ロボットで教えるプログラミング──WROがロボット教育シンポジウム
WRO(World Robot Olympiad)Japanは7月21日、「第11回 科学技術におけるロボット教育シンポジウム」を東京・科学技術館で開いた。ロボットを使った若年者プログラミング教育の指導者や支援者のための情報共有や交流を目的として毎年開催しているもの。タブレット上でブロックをつなげていくことでプログラムをつくり、動作が制御できるロボット、レゴのマインドストームを活用したものを中心に、10件の事例が発表された。
事例紹介に先立ち、リクルート次世代教育研究院の小宮山利恵子 院長が「人工知能(AI)とこれから必要とされる人材、学び」と題した基調講演を行った。小宮山院長は、すでにAIが活用されている例として、入社試験に数多くの応募があるリクルートを取り上げ、特に人材採用でAIを活用していると説明。「応募書類、適性検査、面接時のデータを元に5年後の給与や役職をAIで予測させると、87%の確率で的中する。社員に対しては鬱病の兆しをAIで判断させ、リスクの高い社員に対してはカウンセリングなどを実施、鬱病の予防にも活用している」と紹介した。また成熟社会で求められる人材像について「正解を得るための情報処理能力ではなく、納得できる解を導く情報編集能力が必要になってくる」などと話した。
事例紹介では、阪神電鉄の100%子会社のミマモルメや読売テレビが出資するプログラボ教育事業運営委員会の勝山裕子氏が「鉄道会社が取り組むロボット教育」と題して発表。「教育版レゴ マインドストーム EV3」を活用した、子ども向けロボットプログラミング教室「プログラボ」について説明した。
「日本のICT教育の遅れを取り戻すため、阪神電鉄と読売テレビが、子どもたちが楽しみながら学べるロボット・プログラミング教育を軸に共同で事業を共同で開始した」というプログラボ。「鉄道会社が収益向上のために行う沿線価値向上の一環で力を入れている次世代委教育として、事業を展開している」と話した。プログラボを通じ、「社会に出て真に活躍できる人材や、一緒に働きたい人材を育成したい」として、小学校などへの出張授業も要請に応じて積極的に展開していると語った。
「マインドストームEV3で育むプログラミング的思考」と題して事例を紹介したのは、岩手大学教育学部附属小学校の伊藤 晃氏。小学校でのプログラミング教育にEV3を取り入れて実施した具体的な5年生向けのカリキュラムなどを発表した。「最初の6時間程度で直進、右左折、回転、センサの動作など基本操作を習得させ、4時間程度で実際にプログラムを組み、コースを走らせることを学ばせた」と話す。また「タブレット上でプログラミングするだけでなく、複数の児童がホワイトボードに書き入れながらプログラムの検討を行うようにすることで、グループの中でプログラミング的思考が共有できるなどの効果があった」と話した。さらに「思考の状況をどう把握し、評価していくか。また教育課程への位置づけや年間計画をどうしていくかは今後の課題」と振り返った。
シンボジウムの中盤で行われたワークショップでは、参加者が6つのグループに分かれ、実際にマインドストームのプログラミングを体験。コースに置いた2つのブロックを枠外に押し出すという簡単なプログラムを組んでグループ毎にできばえやタイムを競った。同じ課題であっても、ロボットの動作はグループごとにそれぞれ。モーターのばらつきや摩擦の度合いによって必ずしも動作が均一にならない場合もあり、参加者からは「単に直進させるだけでも意外に難しい」などの声も聞かれた。(BCN・道越一郎)
事例紹介に先立ち、リクルート次世代教育研究院の小宮山利恵子 院長が「人工知能(AI)とこれから必要とされる人材、学び」と題した基調講演を行った。小宮山院長は、すでにAIが活用されている例として、入社試験に数多くの応募があるリクルートを取り上げ、特に人材採用でAIを活用していると説明。「応募書類、適性検査、面接時のデータを元に5年後の給与や役職をAIで予測させると、87%の確率で的中する。社員に対しては鬱病の兆しをAIで判断させ、リスクの高い社員に対してはカウンセリングなどを実施、鬱病の予防にも活用している」と紹介した。また成熟社会で求められる人材像について「正解を得るための情報処理能力ではなく、納得できる解を導く情報編集能力が必要になってくる」などと話した。
事例紹介では、阪神電鉄の100%子会社のミマモルメや読売テレビが出資するプログラボ教育事業運営委員会の勝山裕子氏が「鉄道会社が取り組むロボット教育」と題して発表。「教育版レゴ マインドストーム EV3」を活用した、子ども向けロボットプログラミング教室「プログラボ」について説明した。
「日本のICT教育の遅れを取り戻すため、阪神電鉄と読売テレビが、子どもたちが楽しみながら学べるロボット・プログラミング教育を軸に共同で事業を共同で開始した」というプログラボ。「鉄道会社が収益向上のために行う沿線価値向上の一環で力を入れている次世代委教育として、事業を展開している」と話した。プログラボを通じ、「社会に出て真に活躍できる人材や、一緒に働きたい人材を育成したい」として、小学校などへの出張授業も要請に応じて積極的に展開していると語った。
「マインドストームEV3で育むプログラミング的思考」と題して事例を紹介したのは、岩手大学教育学部附属小学校の伊藤 晃氏。小学校でのプログラミング教育にEV3を取り入れて実施した具体的な5年生向けのカリキュラムなどを発表した。「最初の6時間程度で直進、右左折、回転、センサの動作など基本操作を習得させ、4時間程度で実際にプログラムを組み、コースを走らせることを学ばせた」と話す。また「タブレット上でプログラミングするだけでなく、複数の児童がホワイトボードに書き入れながらプログラムの検討を行うようにすることで、グループの中でプログラミング的思考が共有できるなどの効果があった」と話した。さらに「思考の状況をどう把握し、評価していくか。また教育課程への位置づけや年間計画をどうしていくかは今後の課題」と振り返った。
シンボジウムの中盤で行われたワークショップでは、参加者が6つのグループに分かれ、実際にマインドストームのプログラミングを体験。コースに置いた2つのブロックを枠外に押し出すという簡単なプログラムを組んでグループ毎にできばえやタイムを競った。同じ課題であっても、ロボットの動作はグループごとにそれぞれ。モーターのばらつきや摩擦の度合いによって必ずしも動作が均一にならない場合もあり、参加者からは「単に直進させるだけでも意外に難しい」などの声も聞かれた。(BCN・道越一郎)