキュアで便利な「Sign In with Apple」などは
iOS13と共通の新機能

 iOS 13のほか、Apple Watch用「watchOS 6」、Apple TV 4K/Apple TV HD用「tvOS 13」も発表した。iPadとの連携機能を強化したMacOSの最新版、「macOS Catalina(カタリナ)」もプレビューした。それぞれ、デベロッパー向けプレビューが同日、パブリックベータプログラムが来月に開始する。今秋には、Appleオリジナルのビデオ配信サービス「Apple TV+」、ゲーム配信サービス「Apple Arcade」もリリース予定。
 
macOS Catalinaでは、従来のiTunesがApple Music、Apple Podcasts、Apple TVアプリケーションに
置き換わる(左:Apple Music、右:Apple Podcasts)

iPadとMacの連携で広がるクリエイティビティの可能性

 家電量販店・オンラインショップの実売データを集計した「BCNランキング」によると、Appleは、2015年、17年、18年と、タブレット端末を含むPC全体の年間販売台数1位を獲得(マイクロソフトのSurfaceシリーズ、Amazon Kindleシリーズは含まない)。18年9月配信開始の「macOS Mojave」は、iOSのアプリや連携機能を取り入れ、さらに次期OS「macOS Catalina」は、iPadを2台目のディスプレイや入力デバイスとして使える新機能「Sidecar(サイドカー)」を搭載する。
 
新機能「Sidecar」は、iPadをMacの周辺機器に変える

 iPadが機能面でPCに近づくと、Appleは、新しいPCの購入検討者に対し、Windows PCでは難しい、「スマートフォンと同じメーカーで揃えるメリット」をより強く打ち出せるようになる。専用に設計したiPadOSの登場は、アートを中心に、クリエイティビティの可能性を広げる進化になるだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。