背景を自然にボケさせるポートレートモード
超解像技術は背景を後処理でボケさせるポートレートモードでも使われているようです。上がボケなし。下がポートレートモードによるボケありの画像です。直線の多い被写体ですが、ボケとの境目は全域にわたってシャープ。メインとなる被写体までの距離を正確に計測できないとこうはいきません。
またボケの形も自然ですよね。背景がごちゃごちゃとしたシーンであっても「Pixel 3」「Pixel 3 XL」は違和感なく滲みを追加します。
ご覧ください。メインの被写体である肉には全体的にピントを合わせたまま、その奥は自然なグラデーションでボケさせています。
ターゲットはシャープに、背景はなだらかにボケさせる実力があるということは、テーブルフォトも得意だということ。
確認した限り、どのような被写体も明るめの露出で撮影するようでした。食品の発色が重要なテーブルフォトにおいて、このAEの方向性は正しいものといえます。
失敗のない写真が撮れるトップショット
撮影した瞬間、レンズに指がかかっていたり、髪の毛がブワッと広がり過ぎてしまったりと、せっかくの決定的瞬間を逃してしまうことってありますよね。シャッターを切る前後の画像も記録するトップショット機能が付いている「Pixel 3」「Pixel 3 XL」なら大丈夫です。数枚~十数枚の撮影画像の中から、もっとも綺麗に撮れている写真が選べるのですから。しかも「Pixel 3」「Pixel 3 XL」側がレコメンドまでしてくれます。
「Pixel 3」「Pixel 3 XL」は、まるで写真の腕が上がったかのように思わせてくれるスマートフォンです。ストレスを感じないから、撮影がもっと楽しくなりますよ。
広角で被写体にぐいっと寄れる前面デュアルカメラ
主に自撮りに使うフロントカメラは800万画素/f1.8、800万画素/f2.2のデュアルカメラとなっています。標準レンズは画角が75°、広角レンズは97°となっており、広角なら近距離からでも複数の被写体を余裕をもって撮影することができました。自分だけではなく家族やパートナー、友達が入った写真が撮りやすいように、広角レンズを装備しているんですね。
ハイエンドスマートフォンはリアカメラ側をデュアルカメラ、トリプルカメラとしたモデルが大半ですが、「Pixel 3」「Pixel 3 XL」はフロント側がデュアル。Googleが自撮りを重要視していることが伝わってきますね。
Google最新サービスと密接に連携している
「Pixel 3」「Pixel 3 XL」の発売に合わせて、Googleレンズが日本語に対応しました。このサービスはスマートフォンのカメラで捉えた被写体の名前や所在地、関連商品などを表示してくれる機能です。試しにミニカーを撮影したところ、1発で車種名を表示しました。あえてアイコニックなフロントではなく、似たようなアウトラインが多いサイドを撮影したのですが大当たりです。
外国語だって即、日本語に変換してくれます。他にも食材を撮影すると適切なレシピを教えてくれるなど、ユーザーのしたいことをAIが察知して適切な情報を表示してくれるのです。いちいちモードを切り替える必要はありません。
また本体をギュッと握ると、Googleアシスタント画面が表示されます。片手でも手軽に操作できるように、極力指を動かさずに済むようなユーザーインターフェースとなっています。
Googleの考えるモバイルインターネットの姿がここにある
ベンチマークアプリや画像編集アプリ、超高画質な3Dゲームなど、スマートフォンの実力を赤裸々にするテストを行うと、「Pixel 3」「Pixel 3 XL」よりもハイレスポンスなスマートフォンがあることに気がつきます。しかし、Googleはそれでもいいという考えなのかもしれません。トップスピードを求めるよりも、コンスタントな巡航スピードと、バッテリーライフのバランスを重視したのではと感じます。
事実、満充電時から使い続けた時、「Pixel 3」「Pixel 3 XL」はライバル機よりも長い14~15時間ほど動画を再生し続けることができました。またライバル機よりパフォーマンスが下がるとはいっても、日常的な使い方であれば全く問題ないし納得できるスピードの持ち主です。
今や私たちの生活において、なくてはならない存在のスマートフォンです。「Pixel 3」「Pixel 3 XL」には1回の充電で極力長く使えるモバイル端末であってほしいという、Googleのメッセージが込められているような気がしています。(フリーライター・武者良太)