【中国・上海発】手ごろな携帯オーディオプレーヤーを探していたとき、洗練されたデザインで手のひらサイズの「AP80」に出会った。デザインと139米ドルと安いのも魅力的だったが、その完成度の高さに驚いた。中国のシリコンバレーともいわれる深センにほど近い東莞にあるHidizs製だ。日本で手に入れたのだが、たまたま上海に来る機会があったので、観光名所として有名な外灘で実機を里帰りさせて記念撮影した。意外にすごい実力を持つAP80について紹介したい。東莞と上海ではかなり距離はあるが、同じ中国ということで勘弁してほしい。
最後に買った携帯オーディオプレーヤーは、アップルの初代iPod nanoだった。かなり長いこと愛用していたが、16GBモデルと圧倒的に容量不足であるため曲の入れ替えが面倒だった。ものすごく重いソフトであるiTunesを立ち上げるのもおっくうになり、iPod自体を使わなくなってしまった。いつしか音楽を聴く時はスマートフォン(スマホ)を使うことが多くなっていた。ただ、どうもしっくりこない。大きく重いスマホにケーブルをつないで音楽を聴くのが煩わしかったからだ。かといって、今はやりの完全ワイヤレスイヤホンを使う気がしない。興味はあるが、絶対に落としてなくしたり壊したりする自信がある。iPod nanoに代わる、いいプレーヤーはないものかと探していた。そこで見つけたのがAP80だった、というわけだ。
Hidizsは2004年に創業したオーディオ機器メーカーで、AP80は携帯音楽プレーヤーとして5機種目の最新モデル。大きさが幅49mm、高さ58mm、厚さ13mm、重さ70gと手のひらに乗る小型サイズで、軽量ながらハイレゾ音源にも対応し、タッチパネルでの操作性にも優れている。正方形に近い角張ったデザインもモダンで特徴的だ。右側に電源ボタンも兼ねた押し込み式のボリュームダイヤルを備えている。ストレージは内蔵しないが、microSDカードスロットがあり、手持ちの音源を入れたメモリーカードを挿して使う。容量はギガなんてけち臭いことを言わず、1TBまでのカードにドカンと対応。ほとんどの人は、手持ちの音楽を全部持ち歩くことができるだろう。私が持っているデジタルの音楽ライブラリーは70GB足らずしかないので、128GBのカードに余裕で格納。音楽の全財産を持ち歩いて日々楽しんでいる。
音質は透明感とスピード感があるのが特徴だ。ただ購入当初はやや線が細い印象だった。普段愛用しているイヤホン、Shureの「425」は低域から高域までが比較的フラットな特性。そのためかポップスを聴くとパンチ不足な感じがしたからだ。しかし、低域が豊かで愛用しているヘッドホン、マスター&ダイナミックの「MH30」で聴くと、見違えるほどパワフルな音が楽しめた。ここでAP80の実力はかなりなものだと実感した。さらに特筆すべき機能はHiBy Musicに対応したスマホ連携。アプリをインストールするとBluetooth経由で接続することができ、選曲や音量調整、プレイリストの作成などがスマホやタブレットでできるようになる。つまり、胸ポケットや鞄にAP80を入れたまま、手元のスマホで自由に操作することができるわけだ。これは極めて便利。あたかも完全ワイヤレスイヤホンを使っているような感覚でありながら、ケーブル接続のため音質の劣化は皆無。イヤホンを耳から落として片方をなくしてしまうなんて心配もない。
優れている点はまだある。Bluetooth接続は親側にも子側にもなれるということ。つまり、リモコン的にスマホでAP80を操作するのとは逆に、スマホの音源をAP80に飛ばして聴くこともできるわけだ。ソニーのLDACにも対応しているので、Bluetooth接続でも高音質が維持できる。もう一つ、スマホやPCとUSBケーブルで接続すると、AP80をヘッドホンアンプとしても使うことができるという、とてもマルチな機能を搭載している。まだあった。FMラジオもあり、私は使わないが、歩数計までついている。まさに全部入りプラスアルファという、中国メーカーの設計らしい大サービスぶりだ。800mA/hのバッテリーで最大15時間音楽を楽しめるのもうれしい。正直言って、これまで中国メーカーのオーディオ機器は食わず嫌いだったが、フォルムに惹かれてAP80を使ってみて考えが変わった。ここまでの完成度なら問題はない。これからは中国メーカーのオーディオ系製品にも注目していきたい。(BCN・道越一郎)
