U-16プログラミングコンテストが山梨にも波及、第1回大会を開催
PCやプログラミングに興味を持つ16歳以下の小学生、中学生、高校生を対象に、ITの関心を高めてもらい将来のITエンジニアを育成する目的で、日本各地で開催している「U-16プログラミングコンテスト(U-16プロコン)」が、山梨にも波及した。U-16山梨プログラムコンテスト実行委員会は12月8日、県立甲府工業高校で「第1回U-16山梨プログラミングコンテスト」を開催。初回ということもあってか応募に難航し、当日は競技部門に2人が参加、作品部門に4人の作品がノミネートされた。
U-16プロコンは2011年9月に北海道旭川市で開催したのをきっかけに道内の帯広や釧路へと広がり、その後は道外の長野や愛媛、今年は和歌山、三重、山梨など10か所に飛び火した。先輩が後輩にプログラミングを教えることで自らも学び、大人たちはボランティアで支えるというユニークな運営方法を導入しているのも特徴だ。
U-16山梨プロコン実行委員会の中道康隆委員長は冒頭の挨拶で「2020年から小学校でプログラミングが義務化されるが、その意味について理解している人は2割程度という調査があった。なかには『子どもをプログラマーに育てるつもりはない』などという誤解もある。文科省の文面をそのまま引用すると、(プログラミング教育は)情報活用能力を、言語能力と同様に学習の基礎となる資質・能力であると位置づけている。音楽家になるために音楽の授業があるわけではないのと同じで、プログラミングに対する誤解をわれわれも解いていきたい」と、プログラミングの認知向上に取り組む必要性について語った。
コンテストの表彰対象は「競技部門」と「作品部門」の二つ。競技部門では、3台のネットワークにつながったPCが用意され、2台のPCで選手それぞれが「チェイサー」というソフトで対戦する。もう1台は、対戦する会場としてのサーバーの役割を果たす。
選手はC(Cool)とH(Hot)に分かれたコマを、あらかじめ作成して準備したプログラムで動かす。コマは宝石を取っていきながら、相手と隣り合わせになったときに「PutAction」というコマンド操作で相手に重なった方が勝ちになる。限られたアクションのなかでPutActionができなければ、宝石を多くとった方が勝ちとなる。
通常は勝ち抜きトーナメントで実施されるが、U-16山梨プロコンでは参加者が2人だったので対戦型となり、中学2年生の吉川椛(もみじ)さんが優勝し、中学3年生の武井祐さんが準優勝として表彰された。
作品部門には4人がノミネート。応募した作品の工夫や苦労した点などを審査員の前でプレゼンして、審査員が評価する。優秀な作品に対して「金賞」「銀賞」「審査員特別賞」を表彰する。
競技部門で優勝した吉川さんは、作品部門でも「金賞」を受賞。プログラミング言語のPythonを使って、潜水艦が泡に当たって得点を積み重ねていく「バブルアタック!潜水艦ゲーム」という作品を披露した。
「銀賞」は、兵藤蒼空(そら)さんは、小学4年生だ。が作成したスクラッチで書いた「お金集めゲーム」というゲームは、わずか1日で6時間ほどで作り上げたという。
「審査員特別賞」を受賞した中学2年生の中村玄樹さんは、プログラミング言語のスクラッチで組んだ「TOKYO2020へのカウントダウン」を出品。1分前になるとメーターやアニメ、画面が変わって音楽も流れるなど工夫した。
小学6年生の伊藤文一さんも「審査員特別賞」を受賞。こちらはBlenderという3D CGソフトを使って、家にある「薪ストーブ」を描写した。「ストーブの脚の部分を尖らせるためのモデリングや、レンダリングなどに時間がかかって大変だった」と語り審査員をうならせていた。
総評として審査委員の宮本久仁男氏は「第1回大会は周知がされていないことで応募者が少ないケースがあるが、今回参加された皆さんは情報をキャッチするアンテナが高いということ。また地域にどの程度のレベルの仲間がいるのかが分かれば、励みにもなるので精進していただきたい」と語り、参加者たちが引き続きプログラミングに関心を持ってレベルアップすることを期待した。
