新開発のLSIで「AiX音源」を実現したカシオの電子キーボード

新製品

2018/03/20 19:00

 カシオ計算機が4月中旬に発売する「電子キーボード CT-X5000」は、高い演算処理能力をもつ新開発LSIの搭載で豊かな音を表現する「AiX音源」と、赤色の輪郭が浮かび上がるデザインを採用した。「The Monster Sound」と名打った大型マグネット搭載バスレフスピーカーの迫力ある音が特徴だ。


カシオ計算機の「電子キーボード CT-X5000」

 「AiX音源」はAcoustic Intelligent multi-eXpression音源を意味し、同社の羽村技術センターの開発陣が力を注いだ音源である。音色や鍵盤の弾き心地など、グランドピアノの性能を追求した同社の電子ピアノ「CELVIANO(セルビアーノ)」の音源開発で培ったノウハウを注入した。

 コンシューマ開発本部 開発統轄部 第二商品企画部 20商品企画室の渡辺博チーフ・エンジニアは「アコースティック音楽の音の魅力を自然にわかりやすく表現する。リアルな音源に近づけるため、デジタル信号の高速演算処理をする強力なプロセッサであるDSPを搭載した」と熱心に語る。

 実際にメロディ音や伴奏ドラム、伴奏オルガンなど、それぞれの音ごとにDSPで高速演算とエフェクト処理をして出力するため、アンサンブルのときも一つひとつの楽器音が際立つ。
 

羽村技術センターのコンシューマ開発本部 開発統轄部
第二商品企画部 20商品企画室の渡辺博チーフ・エンジニア(右)と石井宏長氏


 またパワフルな低音からクリアな高音まで高品位な音色を再現するのはもちろんのこと、音色の強弱やきらびやかな伸びのある音、まろやかな音など豊かな表現力も兼ね備える。

 「弱く弾くとやさしくまろやかで、強く弾くと迫力ある音が表現できるのは、鍵盤の下にある2つのスイッチによるもので、タッチレスポンスによる時間差を検知するDSPの高い演算処理が生かされている」と、20商品企画室の石井宏長氏は語る。

 格調ある音に仕上げているが、電子ピアノほど肩ひじを張らずに気軽に楽しめる電子キーボードならではのカジュアルさを追求している。弦楽器のストリングスの音や、サックス奏者の息遣いが感じられるようなビブラートなど、800種類の音色と235種類のリズムを使いまわしながら1人で楽しめる。

 さらに通常は6W+6Wのアンプも、「CT-X5000」では最大15W+15Wの大出力アンプを搭載。音響システムを通さなくても、スタンドアローンで迫力ある演奏が実現できる。少し広い部屋でホームパーティなどを開催する程度なら、これ1台で十分にライブ演奏に耐えうるスペックを持ち合わせている。価格はオープンで、税別の実勢価格は5万5000円前後の見込み。6W+6Wのアンプを搭載するCT-X3000は3万3000円前後の見込み。