トリプルカメラスマホ「Huawei P20 Pro」を試す - 2.ノッチ隠しが秀逸なUI
前回、引き続き、海外で発売されたファーウェイ・テクノロジーズの最上位スマートフォン「P20 Pro」の各部をチェックしていこう。なお、海外版製品のため、通信機能はオフにした状態で試用している。
アップルの「iPhone X」で採用されて以来、少しでもよりワイドな画面を搭載するための手法として各社が取り入れており、ASUSの「ZenFone 5」、OPPOの「R15」、LGの「G7 ThinQ」など、ハイエンドモデルではむしろノッチ付きがスタンダードになりつつある。もっとも、各機種の発表時期から考えると、アップルをまねてデザインしたわけではなく、画面周辺の額縁部分をできるだけ狭くすることがトレンドとなったことから、各社ともこの方向に進まざるを得なかったのだと思われる。
P20 Proもノッチ付きのデザインで、約6.1インチ、1080×2240ドットの有機ELディスプレイを採用し、上部中央の一部は自分撮り用のカメラやスピーカーなどが占めている。iPhone Xに比べるとノッチ部の幅は小さく、このわずかなスペースにセンサ類を詰め込んだ実装技術には高いものを感じさせるが、実際の使い勝手や、みた目の印象がガラリと変わるほどの違いはない。
ただ、画面の表示形式に一工夫加えることで、ノッチを目立たなくするアイデアが盛り込まれているのは秀逸だ。P20 Proの設定を開くと、「画面」の中に「ノッチ」というメニューがあるのだが、この項目を「ノッチ部分を隠す」に切り替えると、画面上部でノッチの左右にあたる部分を黒く塗りつぶし、一見ノッチがないスマートフォンのような印象にみせることができる。
ノッチ左右を黒く塗りつぶした状態でも、通知アイコンや時刻などステータスバーの情報は白抜きで表示されるため、画面の広さは有効活用できるのがポイントだ。たったこれだけのことではあるが、ノッチが隠されたことで、よりすっきりした印象になった。サードパーティ製のアプリなどでは期待した表示にならない可能性もあるが、今回は、この「ノッチ部分を隠す」状態で試用を続けたい。
ナビゲーションボタンは指紋センサを兼ねており、あらかじめ指紋を登録しておけば指先で触れるだけでスリープ状態から復帰し、画面ロックを解除できる。また、iPhone Xの「Face ID」機能同様、顔認証にも対応しており、画面を顔に向けるだけですばやく見るだけでさっとロックを解除できる。
ただ、顔登録時のメッセージには「顔認証は他のロック解除方法(パターン、PIN、パスワードなど)より安全性が低くなります」という注意文が含まれていた。iPhone Xが搭載するTrueDepthカメラのような、顔の凹凸まで正確に読み取ることはできないのかもしれない。
バッテリ容量は「Mate 10 Pro」と同じ4000mAh。最大22.5W(4.5V/5A)の大電力で充電するファーウェイの急速充電「HUAWEI Super Charge」をサポートしており、本体に付属する対応充電器とUSBケーブル(Type-A/Type-C)を利用した場合、画面には「超急速充電」と表示される。
電源が切れるまでバッテリを使い切ってから超急速充電を試したところ、充電開始から15分で30%、30分で57%まで充電が可能だった。これだけ高速に充電できるのであれば、仮に朝起きたときバッテリ切れに気付いても、出かけるまでの支度中にとりあえず必要な充電容量は確保できそうだ。ただ、充電器とUSBケーブルのどちらかだけでも純正品以外を使用した場合、超高速充電にはならない。これらの仕様は従来機の「P10」などでも共通だ。
自宅とオフィスなど複数の場所で超急速充電を行いたい場合は充電器とケーブルを持ち歩く必要があるが、P10では修理センターで注文すると付属品を追加購入することができたので、P20 Proの国内発売時にも同様の対応が受けられることを期待したい。
次回はいよいよ、P20 Proの目玉機能であるカメラを試してみよう。(BCN・日高 彰)
「ノッチ部分を隠す」モードを搭載
