フィリップス・ジャパンは6月11日、東京・昭和大学歯科病院で、6月1日に発表した電動歯ブラシ「ソニッケアー」の新製品「プロテクトクリーン」シリーズの説明会を開催した。
マーケティング&BCD 兼 戦略企画・事業開発 統括本部長の相澤仁氏は「死亡リスクはかつては“感染症”が高い比率を占めていたが、今はがんや心疾患、脳卒中などの“慢性疾患”にシフトしてきている」と現代の健康事情を説明。15年のEU地域の医療費は70~80%が慢性疾患によるものだという調査結果もあるという。
それがなぜ電動歯ブラシに結びつくのか。相澤氏によると「慢性疾患は病院における治療より家庭での予防がより重要で、その予防の手段として最も身近かつ日常的に継続できるものがオーラルケア」なのだという。
「実は口腔ケアはこの慢性疾患と密接な関わりをもっていることが分かってきた。歯のまわりや舌の表面の汚れや細菌を除去することは虫歯や歯周病だけでなく、全身疾患の予防・改善につながってくる」(相澤氏)。これがフィリップスがヘルスケアの起点に歯をあげる理由だ。
パーソナルヘルスリーダーのサミー・ベレミ氏は「日本の電動歯ブラシユーザーの割合は全体の2割以下。コストや手磨きで十分という意識から、なかなか普及に至っていない」と理由を述べた。7月に発売する「プロテクトクリーン」シリーズの狙いは、8割以上の手磨きユーザーに電動歯ブラシを届けることにある。
「プロテクトクリーン」シリーズは、スタンダード/プラス/プレミアムの三つのクラスに分けられているが、そのいずれにもモデルで初心者が電動歯ブラシを正しく使用するためのいくつかの機能を搭載している。
例えば、陥りがちな「力を入れすぎる」というミスを防ぐために加圧防止センサ。過度に力が入っている場合、振動でそれを知らせる。また、ブラシヘッドの替え時が分からないという声を反映して、ヘッドにRFIDを搭載し、交換目安である3か月を迎えると、本体のランプで通知する機能も加えた。
高橋さんは8年前からフィリップスの電動歯ブラシを使用しているが、それまでは「デザインがダサい」「置き場所に困る」というイメージをもっていたそうだ。「新シリーズは、とくにおしゃれでかつ使いやすい。ブラシの使用期間などあまり覚えていなかったが、通知機能があれば意識する必要もない」と使いやすさの満足度を語った。
説明会後には「プロテクトクリーン」シリーズの体験会が開催されたが、ここで学んだ電動歯ブラシで歯を磨く際のコツをいくつか紹介したい。まず、重要なのは先述した「力を入れすぎない」ということだ。歯科衛生士の担当者は「口を閉じて歯にあてるだけで十分。音波式なので自然と歯全体の歯垢を除去してくれる」と正しい使用方法を説明する。
また、歯磨き粉も必須ではない。口をすっきりさせるために使用するなら、泡の立たないジェル状のものなどがおすすめとのことだった。音波式の振動は目に見える以上なので、泡が立ちすぎてしまうそうだ。推奨回数はないが、食後のたびに磨くのがベストとのことだ。
ブラシヘッドは目的やサイズ別に多彩にあり、好みによって選択すればよい。最上位モデルの「プレミアム」であれば、ブラシのRFIDから種類を認識して、自動で最適なモードに切り替える機能もある。
「プロテクトクリーン」シリーズは価格はオープンで、税別の実勢価格は「プロテクトクリーン」が9800円前後、「プロテクトクリーン<プラス>」が1万4800円前後、「プロテクトクリーン<プレミアム>」が1万9800円前後の見込み。7月2日に発売する。夏以降にはプレミアムのブラックも登場する予定だ。(BCN・大蔵 大輔)
オーラルケアは身体全体の健康に関係
フィリップスは近年、プロダクト主体からソリューション主体のビジネスモデルに構造転換を進めている。「世界No.1のヘルスケアカンパニー」を目指すと公言している同社は、2025年までに年間30億人の生活を向上させるという目標を掲げ、予防・診断・治療・ホームケアの一連のプロセスを包括した試みに取り組んでいる。そのなかで、“起点”として重要視しているのが、電動歯ブラシだ。マーケティング&BCD 兼 戦略企画・事業開発 統括本部長の相澤仁氏は「死亡リスクはかつては“感染症”が高い比率を占めていたが、今はがんや心疾患、脳卒中などの“慢性疾患”にシフトしてきている」と現代の健康事情を説明。15年のEU地域の医療費は70~80%が慢性疾患によるものだという調査結果もあるという。