競技部門で優勝した吉川さんは、2019年1月18日に東京で開催する「BCN AWARD 2019 / BCN ITジュニア賞 2019」表彰式で授与されるBCN ITジュニア U16賞にノミネートされる。(BCN・細田 立圭志)
U-16プロコンは2011年9月に北海道旭川市で開催したのをきっかけに道内の帯広や釧路へと広がり、その後は道外の長野や愛媛、今年は和歌山、三重、山梨など10か所に飛び火した。先輩が後輩にプログラミングを教えることで自らも学び、大人たちはボランティアで支えるというユニークな運営方法を導入しているのも特徴だ。
U-16山梨プロコン実行委員会の中道康隆委員長は冒頭の挨拶で「2020年から小学校でプログラミングが義務化されるが、その意味について理解している人は2割程度という調査があった。なかには『子どもをプログラマーに育てるつもりはない』などという誤解もある。文科省の文面をそのまま引用すると、(プログラミング教育は)情報活用能力を、言語能力と同様に学習の基礎となる資質・能力であると位置づけている。音楽家になるために音楽の授業があるわけではないのと同じで、プログラミングに対する誤解をわれわれも解いていきたい」と、プログラミングの認知向上に取り組む必要性について語った。
コンテストの表彰対象は「競技部門」と「作品部門」の二つ。競技部門では、3台のネットワークにつながったPCが用意され、2台のPCで選手それぞれが「チェイサー」というソフトで対戦する。もう1台は、対戦する会場としてのサーバーの役割を果たす。
選手はC(Cool)とH(Hot)に分かれたコマを、あらかじめ作成して準備したプログラムで動かす。コマは宝石を取っていきながら、相手と隣り合わせになったときに「PutAction」というコマンド操作で相手に重なった方が勝ちになる。限られたアクションのなかでPutActionができなければ、宝石を多くとった方が勝ちとなる。
通常は勝ち抜きトーナメントで実施されるが、U-16山梨プロコンでは参加者が2人だったので対戦型となり、中学2年生の吉川椛(もみじ)さんが優勝し、中学3年生の武井祐さんが準優勝として表彰された。
作品部門には4人がノミネート。応募した作品の工夫や苦労した点などを審査員の前でプレゼンして、審査員が評価する。優秀な作品に対して「金賞」「銀賞」「審査員特別賞」を表彰する。
競技部門で優勝した吉川さんは、作品部門でも「金賞」を受賞。プログラミング言語のPythonを使って、潜水艦が泡に当たって得点を積み重ねていく「バブルアタック!潜水艦ゲーム」という作品を披露した。
「銀賞」は、兵藤蒼空(そら)さんは、小学4年生だ。が作成したスクラッチで書いた「お金集めゲーム」というゲームは、わずか1日で6時間ほどで作り上げたという。
「審査員特別賞」を受賞した中学2年生の中村玄樹さんは、プログラミング言語のスクラッチで組んだ「TOKYO2020へのカウントダウン」を出品。1分前になるとメーターやアニメ、画面が変わって音楽も流れるなど工夫した。
小学6年生の伊藤文一さんも「審査員特別賞」を受賞。こちらはBlenderという3D CGソフトを使って、家にある「薪ストーブ」を描写した。「ストーブの脚の部分を尖らせるためのモデリングや、レンダリングなどに時間がかかって大変だった」と語り審査員をうならせていた。
総評として審査委員の宮本久仁男氏は「第1回大会は周知がされていないことで応募者が少ないケースがあるが、今回参加された皆さんは情報をキャッチするアンテナが高いということ。また地域にどの程度のレベルの仲間がいるのかが分かれば、励みにもなるので精進していただきたい」と語り、参加者たちが引き続きプログラミングに関心を持ってレベルアップすることを期待した。
競技部門で優勝した吉川さんは、2019年1月18日に東京で開催する「BCN AWARD 2019 / BCN ITジュニア賞 2019」表彰式で授与されるBCN ITジュニア U16賞にノミネートされる。(BCN・細田 立圭志)