Opnだけの最先端のIoT機能 IFTTT対応で生活が一変
Opnは補聴器としての性能はもちろんだが、最先端のIoT技術を活用した機能もすぐれている。簡単なところでいえば、スマホ連携による音楽の視聴や電話の応答だ。通常のイヤホンでも同様の機能を搭載するものは多いが、Opnは補聴器なので外の音とスマホから再生されている音を同時に聞くということができる。音質にも驚いた。職業柄、日頃からハイスペックのイヤホンを試す機会は多いが、Opnのクリアな音はそれらにも引けを取らない。これらの機能は序の口で、スマホ連携の本領はIFTTTを利用することで発揮される。IFTTTは「IF This Then That」との略で、日本語の読み方は「イフト」だ。「AしたらBする」といったアプレットと呼ばれるプログラムを設定できるサービスで、最近だと主要なスマートスピーカーの多くがこのIFTTTに対応しており、特定のフレーズで家電を一斉に制御するなど、さまざまなアプレットが活用されている。
それでは、Opnの機能はどのようなことができるのか。例えば、「電源のON/OFF」にすると「家族にメールを送信する」というアプレットを設定すれば、遠く離れた場所で生活していても、「補聴器を使っているかいないか」あるいは「起床・就寝した」ということが即座に分かる。
これは本当に一例で「電源のON/OFF」というトリガーだけで、数百のサービスとの連携が可能だ。対応するデバイスがあれば「電気をつける」「家電を起動させる」といったこともできる。
補聴器を使用するメインターゲットには最新のIoT機能を使いこなせない層も多いのではないか、という声もありそうだが、いろいろと機能を試した印象では、当事者が仕組みを理解せずとも、設定を正確に行えば十分に有効に利用できそうだと感じた。見守り機能の例を紹介したが、スマホに慣れた身近な人が設定さえすれば、その後は通常の使い方をしているだけで恩恵を受けることができるからだ。
現在、補聴器を必要としている人にとっても、これらの先進機能はメリットがあるが、加齢に伴う聴力の衰えはいずれ自分事になる問題だ。「そんなときに、こんな補聴器があるなら!」。今回の検証で先々の不安に対して、そんな希望をもつことができた。(BCN・大蔵 大輔)