空気清浄機市場に久しぶりのニューカマーが登場した。浄水器や空気清浄機などの生活環境家電を44か国で販売する韓国メーカーCOWAY(コーウェイ)だ。国内外のメーカーがしのぎを削る市場でいかに勝負するのか。9月4日に開催された記者会見では、第一弾となる製品群と今後の戦略が発表された。
空気清浄機メーカーの海外勢といえば、ブルーエアやダイソンが思い浮かぶが、参入はそれぞれ10年と14年。COWAYの参入はやや遅い印象を受ける。同社のグローバル事業本部グローバルパートナー事業のイ・ジフン本部長によると、販売チャネルの確保に時間がかかったとのこと。それだけ空気清浄機市場は日本において“成熟しきった”市場ということだ。
しかし、COWAYはこの“成熟市場”にこそチャンスを見出しているという。イ・ジフン本部長があげた日本市場の特徴は「成長が停滞している」「加湿機能付きが多数派」「イオン放出モデルが多数派」の3点。これはグローバルの「持続成長している」「空気清浄機能単独が主流」「フィルター性能を重視」という傾向と相反する。「日本では早くから空気清浄機が普及し、短期間で競争が過熱した。その影響で、世界市場とは異なるガラパゴス化した市場が形成されたのではないか」(イ・ジフン本部長)。
また、風量コントロールにも特徴がある。空気の汚れや部屋の明るさを検知して、自動で最適な風量に調整する「スマート運転」だ。「おまかせ」「エコ」「おやすみ」の三つのモードに加えて、日本向けモデルのみ「花粉」モードを搭載し、国内ユーザーのニーズに応える細かい仕様変更を行っている。シンプルではあるが、4色のイルミネーションで空気の汚れ具合を可視化する機能も実用的だ。
記者が注目したのは価格帯だ。機種ごとの価格は公表されなかったが、4機種の価格は4万5000円~5万5000円のレンジを予定しているとのこと。これは国内メーカーの最上位機種はもちろん、“単一機能特化”を売りにするブルーエアやダイソンの同スペック帯のモデルと比較してもお手頃だ。海外メーカーのモダンなデザインの空気清浄機を購入したいが価格がネック、というユーザーにはちょうどよい選択肢になるかもしれない。
販売目標は2019年中に2万台、市場規模が約200万台なので販売台数シェアの1%にあたる台数だ。第一弾の製品群を発売する9月12日時点での販売チャネルは、ビックカメラ、エディオン、ヨドバシカメラ、Amazon.co.jpのみだが、19年春までにラインアップと合わせて拡大する方針。中期的には3年後の21年に10万台を目指す。(BCN・大蔵 大輔)
成熟市場だからこそチャンス
COWAYは日本での知名度は低いが、韓国では空気清浄機と浄水器でシェアNo.1のメーカーとして確固たる地位を築いている。また、米国・中国・欧州など広く世界展開も行っており、空気清浄機に関しては国外の売上高が7割を占めている。2017年の販売台数は119万台にのぼる。空気清浄機メーカーの海外勢といえば、ブルーエアやダイソンが思い浮かぶが、参入はそれぞれ10年と14年。COWAYの参入はやや遅い印象を受ける。同社のグローバル事業本部グローバルパートナー事業のイ・ジフン本部長によると、販売チャネルの確保に時間がかかったとのこと。それだけ空気清浄機市場は日本において“成熟しきった”市場ということだ。
しかし、COWAYはこの“成熟市場”にこそチャンスを見出しているという。イ・ジフン本部長があげた日本市場の特徴は「成長が停滞している」「加湿機能付きが多数派」「イオン放出モデルが多数派」の3点。これはグローバルの「持続成長している」「空気清浄機能単独が主流」「フィルター性能を重視」という傾向と相反する。「日本では早くから空気清浄機が普及し、短期間で競争が過熱した。その影響で、世界市場とは異なるガラパゴス化した市場が形成されたのではないか」(イ・ジフン本部長)。
お手頃価格の海外メーカーというポジション
それでは、COWAYの空気清浄機はというと、こちらは世界基準の正統派。「FILTERISUM」と呼ぶフィルター最優先主義を掲げ、基本性能を追求している。活性炭脱臭フィルターと抗菌フィルターを一体化した独自の高性能フィルター「MAX2 Greenフィルター」もさることながら、一部機種で対応するカスタムフィルターがユニーク。黄砂に特化した「黄砂フィルター」、新築・リフォームによるホルムアルデヒドやVOCに対応する「新築フィルター」、ニオイを集中して除去する「ダブル脱臭フィルター」の3種類を揃え、シーンに適した効果を最大化できるようにしている。また、風量コントロールにも特徴がある。空気の汚れや部屋の明るさを検知して、自動で最適な風量に調整する「スマート運転」だ。「おまかせ」「エコ」「おやすみ」の三つのモードに加えて、日本向けモデルのみ「花粉」モードを搭載し、国内ユーザーのニーズに応える細かい仕様変更を行っている。シンプルではあるが、4色のイルミネーションで空気の汚れ具合を可視化する機能も実用的だ。
記者が注目したのは価格帯だ。機種ごとの価格は公表されなかったが、4機種の価格は4万5000円~5万5000円のレンジを予定しているとのこと。これは国内メーカーの最上位機種はもちろん、“単一機能特化”を売りにするブルーエアやダイソンの同スペック帯のモデルと比較してもお手頃だ。海外メーカーのモダンなデザインの空気清浄機を購入したいが価格がネック、というユーザーにはちょうどよい選択肢になるかもしれない。
販売目標は2019年中に2万台、市場規模が約200万台なので販売台数シェアの1%にあたる台数だ。第一弾の製品群を発売する9月12日時点での販売チャネルは、ビックカメラ、エディオン、ヨドバシカメラ、Amazon.co.jpのみだが、19年春までにラインアップと合わせて拡大する方針。中期的には3年後の21年に10万台を目指す。(BCN・大蔵 大輔)