最後に買った携帯オーディオプレーヤーは、アップルの初代iPod nanoだった。かなり長いこと愛用していたが、16GBモデルと圧倒的に容量不足であるため曲の入れ替えが面倒だった。ものすごく重いソフトであるiTunesを立ち上げるのもおっくうになり、iPod自体を使わなくなってしまった。いつしか音楽を聴く時はスマートフォン(スマホ)を使うことが多くなっていた。ただ、どうもしっくりこない。大きく重いスマホにケーブルをつないで音楽を聴くのが煩わしかったからだ。かといって、今はやりの完全ワイヤレスイヤホンを使う気がしない。興味はあるが、絶対に落としてなくしたり壊したりする自信がある。iPod nanoに代わる、いいプレーヤーはないものかと探していた。そこで見つけたのがAP80だった、というわけだ。
Hidizsは2004年に創業したオーディオ機器メーカーで、AP80は携帯音楽プレーヤーとして5機種目の最新モデル。大きさが幅49mm、高さ58mm、厚さ13mm、重さ70gと手のひらに乗る小型サイズで、軽量ながらハイレゾ音源にも対応し、タッチパネルでの操作性にも優れている。正方形に近い角張ったデザインもモダンで特徴的だ。右側に電源ボタンも兼ねた押し込み式のボリュームダイヤルを備えている。ストレージは内蔵しないが、microSDカードスロットがあり、手持ちの音源を入れたメモリーカードを挿して使う。容量はギガなんてけち臭いことを言わず、1TBまでのカードにドカンと対応。ほとんどの人は、手持ちの音楽を全部持ち歩くことができるだろう。私が持っているデジタルの音楽ライブラリーは70GB足らずしかないので、128GBのカードに余裕で格納。音楽の全財産を持ち歩いて日々楽しんでいる。
音質は透明感とスピード感があるのが特徴だ。ただ購入当初はやや線が細い印象だった。普段愛用しているイヤホン、Shureの「425」は低域から高域までが比較的フラットな特性。そのためかポップスを聴くとパンチ不足な感じがしたからだ。しかし、低域が豊かで愛用しているヘッドホン、マスター&ダイナミックの「MH30」で聴くと、見違えるほどパワフルな音が楽しめた。ここでAP80の実力はかなりなものだと実感した。さらに特筆すべき機能はHiBy Musicに対応したスマホ連携。アプリをインストールするとBluetooth経由で接続することができ、選曲や音量調整、プレイリストの作成などがスマホやタブレットでできるようになる。つまり、胸ポケットや鞄にAP80を入れたまま、手元のスマホで自由に操作することができるわけだ。これは極めて便利。あたかも完全ワイヤレスイヤホンを使っているような感覚でありながら、ケーブル接続のため音質の劣化は皆無。イヤホンを耳から落として片方をなくしてしまうなんて心配もない。
優れている点はまだある。Bluetooth接続は親側にも子側にもなれるということ。つまり、リモコン的にスマホでAP80を操作するのとは逆に、スマホの音源をAP80に飛ばして聴くこともできるわけだ。ソニーのLDACにも対応しているので、Bluetooth接続でも高音質が維持できる。もう一つ、スマホやPCとUSBケーブルで接続すると、AP80をヘッドホンアンプとしても使うことができるという、とてもマルチな機能を搭載している。まだあった。FMラジオもあり、私は使わないが、歩数計までついている。まさに全部入りプラスアルファという、中国メーカーの設計らしい大サービスぶりだ。800mA/hのバッテリーで最大15時間音楽を楽しめるのもうれしい。正直言って、これまで中国メーカーのオーディオ機器は食わず嫌いだったが、フォルムに惹かれてAP80を使ってみて考えが変わった。ここまでの完成度なら問題はない。これからは中国メーカーのオーディオ系製品にも注目していきたい。(BCN・道越一郎)