中国からPCが届いた。10月26日に1割の前金を払って事前注文し、1年で最大のセール日11月11日に、残金を支払って注文を確定させたPCだ。発送が11月23日、自宅に到着したのが12月3日だった。大繁忙期にもかかわらず注文の確定から1か月弱なら早いほうなのかもしれない。買ったのはChuwiのLapbook SE。13.3インチのIPSフルHD液晶画面を備えるクラムシェル型PCだ。価格は269.78米ドル、日本円でおよそ3万円だ。安価なマシンながら外装がアルミで高級感があり、アップルのMacBook風のたたずまいが特徴だ。このマシン、間違いなく今年のベストバイの一つ、というほどとても気に入ったので、無事届いたこともあり、簡単に紹介したい。
Chuwiは、2004年に中国広東省・深センで設立されたタブレットやPCなどをつくるメーカー。ファーウェイやシャオミに比べれば日本での知名度はまだまだだが、中国製のPCを好む一部のマニアからは製品完成度が高いメーカーとして知られている。
さて、このLapbook SE、アルミ外装ボディのおかげで細部にわたって質感がよく安っぽさが皆無。キーボードも非常に打ちやすい。ディスプレイも美しく、全般的にとてもレベルが高いPCだと感じた。最薄部がおよそ7mmとかなり薄いが重さは1.4kgとやや重めなので、日常的に持ち運ぶのは少々厳しいかもしれない。
CPUはジェミニレイク世代のIntel Celeron N4100、メインメモリは4GBと決して高級マシンとは言えない。ベンチマークソフトのChinebench R15で計測した結果ではCPUが184cbと10年ほど前のCore i5程度のスピード。グラフィックスも12.72fpsとかなり低速だ。動画の編集やグラフィックスが豊かなゲームには向かない。とはいえ、通常のWebサイトや動画サイトの閲覧、Officeソフトの操作、少量のRAWファイル現像などでは十分活用できる実力を備える普段使いに適したPCだ。ストレージは、OSが入った64GBのeMMCに加え128GBのSSDもついている。eMMCが32GBのモデルも販売されているが、容量が小さすぎてOSアップグレード時に不安があった。OSのドライブは64GBあったほうがはるかに使いやすい。
輸入PCを日本で使うためには、しばらく前まで「日本語化」という面倒なハードルが立ちはだかっていた。しかしOSがWindows10になってからは、このハードルがほとんど無くなったと言っていい。初回起動時に日本語を選択するだけで、面倒な作業はほとんど必要ない。ほぼ日本で買ったPCと同じような感覚でセットアップすれば使えるようになる。問題は故障時のサポートだが、こればっかりは英語や中国語で販売元とやり取りしなければならないので骨が折れる。修理の際に本体を送るのも、海外発送になるためけっこう面倒で時間がかかる。そもそも購入時も届くまでにそれなりの時間がかかるのもまた事実だ。
現在日本で販売されているノートPCの税抜き平均単価は9万円台後半から10万円台前半。搭載CPU別で見ると、Corei7搭載モデルが2割以上を占め最も構成比が高い。平均単価も14万円台でとても高価だ。しかし、多少遅くてもいいから、安価で使いやすいPCがほしいという向きも少なくないだろう。そうした層にとって、日本のPC市場はとても買いにくい状況になっているようだ。普段使いの手ごろなPCが欲しくて、ちょっとした冒険心があるなら、一度、中国メーカーの格安PCを試してみてはどうだろう。きっと新たな発見があるだろう。(BCN・道越一郎)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などのPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
Chuwiは、2004年に中国広東省・深センで設立されたタブレットやPCなどをつくるメーカー。ファーウェイやシャオミに比べれば日本での知名度はまだまだだが、中国製のPCを好む一部のマニアからは製品完成度が高いメーカーとして知られている。
さて、このLapbook SE、アルミ外装ボディのおかげで細部にわたって質感がよく安っぽさが皆無。キーボードも非常に打ちやすい。ディスプレイも美しく、全般的にとてもレベルが高いPCだと感じた。最薄部がおよそ7mmとかなり薄いが重さは1.4kgとやや重めなので、日常的に持ち運ぶのは少々厳しいかもしれない。
CPUはジェミニレイク世代のIntel Celeron N4100、メインメモリは4GBと決して高級マシンとは言えない。ベンチマークソフトのChinebench R15で計測した結果ではCPUが184cbと10年ほど前のCore i5程度のスピード。グラフィックスも12.72fpsとかなり低速だ。動画の編集やグラフィックスが豊かなゲームには向かない。とはいえ、通常のWebサイトや動画サイトの閲覧、Officeソフトの操作、少量のRAWファイル現像などでは十分活用できる実力を備える普段使いに適したPCだ。ストレージは、OSが入った64GBのeMMCに加え128GBのSSDもついている。eMMCが32GBのモデルも販売されているが、容量が小さすぎてOSアップグレード時に不安があった。OSのドライブは64GBあったほうがはるかに使いやすい。
輸入PCを日本で使うためには、しばらく前まで「日本語化」という面倒なハードルが立ちはだかっていた。しかしOSがWindows10になってからは、このハードルがほとんど無くなったと言っていい。初回起動時に日本語を選択するだけで、面倒な作業はほとんど必要ない。ほぼ日本で買ったPCと同じような感覚でセットアップすれば使えるようになる。問題は故障時のサポートだが、こればっかりは英語や中国語で販売元とやり取りしなければならないので骨が折れる。修理の際に本体を送るのも、海外発送になるためけっこう面倒で時間がかかる。そもそも購入時も届くまでにそれなりの時間がかかるのもまた事実だ。
現在日本で販売されているノートPCの税抜き平均単価は9万円台後半から10万円台前半。搭載CPU別で見ると、Corei7搭載モデルが2割以上を占め最も構成比が高い。平均単価も14万円台でとても高価だ。しかし、多少遅くてもいいから、安価で使いやすいPCがほしいという向きも少なくないだろう。そうした層にとって、日本のPC市場はとても買いにくい状況になっているようだ。普段使いの手ごろなPCが欲しくて、ちょっとした冒険心があるなら、一度、中国メーカーの格安PCを試してみてはどうだろう。きっと新たな発見があるだろう。(BCN・道越一郎)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などのPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。