コスパ最強? ドンキの変形完全ワイヤレスイヤホンをガチ検証
ケーブルを排した左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンは“流行”から“定着”のフェーズに移行しつつある。オーディオメーカー各社からは、音質や使い勝手を向上させた第2世代(もしくは第3世代)の新製品が登場している。
そんな活況な市場にアイデア勝負を仕掛けているのが、大手ディスカウントストアのドン・キホーテだ。プライベートブランド「情熱価格 PREMIUM」から10月26日に発売された「3WAY ワイヤレスイヤホン」は、ケーブル脱着でワイヤード・ワイヤレス・完全ワイヤレスの3通りの視聴スタイルに変形可能。従来にない斬新な使い方を提案している。
ドンキにとって自社ブランドから発売する完全ワイヤレスイヤホンは2代目。初代「DZBES-100-D」は税別5980円と割安ながら、意外にも(というと失礼かもしれないが)音質や使い勝手がよく、話題になった。
新モデルとなる「3WAY ワイヤレスイヤホン」は、3通りのスタイルに対応するという斬新な使い方のために、2種類のケーブルや新構造の充電ケースを採用。付属品や製造工程の手間は増えているものの、価格は税別7980円。初代以上に価格インパクトのあるドンキらしい製品になっている。しかし、コスパモデルと認定するには、価格以上の性能を有していることが絶対条件。果たして、「3WAY ワイヤレスイヤホン」はその条件を満たしているのか。全方位から検証してみた。
一方、ケースはバッテリー搭載ケーブルも収納できるようになっているため、一般的なものよりやや大きめだ。本体は中央に収納し、バッテリー搭載ケーブルは周囲に巻きつける構造。ケーブルの長さはぴったりに調整されているので、わずらわしさはないが、うまく溝にはまっていないとケースが閉まらないので気をつける必要がある。ケースはプラスチック製でややチープな印象。価格を抑えるために割り切った部分なのだろう。
アクセサリ類は充実している。ケーブルは3本、バッテリー搭載ケーブル、ファンクションボタンを備えるイヤホンジャックケーブル、USB充電ケーブルを付属。USB充電ケーブルは24cmと短めで、ACアダプターは付属していない。充電はPCと接続するか、所有しているACアダプターと長めのmicroUSBケーブルを使用するか、どちらかの手段をとることになりそうだ。
シリコンイヤーピースは4種類(XS/S/M/L)。さらに、低反発のウレタンイヤーピースも同梱する。高級機でよく採用されているComply製ではないものの、選択肢が豊富にあるのは1万円を切るコスパモデルとしては珍しい。シリコンイヤーサポートやイヤーサポート一体型シリコンイヤーピースも付属しており、自分にぴったりの装着感は見つかりやすそうだ。
完全ワイヤレス、ワイヤレス、ワイヤードのそれぞれで音質を確認してみた。まずは、完全ワイヤレス。2~3万円台のモデルと比較すると、音の解像度はやや粗い。しかし、音の分離がよく、立体感があって広がりのあるサウンドで、1万円以下のモデルとしてはレベルは十分基準を満たしていると感じた。低音はややこもっているが、中高音域にはメリハリがある。
バッテリー搭載ケーブルを装着するとスムーズに“ワイヤレスモード”に変形する。音はほとんど変わらない。ただ、左右のイヤホンが無線から有線接続になるので、混雑している場所などでも音が途切れることはない。ポロリと片方のイヤホンが落下しても、紛失してしまう心配もない。完全ワイヤレスとして使用するのが不安な環境下で切り替えられるのは大きなメリットだ。
ワイヤードにすると、音の解像度がぐっと上がる。こもっていた低音も迫力が増す。イヤホンジャックケーブルはケースに収納できないため、外で使用するなら別途持ち歩く必要がある。同梱物には、ケーブルをまとめる留め具も入っている。
変形構造によってもっとも恩恵があるのが、バッテリーだ。「3WAY ワイヤレスイヤホン」の連続再生時間は最大5時間と、アップルのAirPodsと同等。一般的なモデルと比較しては平均クラスだが、それでも使い勝手という点では不安がある。それを最大5時間の連続再生が可能なバッテリー搭載ケーブルや、そもそもバッテリーを必要としないイヤホンジャックケーブルと組み合わせることで解決できる。
結論として「3WAY ワイヤレスイヤホン」は、完全ワイヤレスイヤホンをファッショナブルに身につけたかったり、高級モデル並みの高音質で楽しみたかったりする人には向かないかもしれない。しかし、試しに使ってみたい、完全ワイヤレスのスタイルに不安がある、という人には絶好の入門機になる。基本性能だけでもコスパモデルとしては高く評価できるし、変形機構は想像以上に便利。ひょっとしたら、専業のオーディオメーカーが追随することもあるかもしれない。
(BCN・大蔵 大輔)