ここ半年ほど、スマートフォンの新機種が発表される度に賛否をよんでいるのが、ディスプレイ領域の一部にカメラなどを食い込ませた、ノッチ(切れ込み)付きのデザインだ。アップルの「iPhone X」で採用されて以来、少しでもよりワイドな画面を搭載するための手法として各社が取り入れており、ASUSの「ZenFone 5」、OPPOの「R15」、LGの「G7 ThinQ」など、ハイエンドモデルではむしろノッチ付きがスタンダードになりつつある。もっとも、各機種の発表時期から考えると、アップルをまねてデザインしたわけではなく、画面周辺の額縁部分をできるだけ狭くすることがトレンドとなったことから、各社ともこの方向に進まざるを得なかったのだと思われる。
P20 Proもノッチ付きのデザインで、約6.1インチ、1080×2240ドットの有機ELディスプレイを採用し、上部中央の一部は自分撮り用のカメラやスピーカーなどが占めている。iPhone Xに比べるとノッチ部の幅は小さく、このわずかなスペースにセンサ類を詰め込んだ実装技術には高いものを感じさせるが、実際の使い勝手や、みた目の印象がガラリと変わるほどの違いはない。
ただ、画面の表示形式に一工夫加えることで、ノッチを目立たなくするアイデアが盛り込まれているのは秀逸だ。P20 Proの設定を開くと、「画面」の中に「ノッチ」というメニューがあるのだが、この項目を「ノッチ部分を隠す」に切り替えると、画面上部でノッチの左右にあたる部分を黒く塗りつぶし、一見ノッチがないスマートフォンのような印象にみせることができる。
ノッチ左右を黒く塗りつぶした状態でも、通知アイコンや時刻などステータスバーの情報は白抜きで表示されるため、画面の広さは有効活用できるのがポイントだ。たったこれだけのことではあるが、ノッチが隠されたことで、よりすっきりした印象になった。サードパーティ製のアプリなどでは期待した表示にならない可能性もあるが、今回は、この「ノッチ部分を隠す」状態で試用を続けたい。
指紋センサで「戻る」などの操作も可能
また、表示領域をより広く使うための工夫として、ホームボタンや戻るボタンを画面内に表示するのではなく、ディスプレイ下部のナビゲーションボタンにそれらの操作を割り当てることもできるようになっている。こうした場合は、ナビゲーションボタンの中央をタップすると「戻る」、ボタンの中央を長押しすると「ホーム」、ボタン上で指を左右にスライドするとタスク切り替えの操作として認識される。ナビゲーションボタンは指紋センサを兼ねており、あらかじめ指紋を登録しておけば指先で触れるだけでスリープ状態から復帰し、画面ロックを解除できる。また、iPhone Xの「Face ID」機能同様、顔認証にも対応しており、画面を顔に向けるだけですばやく見るだけでさっとロックを解除できる。
ただ、顔登録時のメッセージには「顔認証は他のロック解除方法(パターン、PIN、パスワードなど)より安全性が低くなります」という注意文が含まれていた。iPhone Xが搭載するTrueDepthカメラのような、顔の凹凸まで正確に読み取ることはできないのかもしれない。
バッテリ容量は「Mate 10 Pro」と同じ4000mAh。最大22.5W(4.5V/5A)の大電力で充電するファーウェイの急速充電「HUAWEI Super Charge」をサポートしており、本体に付属する対応充電器とUSBケーブル(Type-A/Type-C)を利用した場合、画面には「超急速充電」と表示される。
電源が切れるまでバッテリを使い切ってから超急速充電を試したところ、充電開始から15分で30%、30分で57%まで充電が可能だった。これだけ高速に充電できるのであれば、仮に朝起きたときバッテリ切れに気付いても、出かけるまでの支度中にとりあえず必要な充電容量は確保できそうだ。ただ、充電器とUSBケーブルのどちらかだけでも純正品以外を使用した場合、超高速充電にはならない。これらの仕様は従来機の「P10」などでも共通だ。
自宅とオフィスなど複数の場所で超急速充電を行いたい場合は充電器とケーブルを持ち歩く必要があるが、P10では修理センターで注文すると付属品を追加購入することができたので、P20 Proの国内発売時にも同様の対応が受けられることを期待したい。
次回はいよいよ、P20 Proの目玉機能であるカメラを試してみよう。(BCN・日高 彰)