AIカメラ・マルチレンズの真骨頂! 「HUAWEI nova 3」の撮影機能を徹底検証
近年のスマートフォンカメラの進化は凄まじい。原動力となっているのが、「マルチレンズ」と「AI」。使ってみれば、これまでのスマホカメラとの性能差に驚くはずだ。特にハイエンドモデルは、デジカメにも劣らない画質と色表現だ。まさにスマホカメラを革命したマルチレンズとAIだが、10月2日に発表されたファーウェイの「HUAWEI nova 3」(以下、nova 3)はミドルクラスながら、この二つのテクノロジーを磨き上げた。いち早く入手した実機であらゆるシーンを撮影し、出来栄えを徹底検証してみた。
カラーはアイリスパープルとブラックの2色。今回はアイリスパープルを使用したが、この色合いがとにかく美しい。光の当たる角度によってブルーからパープルのグラデーションがユラユラと変化し、どれだけ眺めていても飽きがこない。
メモリはRAMが4GBで、ROMが128GB。最大256GBのmicroSDカードも利用できる。注目はCPUにハイエンドモデル「HUAWEI P20 Pro」にも採用している、AI専用プロセッサ(NPU)内蔵の「HUAWEI Kirin 970」を搭載していることだ。パフォーマンスや電力効率を飛躍的に高めるだけでなく、ユーザーの使い方を学習して、時間の経過とともにシステムを最適化。長く使えば使うほど、ユーザビリティが洗練されていくという。
スマホゲームでグラフィックの処理能力を高める「GPU Turbo」やゲームプレイ時にチップセットの割り当てや通知の非表示設定などができる「Game Suite」も注目の機能。昨今は人気タイトルが続々とモバイル化しているだけに、ゲーム好きには見逃せないポイントだろう。「GPU Turbo」はまだ一部のゲームにのみ対応するとのことだが、今後のアップデートで快適にプレイできるタイトルは増えていく予定。対応タイトルについてはファーウェイの公式ホームページを参照してほしい。
最近は各社から、背景を美しくぼかしたポートレート撮影ができるスマホが登場しており、記者も数機種で試しているが、端末の性能などによってボケの描写はそれぞれ異なる。人物と背景の境界のボケが甘くなり、不自然な仕上がりになってしまう機種もあるなか、nova 3は人物と背景をしっかりと区別し、違和感のない仕上がりに。その完成度の高さには、一眼レフのポートレート撮影に慣れているユーザーも納得するはずだ。
これはインカメラでも同様だ。作例ではライトや植物などさまざまな色がごちゃごちゃと混じった背景をバックに撮影したが、人物はくっきりと、背景はバランスよくぼんやりと描写し、アウトカメラで撮影した写真と比較しても遜色ない出来栄えだ。
最初に試したのは、オーソドックスな被写体である料理。レンズを向けると、すぐに画面内に「フード」のアイコンが表示された。料理の特徴となるカラーが強調されているだけでなく、全体的に柔らかい温暖色が加わり、食欲をそそる1枚に。
個人的に演出力の高さに驚いたのが空模様。特に「日の出/日の入り」の陰影は格別で、オレンジ色の光が風景全体を自然に包み、幻想的な味わいを生み出している。また、通常であればつぶれてしまうような影の部分のディティールもしっかりと描写している。
ユニークだったのが「猫」「古代建築」「自動車」といった特定の被写体に特化したシーン認識。猫は態勢がコロコロ変わるので、本当に認識されるか不安だったが、丸くなって寝ているときにもすぐにアイコンが表示された。どの特徴を捉えているのか不思議な古代建築も迷わずシーンを認識。建物の色彩が美しく際立ち、目で見たままの感動がそのまま表現された。自動車はまるで光源の中心が車であるかのよう。試しにミニカーにもカメラを向けてみたところ、きちんとシーン認識が起動した。
インカメラのAIカメラも人物の後ろにある背景を正確に認識する。今回は「室内」「植物」「青空」で検証。アウトと同じく色鮮やかさやみずみずしさは強調されるが、人物より主張するということはない。あくまで人物主役のインならではの加工に仕上がった。
精度の高さに驚かされたAIカメラだったが、一番の収穫は、不自然に盛らず、自然さが全く損なわれていなかったこと。インスタグラムでよく“盛りすぎ”な写真を見かけるが、nova 3のAIカメラにまかせれば、自分で加工するよりも印象的な写真を一切手を加えずに記録することができる。インスタに代表される、写真SNSへの投稿にはAIカメラが必須となる日も遠くないかもしれない。
心躍る機能が満載のNova 3のカメラを総括して評すると、ずばり「失敗しない」カメラだ。最初は飛び道具のような印象を受けたユニーク機能も、使い込んでいくとあらゆる写真をさりげなくブラッシュアップしてくれるマスト機能に変わっていった。スマホを選ぶ際、カメラ機能を最優先に決めたい人はもちろん、そこまで撮影にこだわりがないというユーザーにもぜひ一度使ってみてほしい。自分の腕が上がったのでは、と撮影が楽しくなるはずだ。
(BCN・大蔵 大輔)
さまざまなタスクを快適に 最先端のAIチップを搭載
まずは、nova 3の基本スペックを確認しておきたい。ディスプレイのサイズは約6.3インチ。大画面だがフルビューディスプレイなのでそこまで大きさを感じさせない。縦横比19.5:9という縦に長い形状は手に持ちやすく、エッジ部分が3Dのラウンド加工になっているので、セルフィー撮影時のグリップの安定感も抜群だ。カラーはアイリスパープルとブラックの2色。今回はアイリスパープルを使用したが、この色合いがとにかく美しい。光の当たる角度によってブルーからパープルのグラデーションがユラユラと変化し、どれだけ眺めていても飽きがこない。
