車中の空気汚染は外の15倍! ブルーエアから“車載用”空気清浄機という新提案

 車中の空気はホコリだけでなく、花粉やPM2.5、芳香剤による揮発物質など、さまざまな有害物質やアレル物質を含んでいる。スウェーデンの空気清浄機ブランド「Blueair(ブルーエア)」の新製品はそんな身近な空気の汚れに着目。3月12日に同社初となる車載用空気清浄機「Blueair Cabin(キャビン)」を東京・青山にある「ボルボ スタジオ 青山」で発表した。

これまでの車載用空気清浄機の概念を一新する「Blueair Cabin」
(写真は発表会が開催された「ボルボ スタジオ 青山」)

 Blueair Cabinは、家庭用のBlueairと同じく独自の「HEPASilentテクノロジー」を搭載し、大風量による空気清浄で中型車ならば最速3分、SUV車ならば最速5分で車特有の有害物質やアレル物質を99%除去する。電源は、アクセサリーソケットにコントローラーを挿して確保。コントローラーの上部を回すことで、電源オンや風量調整が可能となっている。車内の空気状態は、コントローラーのLEDでリアルタイムで可視化することもできる。
 
ヘッドレストにベルトで装着する
 
コントローラーはアクセサリーソケットに接続。上部を回転させて操作する

 スクウェア型の専用フィルターは活性炭を練りこんでおり、コンパクトながらPM2.5や花粉、ホコリ、ペットの皮膚屑、ホルムアルデヒド、ベンジン、タイヤ屑など、さまざまな有害物質を吸引。通常のBlueairと同様、日ごろのメンテナンスは必要なく、半年に1回のフィルター交換を推奨している(1日2.5時間、週6回、乗車した場合)。
 
専用フィルターには活性炭を練りこんである

 販売代理店であるセールス・オンデマンド(SOD)の室﨑肇社長は、「車中の空気は外の15倍汚れている。実際に、自動車保有者の10人中9人が運転中の空気の汚れを意識しているというデータもある」と新製品の潜在需要について説明。セールス・オンデマンドが国内300人のファミリードライバー実施した調査によると、約80%が1回あたりの乗車時間は2時間未満と短いということが判明したが、そんな“ちょい乗り”ニーズにもマッチするという。
 
SODの室﨑肇社長

 その理由がBlueairならではの清浄スピードだ。これまで市場には、車載ホルダーに置く小型の空気清浄機があったが、これらは空気清浄に時間がかかり、短時間の乗車で効果的に空気をきれいにすることができないという欠点があった。その点、Blueair Cabinなら3~5分という短時間で空気を丸ごと清浄できるので、常に清潔な空気を維持できるというわけだ。

 車両サイズに合わせた2モデルをラインアップし、公式ストアの税別価格は、3~4平方メートルのセダンやハッチバックで推奨する「Blueair Cabin P2i」が2万9000円、5~7平方メートルのSUVやミニバンで推奨する「Blueair Cabin P2iD」が4万8000円、Blueair Cabin専用フィルターが4000円。
 
左から「Blueair Cabin P2i」「Blueair Cabin P2iD」

 初めて展開するタイプの製品であるだけに、販売目標を設定せず、3月15日の発売日時点で販路が公式オンラインストアと一部のECショップに限定されているが、今後の動向次第でリアルショップでの販売も検討するとのこと。例年以上に猛威を振るっている花粉対策やGW(ゴールデンウィーク)のレジャー需要として、注目を集めそうだ。(BCN・大蔵 大輔)