今年最後の大物スマホ「HUAWEI Mate 20 Pro」、年末商戦の目玉に

 英ロンドンで10月に発表されたファーウェイの最新Androidスマートフォン「HUAWEI Mate 20 Pro」が、いよいよ日本に上陸した。3機種の新型iPhoneや日本初上陸のGoogleのPixel3をはじめ、国内メーカーからも意欲的な新モデルが発売された今秋のスマホ市場だが、「HUAWEI Mate 20 Pro」がもたらすインパクトは大きそうだ。

SIMフリーで11月30日、ソフトバンクで12月中旬以降に発売される「HUAWEI Mate 20 Pro」

 日本で11月28日に開催された発表会では、ファーウェイデバイス 日本・韓国リージョンプレジデントの呉波氏が、恒例となっている世界と日本のスマホ市場におけるファーウェイのポジションを説明。調査会社のIDCが7月31日に発表した2018年Q2(4~6月)のグローバル市場におけるスマートフォンの出荷台数シェアで、同社は初めて世界2位に躍進し、Q3でもその地位をキープしていることをアピールした。
 
世界と日本におけるスマホ市場の状況を説明する、ファーウェイデバイス 日本・韓国リージョンプレジデントの呉波氏

 国内市場も好調だ。全国の家電量販店やECサイトの実売データを集計する「BCNランキング」において、18年6~10月のAndroid市場で1位を獲得。これはSIMフリーだけでなくキャリアも含めた実績で、ファーウェイのキャリア戦略が奏功してきていることの証でもある。MM総研が発表している18年上半期のスマホ出荷数のデータでは、上位5社中、最大の成長率を記録。いま最も勢いのあるスマホメーカーというお墨付きももらっている。

 今回発表した「HUAWEI Mate 20 Pro」は海外では10月に発売され、メディアや有識者による評価は高く、番付では多くのNo.1を獲得している。その原動力となっているのが、数多くのユニーク機能だ。
 
海外メディアや有識者からの高い評価を獲得

 わかりやすいところでいえば、Leicaレンズを採用したトリプルカメラ。背面に四角に配置されたデザインからして個性的だが、性能や機能も独自の進化を遂げている。焦点距離は約4000万画素/F1.8/27mmの広角、約2000万画素/F2.2/16mmの超広角、約800万画素/F2.4/80mmの3倍望遠という構成によって、16~270mmという幅広さを実現。受光感度はISO102400とハイエンドの一眼レフ並みだ。
 
Leicaレンズを採用したトリプルカメラ

 約2.5cmまで近寄れるマクロ撮影などは特に当てはまるが、とにかく画角や明るさという写真撮影において必ず生じる制約が少ない。これは写真にこだわりがあるユーザーだけでなく、日ごろなにげなく写真を撮影しているというユーザーにとっても歓迎すべきポイントだろう。
 
マクロ撮影モードは被写体に近づけるだけで自動で起動する

 基本の撮影機能だけでなく、カメラ機能の多彩さも魅力だ。AIによるシーン認識機能などの機能はもちろん踏襲しているが、新機能も数多い。例えば、モノクロ動画中の人物のみに色づけをする「ハリウッド効果」。AIが動きのある被写体を正確に追従することで、これまでにない印象的な動画を撮影することができる。個人を認識して周囲をボカした動画を生成する「ポートレートストーリー」もAIカメラだからこその機能といえる。
 
AIを生かした新たなカメラ機能もを多数搭載

 実用性のあるものとして、被写体を識別してECサイトの購入ページに誘導する機能や食べ物のカロリーを自動算出する機能も目新しい。このほか、3DのオブジェクトをスキャンしてARキャラクターとして写真や動画に挿入できるなど、スマホカメラの域を超えた機能もある。
 
被写体を識別することで実用的な機能も提供する(写真はカロリー計算機能)

 今夏に発売されたフラグシップモデル「HUAWEI P20 Pro」は次世代スマホにふさわしいAIとトリプルカメラを搭載していたが、発売がNTTドコモのみで泣く泣く購入をあきらめたユーザーも多いだろう。しかし、「HUAWEI Mate 20 Pro」は、SIMフリーとソフトバンクからの発売予定。購入ハードルがぐっと下がった。決して安くはないが、11万1880円という値段はiPhoneやPixel3を購入候補にしているユーザーなら十分に検討余地のあるものだろう。消費者としては選択肢が増えることは喜ばしいが、メーカーにとってはiPhone一強時代に風穴を開けるかもしれない勝負の年末商戦になりそうだ。