メモリはRAMが4GBで、ROMが128GB。最大256GBのmicroSDカードも利用できる。注目はCPUにハイエンドモデル「HUAWEI P20 Pro」にも採用している、AI専用プロセッサ(NPU)内蔵の「HUAWEI Kirin 970」を搭載していることだ。パフォーマンスや電力効率を飛躍的に高めるだけでなく、ユーザーの使い方を学習して、時間の経過とともにシステムを最適化。長く使えば使うほど、ユーザビリティが洗練されていくという。
スマホゲームでグラフィックの処理能力を高める「GPU Turbo」やゲームプレイ時にチップセットの割り当てや通知の非表示設定などができる「Game Suite」も注目の機能。昨今は人気タイトルが続々とモバイル化しているだけに、ゲーム好きには見逃せないポイントだろう。「GPU Turbo」はまだ一部のゲームにのみ対応するとのことだが、今後のアップデートで快適にプレイできるタイトルは増えていく予定。対応タイトルについてはファーウェイの公式ホームページを参照してほしい。
アウトもインもダブルレンズ 完成度の高い自然なボケ味
最大の特徴といえるカメラは、アウトカメラだけでなくインカメラにもダブルレンズを採用。スペックは、アウトでF1.8/約2400万画素モノクロセンサー+F1.8/約1600万画素カラーセンサー、インで約2400万画素+約200万画素となっている。ダブルレンズの最大のメリットは、なんといっても背景をぼかしたポートレート撮影ができること。アウトとインの両方でその出来栄えを確かめてみた。最近は各社から、背景を美しくぼかしたポートレート撮影ができるスマホが登場しており、記者も数機種で試しているが、端末の性能などによってボケの描写はそれぞれ異なる。人物と背景の境界のボケが甘くなり、不自然な仕上がりになってしまう機種もあるなか、nova 3は人物と背景をしっかりと区別し、違和感のない仕上がりに。その完成度の高さには、一眼レフのポートレート撮影に慣れているユーザーも納得するはずだ。
これはインカメラでも同様だ。作例ではライトや植物などさまざまな色がごちゃごちゃと混じった背景をバックに撮影したが、人物はくっきりと、背景はバランスよくぼんやりと描写し、アウトカメラで撮影した写真と比較しても遜色ない出来栄えだ。
AIカメラはSNS投稿にぴったり!
次にnova 3の「AIカメラ」の性能を検証してみた。登場して日の浅いテクノロジーなので、まだ馴染みが薄いという人も多いと思う。簡単に説明すると、AIが被写体を自動判別し、それぞれのシーンに最適な設定で撮影する機能だ。nova 3はアウトだけでなくインもAIカメラ機能を利用できる。アウトで22種類、インで8種類とバリエーションも豊富。実際にどのように作用するのか、作例をもとに紹介したい。最初に試したのは、オーソドックスな被写体である料理。レンズを向けると、すぐに画面内に「フード」のアイコンが表示された。料理の特徴となるカラーが強調されているだけでなく、全体的に柔らかい温暖色が加わり、食欲をそそる1枚に。
個人的に演出力の高さに驚いたのが空模様。特に「日の出/日の入り」の陰影は格別で、オレンジ色の光が風景全体を自然に包み、幻想的な味わいを生み出している。また、通常であればつぶれてしまうような影の部分のディティールもしっかりと描写している。
ユニークだったのが「猫」「古代建築」「自動車」といった特定の被写体に特化したシーン認識。猫は態勢がコロコロ変わるので、本当に認識されるか不安だったが、丸くなって寝ているときにもすぐにアイコンが表示された。どの特徴を捉えているのか不思議な古代建築も迷わずシーンを認識。建物の色彩が美しく際立ち、目で見たままの感動がそのまま表現された。自動車はまるで光源の中心が車であるかのよう。試しにミニカーにもカメラを向けてみたところ、きちんとシーン認識が起動した。
インカメラのAIカメラも人物の後ろにある背景を正確に認識する。今回は「室内」「植物」「青空」で検証。アウトと同じく色鮮やかさやみずみずしさは強調されるが、人物より主張するということはない。あくまで人物主役のインならではの加工に仕上がった。
精度の高さに驚かされたAIカメラだったが、一番の収穫は、不自然に盛らず、自然さが全く損なわれていなかったこと。インスタグラムでよく“盛りすぎ”な写真を見かけるが、nova 3のAIカメラにまかせれば、自分で加工するよりも印象的な写真を一切手を加えずに記録することができる。インスタに代表される、写真SNSへの投稿にはAIカメラが必須となる日も遠くないかもしれない。
どんな撮影でも「失敗しない」安心感
ダブルレンズとAIカメラの検証をしていて、もう一点、特筆すべきポイントを発見した。それがインカメラで撮影した写真のダイナミックレンジを広げる「HDR Pro」だ。コントラストをくっきりと出したい風景写真などで活躍する機能は、人物写真でも効果大。逆光や暗所などの撮影はあとで見返してみると、顔がつぶれているということがたびたびあるが「HDR Pro」をオンにすると、そういった不測の事態は激減する。うまく撮影するためにポジション取りに動き回る苦労ももう必要ない。心躍る機能が満載のNova 3のカメラを総括して評すると、ずばり「失敗しない」カメラだ。最初は飛び道具のような印象を受けたユニーク機能も、使い込んでいくとあらゆる写真をさりげなくブラッシュアップしてくれるマスト機能に変わっていった。スマホを選ぶ際、カメラ機能を最優先に決めたい人はもちろん、そこまで撮影にこだわりがないというユーザーにもぜひ一度使ってみてほしい。自分の腕が上がったのでは、と撮影が楽しくなるはずだ。
(BCN・大蔵 大輔)