それがなぜ電動歯ブラシに結びつくのか。相澤氏によると「慢性疾患は病院における治療より家庭での予防がより重要で、その予防の手段として最も身近かつ日常的に継続できるものがオーラルケア」なのだという。
「実は口腔ケアはこの慢性疾患と密接な関わりをもっていることが分かってきた。歯のまわりや舌の表面の汚れや細菌を除去することは虫歯や歯周病だけでなく、全身疾患の予防・改善につながってくる」(相澤氏)。これがフィリップスがヘルスケアの起点に歯をあげる理由だ。
初心者にやさしい 新規ユーザーの獲得を狙う新シリーズ
フィリップスの電動歯ブラシ「ソニッケアー」は1980年代に開発されて以来、とりわけ音波式の分野で世界市場をけん引してきた。日本でも10年連続で歯科医・歯科衛生士が選ぶNo.1ブランドという評価を獲得している。しかし、一般的にはまだ手磨きが占める割合が高いのが現状だ。パーソナルヘルスリーダーのサミー・ベレミ氏は「日本の電動歯ブラシユーザーの割合は全体の2割以下。コストや手磨きで十分という意識から、なかなか普及に至っていない」と理由を述べた。7月に発売する「プロテクトクリーン」シリーズの狙いは、8割以上の手磨きユーザーに電動歯ブラシを届けることにある。
「プロテクトクリーン」シリーズは、スタンダード/プラス/プレミアムの三つのクラスに分けられているが、そのいずれにもモデルで初心者が電動歯ブラシを正しく使用するためのいくつかの機能を搭載している。
例えば、陥りがちな「力を入れすぎる」というミスを防ぐために加圧防止センサ。過度に力が入っている場合、振動でそれを知らせる。また、ブラシヘッドの替え時が分からないという声を反映して、ヘッドにRFIDを搭載し、交換目安である3か月を迎えると、本体のランプで通知する機能も加えた。
「手磨きが電動歯ブラシに勝っているのはコストだけ」
今回の説明会では第三者の視点を代表して、昭和大学 歯学部 歯科保存学講座 美容歯科部門の真鍋厚史教授とソニッケアーを愛用しているフリーアナウンサーの高橋真麻さんも登場。真鍋教授は「手磨きが電動歯ブラシに勝っているのはコストだけ」と言い切った。高橋さんは8年前からフィリップスの電動歯ブラシを使用しているが、それまでは「デザインがダサい」「置き場所に困る」というイメージをもっていたそうだ。「新シリーズは、とくにおしゃれでかつ使いやすい。ブラシの使用期間などあまり覚えていなかったが、通知機能があれば意識する必要もない」と使いやすさの満足度を語った。
説明会後には「プロテクトクリーン」シリーズの体験会が開催されたが、ここで学んだ電動歯ブラシで歯を磨く際のコツをいくつか紹介したい。まず、重要なのは先述した「力を入れすぎない」ということだ。歯科衛生士の担当者は「口を閉じて歯にあてるだけで十分。音波式なので自然と歯全体の歯垢を除去してくれる」と正しい使用方法を説明する。
また、歯磨き粉も必須ではない。口をすっきりさせるために使用するなら、泡の立たないジェル状のものなどがおすすめとのことだった。音波式の振動は目に見える以上なので、泡が立ちすぎてしまうそうだ。推奨回数はないが、食後のたびに磨くのがベストとのことだ。
ブラシヘッドは目的やサイズ別に多彩にあり、好みによって選択すればよい。最上位モデルの「プレミアム」であれば、ブラシのRFIDから種類を認識して、自動で最適なモードに切り替える機能もある。
「プロテクトクリーン」シリーズは価格はオープンで、税別の実勢価格は「プロテクトクリーン」が9800円前後、「プロテクトクリーン<プラス>」が1万4800円前後、「プロテクトクリーン<プレミアム>」が1万9800円前後の見込み。7月2日に発売する。夏以降にはプレミアムのブラックも登場する予定だ。(BCN・大蔵 大輔)