そんな活況な市場にアイデア勝負を仕掛けているのが、大手ディスカウントストアのドン・キホーテだ。プライベートブランド「情熱価格 PREMIUM」から10月26日に発売された「3WAY ワイヤレスイヤホン」は、ケーブル脱着でワイヤード・ワイヤレス・完全ワイヤレスの3通りの視聴スタイルに変形可能。従来にない斬新な使い方を提案している。
ドンキにとって自社ブランドから発売する完全ワイヤレスイヤホンは2代目。初代「DZBES-100-D」は税別5980円と割安ながら、意外にも(というと失礼かもしれないが)音質や使い勝手がよく、話題になった。
新モデルとなる「3WAY ワイヤレスイヤホン」は、3通りのスタイルに対応するという斬新な使い方のために、2種類のケーブルや新構造の充電ケースを採用。付属品や製造工程の手間は増えているものの、価格は税別7980円。初代以上に価格インパクトのあるドンキらしい製品になっている。しかし、コスパモデルと認定するには、価格以上の性能を有していることが絶対条件。果たして、「3WAY ワイヤレスイヤホン」はその条件を満たしているのか。全方位から検証してみた。
デザインはややチープ、でも技ありの充電ケース
本体の形状やサイズは一般的な完全ワイヤレスイヤホンと大差はない。ケーブルを接続するジャックがあるため、やや先端が尖っている。操作部は左右に備わっているファンクションボタンのみ。再生/一時停止はRもしくはLを1回、音量調整は上げるときにRのボタンを2回、下げたいときにLを2回、曲送りはRを3回、曲戻りはLを3回押す。慣れしまえば直感的にコントロールすることができる。スマートフォンと接続している場合は電話の応答も可能だ。一方、ケースはバッテリー搭載ケーブルも収納できるようになっているため、一般的なものよりやや大きめだ。本体は中央に収納し、バッテリー搭載ケーブルは周囲に巻きつける構造。ケーブルの長さはぴったりに調整されているので、わずらわしさはないが、うまく溝にはまっていないとケースが閉まらないので気をつける必要がある。ケースはプラスチック製でややチープな印象。価格を抑えるために割り切った部分なのだろう。
アクセサリ類は充実している。ケーブルは3本、バッテリー搭載ケーブル、ファンクションボタンを備えるイヤホンジャックケーブル、USB充電ケーブルを付属。USB充電ケーブルは24cmと短めで、ACアダプターは付属していない。充電はPCと接続するか、所有しているACアダプターと長めのmicroUSBケーブルを使用するか、どちらかの手段をとることになりそうだ。
シリコンイヤーピースは4種類(XS/S/M/L)。さらに、低反発のウレタンイヤーピースも同梱する。高級機でよく採用されているComply製ではないものの、選択肢が豊富にあるのは1万円を切るコスパモデルとしては珍しい。シリコンイヤーサポートやイヤーサポート一体型シリコンイヤーピースも付属しており、自分にぴったりの装着感は見つかりやすそうだ。
完全ワイヤレス、ワイヤレス、ワイヤードのそれぞれで音質を確認してみた。まずは、完全ワイヤレス。2~3万円台のモデルと比較すると、音の解像度はやや粗い。しかし、音の分離がよく、立体感があって広がりのあるサウンドで、1万円以下のモデルとしてはレベルは十分基準を満たしていると感じた。低音はややこもっているが、中高音域にはメリハリがある。
バッテリー搭載ケーブルを装着するとスムーズに“ワイヤレスモード”に変形する。音はほとんど変わらない。ただ、左右のイヤホンが無線から有線接続になるので、混雑している場所などでも音が途切れることはない。ポロリと片方のイヤホンが落下しても、紛失してしまう心配もない。完全ワイヤレスとして使用するのが不安な環境下で切り替えられるのは大きなメリットだ。
ワイヤードにすると、音の解像度がぐっと上がる。こもっていた低音も迫力が増す。イヤホンジャックケーブルはケースに収納できないため、外で使用するなら別途持ち歩く必要がある。同梱物には、ケーブルをまとめる留め具も入っている。
変形構造によってもっとも恩恵があるのが、バッテリーだ。「3WAY ワイヤレスイヤホン」の連続再生時間は最大5時間と、アップルのAirPodsと同等。一般的なモデルと比較しては平均クラスだが、それでも使い勝手という点では不安がある。それを最大5時間の連続再生が可能なバッテリー搭載ケーブルや、そもそもバッテリーを必要としないイヤホンジャックケーブルと組み合わせることで解決できる。
結論として「3WAY ワイヤレスイヤホン」は、完全ワイヤレスイヤホンをファッショナブルに身につけたかったり、高級モデル並みの高音質で楽しみたかったりする人には向かないかもしれない。しかし、試しに使ってみたい、完全ワイヤレスのスタイルに不安がある、という人には絶好の入門機になる。基本性能だけでもコスパモデルとしては高く評価できるし、変形機構は想像以上に便利。ひょっとしたら、専業のオーディオメーカーが追随することもあるかもしれない。
(BCN・大蔵 大輔)