ワイモバイルの個人向けPHSサービス、2020年7月末をもって終了へ

 ソフトバンクとウィルコム沖縄は4月19日、2020年7月末をもって、PHSのテレメタリングプランを除く、「Y!mobile(ワイモバイル)」のすべてのPHS向け料金プランの提供を終了すると発表した。音声通話、オプションなどの各サービスも終了し、対象者には個別に案内する。新規契約、機種変更の受付は18年3月末で終了しており、2年4か月の経過期間を経て、個人向けPHSサービスは幕を閉じる。


 なお、20年8月以降も継続して提供する、業務用途向けのPHSテレメタリングプラン(新規受付は19年3月31日まで)では、「PIAFS通信」「みなし音声」「パケット通信」のみ利用できる。PHSサービス終了にあわせ、ワイモバイルのスマートフォン・携帯電話への乗り換えをうながすキャンペーンを実施していく。
現在の受付状況と提供終了スケジュール

 1995年に各社がサービスを開始し、「ピッチ」という愛称で呼ばれたPHSは、アルバイトなどで交友関係が広く、情報に敏感な女子高生の間で急速に普及したが、すぐに電波の安定している携帯電話サービスに取って代った。携帯電話よりも維持費が安くすむため、根強い愛用者はいたものの、ウィルコム(現ワイモバイル)以外は早々にサービスを終了していた。
販売を終了するPHS端末(一部)。日本初のスマートフォン「W-ZERO3シリーズ」はPHSだったが、
発売当時、すでにモバイル通信は3G携帯電話が主流だった

 なお、ワイモバイルの個人向けPHSサービスが終了する20年には、現状の4Gより高速・大容量の5G通信(第5世代移動通信システム)が実用化される見込み。1年早く19年に前倒しで商用サービスを開始する構想も出ている。モバイル端末の通信速度は大幅に高速化し、次のステージに入りつつある。(BCN・嵯峨野 芙美)